レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド人に食べさせて「スベらないご飯」

2016-10-23 05:00:00 | 日記
前回は、アイスランドと日本の食文化の違いなどから生じてしまう「この料理苦手」というものについていくつかご紹介しました。

非常に大雑把な、かつ私の個人的な主観ですが、アイスランドの人は豆腐やそうめんのように「味がない、あるいは非常に薄い食材」「味より食感の具材」が苦手なように思われます。

今日は逆にアイスランドの人が高い確率で気に入ってくれる日本の食べ物、料理について書いてみたいと思います。ただ、その前提は私個人の体験で、何かのリサーチやアンケートをしたわけではありませんので、信用し過ぎないようお願いいたします。

それから、もうひとつ前提というか話しの土台のようなものがあります。それは基本的には日本の食べ物は美味しいですから、時間をかければアイスランドの人は皆、日本の食べ物が大好きになるだろう、ということです。

これまでずいぶん、大学の交換留学生や、あるいはビジネスや休暇で日本へ行って帰ってきたアイスランド人を見てきましたが、総じて「日本は食べるものが美味しい」と言っています。

「そりゃあ、日本にはいろんな種類の食べ物があるんだから、何かしら自分の気に入ったものはあるだろう」と皮肉な見方をすることもできますが、私が耳にした範囲ではそういうことではなくて、フツーに平均的な料理を試してみて、美味しかった、ということのようです。

で、ここで今から挙げる例は、スシ以外には日本の食べ物をほとんど知らず、また日本へ行ったこともないような人が、初めて試してみて「美味しい」という確率が高かったものになります。

なぜ、そんなことがわかるか? というと、過去何年間か「マルチカルチュラル·フェスティバル」のようなイベントで、日本人有志グループで「日本食試食コーナー」のようなものをやってきました。

たいていの場合、メニューは簡単にできる炊き込みご飯、混ぜご飯、麺類などになるのですが、そういう場でのお客さんのリアクションなどから「ああ、これは食べやすいんだ」とわかる食べ物があります。

すごく人気があったのは、これは多少意外なのですが、ゆかりご飯です。これは試食用に超ミニサイズのひと口おにぎりの形態にしてあるのですが、食べた人はほぼ例外なく「このムラサキのものは何だ?」と訊き、「シソという葉っぱで香辛料のようなもの」と知ると「うーん、美味しい」となるパターンがずいぶんありました。

五目炊き込みごはんなども同じように好評でしたが、中には「匂いがイヤだ」という人もちらほら。私の好きなふりかけで、おかか主体で小魚が混じっているものがあるのですが、このふりかけご飯の場合は、「これは魚か?」と目ざとく小魚を認め、引いてしまう人もありました。

日本そばは、試食イベントの場合はつけそばに限られてしまったのですが、これは具五分五分くらいで気にいる人、気に入らない人が分かれた気がします。

過去何回か「スシ以外の日本食でアイスランドでできるもの講習会」を頼まれてやったことがあります。考えて「カツ丼」「親子丼」にしたのですが、このふたつは結構食べやすかったようです。

この「つゆ」の味に慣れたら、いろいろなどんぶりものにメニューが広がっていきますからね。結構大切なメニューだと思います。

さて、以降は私が友人を招いたりして振る舞った結果からです。別にたいしたご馳走ではありませんが。

「絶対にスベらない」メニューは焼きそばです。これは間違いなく皆が「美味しい」と言います。この焼きそばは、日本で普通に売っている蒸しそばが三玉と粉ソースが一袋に入いっているやつです。もちろん、肉や野菜は加えて作りますが。

もうひとつ「絶対にスベらない」のはナポリタンです。これはあまりの美味しさと作り方の単純さに皆が笑って喜びます。私はナポリタンにはいつもトンカツソースを加えるので、そこだけ「特殊調味料」になってしまうのが残念ですが。トンカツソースはこちらの店では売っていません。

その他、トンカツ、天ぷら、焼き豚、肉じゃがのような定番和食メニューや、炒飯、麻婆豆腐、餃子、エビチリ等の中華系も問題なく歓迎されています。エビチリなんかは「Cook Do」で作っても、こちらの人は料理の達人と思ってくれます。有り難や、Cook Do。

スープに入った麺類は人によって、ですね。これは味だけの問題ではなくて、ああいう形態の、しかも結構熱い食べ物を食べるのに、こちらの人が慣れていない、ということもあると思います。ラーメンをスプーンに乗せて(結構多くの人がやります)冷めるまで待っていたら、やはりそういう味になるでしょうし。

結果、当たり前のような話しになってしまいましたが、もし皆さんが日本食の経験のないアイスランド人を手料理でもてなしたり、あるいはレストランへ同伴するようなことがありましたら、「火の通ったもの」「味がしっかりしたもの」を基準にして判断されるのがいいのではないか、と思います。

私たちが美味しいと思うものと、アイスランド人が気にいるものとは初めから一緒、というわけにはいかないですからね。先方が日本の味に慣れてくれるまでは、多少の心配りがあった方が、日ア関係は良好になるでしょう。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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コメント (2)
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