レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「必要」は「転用」の母 コロナの思わぬ遺産

2021-10-17 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

レイキャビクはすっかり秋めいてきました。九月末からの悪天強風の日々にうんざりさせられていましたが、ここにきて、いかにも「秋」といった感じの、金色の陽光輝く日も現れるようになりました。ありがたや。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Ken_Cheung@unsplash.com


この時期、他の北欧諸国はすべて -というのはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドですが- コロナ感染予防に関する一切の制限を撤廃しています。もっとも国境を越える場合にはまだ制限というか証明提出義務とかがあります。国内制限の完全撤廃、ということですね。

アイスランドでもコロナの緊張感はグッと低くなりました。まだ制限そのものはあります。集会はまだ500人が限度ですし、屋内では1メートルのソーシャルディスタンスをとるか、それができない時はマスク着用義務があります。

最近、陽陰性の簡易検査キットも導入されており、これを事前検査に用いたイベントでは1500人まで集まることが許されています。

実際には人口十万人あたりの新規陽性者指数は151,1で、つまり十万人中151人程度が陽性者であるわけです。470人が隔離されていますし、陽性の可能性があるための予備隔離には1500人余りが入っています。

ですから、まだ「コロナ終わった」というわけではないのですが、その一方で入院者は先週14日の時点で4人、重篤者1人。つまり、感染してはいるけど、特に具合がひどく悪くはならない人の割合が多くなっているわけです。

国が用意している公式の統計資料を見てみると、デルタ株が流行りだした七月中旬から八月中旬までの一ヶ月は、感染者中のワクチン接種済みの人の割合が過半数以上でした。

それが八月下旬からは逆転し、最近ではワクチン未接種の人の割合が三分の二くらいになっています。アイスランドにも頑強なワクチン反対論者はいるのですが、効果は確かなものだといえると思います。

もっとも反対者の論拠は副反応への不安であって、効果がない、ということではありませんが。




グラフ中、青はワクチン接種済み 赤は未接種
Myndin er ur Covid.is


今は街中ではマスクをしている人の数がめっきり減っています。スーパーの中などでも、マスク着用は義務ではなくなっています。私はマスクを付けますが。

面白いもので、国民性みたいなものがあるのかしら?アジア系のルックスをしている人たちは、ほとんどがまだマスクをしています。マスクに抵抗がないのか?コロナへの警戒心が高いのか? どっちでしょうね? 単に癖かも?

そういう状況なので、他の北欧諸国に倣って「アイスランドでもすべての制限を撤廃していいのではないか?」という声が強くなっています。カトリーン首相とスヴァンディース保健衛生大臣は「ポジティブに検討している」と数日前に語っています。

日本でも同じような状況ではないかと思うのですが、医療関係者はそう簡単には同意しません。ソーノウブルさんという感染予防のお医者さんで、当初より対コロナの陣頭に立ってきた方だけが(主な政府関係者の中でということです)、「いや、他国がどうしているということじゃなくて、自分たちの状況と経験から決断しなくてはダメだ」と制限撤廃に慎重姿勢を取っています。

というわけで、まだ完全にコロナを鎮圧したわけではありませんが、それでも「ひとつの章は終わりつつある」という感があります。

さて、そうなると、これまでコロナ関連グッズで儲けていた人たちには幕引きの時となってしまいますね。

私自身、コロナ関連グッズは色々と買い込み試してきました。半分オモチャ気分。(*^^*) それらの使い残しが、まだ結構未開封のまま残っています。

例えば日本のテレビでよく見かけたマウスシールド?っていうのでしょうか?顔の下三分の一くらいを覆う透明なプラスチックのマスクみたいなもの。

これは結構役に立ちました。仕事上、人と会って話しをすることが不可避なことなのですが、普通のマスクをしたままだと、一対一ならともかく、一対多数の時にはどうしても話しづらくなります。

それが、このマウスシールドなら口元も見えるし、声もきちんと届くし、都合の良いものでした。




未使用のままの「グッズ」もかなりあります


もうひとつのフェイスシールド?というのでしょうか、顔全体を覆うような大きな透明プラスチック板。これも買っておいたのですが、一回も使うことはありませんでした。

あれは、お店のカウンターに立つ人とかが使うもものなのかなあ? あとは解剖とか?昔「Xファイル」でスカリーが解剖の時に使っていたような。まあ、その記憶があったので買ってみたのですが。へへ。

そして、最近になってネットで購入したのが、顔全体を覆うお面のようなプラスチックマスクです。フェイスシールドと違うのは、とにかくフェンシングのマスクのように、隙間なく顔を覆うことです。

これ実はFacebookのアドで初めて見たのですが、一般からは恐ろしく不評の代物でした。「こんなもの付けて歩けるか?」「何から守ってくれるの?」「前代未聞の無用の長物だ」とか散々。




ケチョンケチョンに言われている対コロナマスク


にもかかわらず、ワタシは25ドルをはたいての購入を決心しました。一ヶ月前。そして、届きました先週の木曜日。試してみましたが、なかなかしっかりできていて、クズではないです。

「届いた頃には、コロナが終わってたんでしょう?」とお思いでしょうが、ワタシはこれをコロナの故に買ったわけではないのです。ワタシには、ちゃんとした使い道がはっきりと見えていたのです!

それは、雨混じり強風、雪混じり強風とかの、アイスランドのカメハメハーンの中を歩いて行かなければならない、という状況の時に使う予定のものなのでした。

カメハメハーン? アイスランディック・ストーム


よくあるんですよ、そういうこと。これからの長い冬の日々には。頭はあのラックに付いているフードで覆えますが、顔面はノーガード。風が当たるは、雨や雪が当たるはで、痛いのなんの。とても前を見ることはできず、うつむいたままで歩かざるを得ません。

そうなると、それはそれでとても危険なことなのです。前方不注意で。

この、もともとはコロナ対策用の、チョー不評なマスクを見た時、「これだ!」と思ったのでした。これがあれば、風だろうが、雨だろうが、雪だろうが、怖いものなし。まあ、雪がくっつくと手でワイパーをしないといけないでしょうが。




逆光ドライブに対抗するダブルサングラス


時に、「必要」が身の回りのものの思いがけない利用法を閃かせることがありますね。数日前には、別の体験をしました。

秋の快晴だったのですが、車の運転には支障もあり、目の前に太陽が輝いてしまっていたのです。これは冗談でなくチョー危険。サングラスだけでは、陽を遮る強度が足りないのでした。

そこでフと気がついて、車に置いてある別のサングラス状のメガネを併用してみました。このサングラスは「Sun」用ではなく、雨天での夜間走行などの際に、対向車のライトのギラギラ等を抑えるために使うものです。

便利なのは、そのため普通の眼鏡をしてても、その上に重ねて使えるようにデザイナれていることです。だから、サングラスをし、その上にこの「サングラス」を重ねることができるのでした。

これは、かなりビンゴ!で、びっくりするくらい太陽光をシャットアウトすることができました。これで運転が楽になる。

こういう思いつきが図に当たると、「なんとオレは頭がいいのだろう」と惚れ惚れとしてしまいます。ウヌボレとも言いますが。

もうひとつの「コロナ対策マスク転じてカメハメハーン対策マスク」も実際に試してみる日を楽しみに心待ちにしております。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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Facebook: Toma Toshiki
コメント (5)
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