八月の始めの二週間を札幌で過ごしました。この時期に日本に滞在するのは多分アイスランドに移って以来初めてのことだと記憶しています。レイキャビクで毎年参加している、Tjornin(ダウンタウン中心地の池)での原爆被災を覚えてのキャンドル流しも今年は当然パスしましたので、少々変な気分です。
その代わり?久々に日本での「お盆」を味わいました。お盆のように伝統的にその地域と密着してして生成してきた伝統・習慣というのは、地域によってその持ち方仕方が様々に異なりますね。
私の両親はもともと東京の方の出身で五年前に札幌へ移りましたので、札幌の土地の者ではありません。私自身も札幌でのお盆は初めての体験でした。体験したといっても実は盆の入りに触れた、くらいのものでしたが。
実は父がこの夏の始めに天寿を全うして召され、先日、一年ほど前に購入した新しい我が家の「お墓」に納骨されました。ですから母にとっても札幌での「お墓参り」ですとか我が家に直接の関わりがある「お盆」は初めての出来事となったわけです。
で、いざ盆の入りで準備だ何だとなってみると、やはり馴染みのある東京-神奈川地域とは違うものがあったようです。いろいろな食文化や習慣のお故郷による違いがあるということは「秘密のケンミンSHOW」で日頃より楽しんでいますが、実際に直面してみても面白いものがありますね。
私が面白いと思ったことですが、お盆より以前にまず墓地・霊園に関してです。我が家の新しい墓地は札幌市南区にある滝野霊園というところにあります。この霊園、詳しいポリシーは知りませんが広大な敷地にいたるゲートをくぐると、まず何十というモアイ像がお迎えしてくれます。さらに巨大な大仏様、ストーンヘンジ、名前を存じ上げない観音様などがあちらこちらに点在しています。霊園の中心にある礼拝堂の前にはなぜかマリア像。
パンフレットを見た時には「何だコリャ?」と思ってしまいましたが、実際にその場に行ってみると、これがなかなかいいのです。北海道という土地柄なのでしょうが、広々としていて明るく、ラベンダー・ガーデンなども設置されていて「恨めしーやー...」というようなジメジメ感が全くありません。結構気に入ってしまいました。
明るい霊園を守るモアイ像 札幌の真駒内滝野霊園
さて「北海道のお盆の習慣」に戻りますが、人々の間で関心のあるトピックなのか、たまたま午後のバラエティ番組でも特集を組んでいました。「北海道民のオキテ」という文化紹介の本が発売されたのに引っかけての特集のようです。ちなみにこの本はさとうまさ&もえさん夫妻が原作者で、たいらさおりさんが漫画をつけたもの。中経出版より千円で出ています。
テレビでまず紹介していたのは子供たちが八月七日の七夕(仙台と同じく月遅れでの七夕が守られています)に「ローソクおくれ...」と歌いながら近所を回って歩く習慣。迎える大人はローソクではなくお菓子を分けてあげます。
どっかで見たような気がしますよね。ハロウィーンで仮装した子供たちがお菓子をねだって歩くのと同じです。アイスランド・バージョンでは受難節(キリストの十字架を偲ぶ期間)入り「灰の水曜日」に子供たちが仮装をしてお菓子をねだって歩くものです。
アイスランドの「灰の水曜日」についてはこちら
皆さんの中で「思い出のマーニー」を見た方は「ああ!」と思い当たるかもしれません。「マーニー」の中でも描かれていました。見ている時は「田舎の風習か?」でしたが、道民には馴染みのある伝統だったようで。(^-^;
八月七日の七夕は「盆の入り」と関連して考えられているそうなのですが、北海道の盆踊りでは仮装して参加するものも珍しくないそうです。これは盆踊りとは元来戻ってきた祖霊の皆さんが踊って楽しむものだそうで、幽霊の仮装をして楽しむのは「身体をお貸しする」ことなので正しいことなのだ、とバラエティの中で大学教授が語っておられました。
さらに北海道ではお盆の墓参りにはピクニック用のシートやお弁当を持参し、お墓のそばでみんなで座り込んで飲食するのだそうです。これは実際に目撃しました。まあ、楽しくていいですよね。
その代わり?全国で一般的なお迎えのための「迎え火」というようなことは北海道ではしないのだそうです。バラエティではこの辺のことも突っ込んだ話題になりました。他県の人の意見では「お盆には祖霊はお墓を離れて家に戻ってくる。だから迎え火を焚いて、家でご馳走を振る舞うのが当然。お墓は空なのだから墓参りは要らない」
理屈に合っています。墓参してのピクニックという北海道バージョンはいささか理屈に合わない気がするのですが、そういう細かいことは気にしないで楽しむ、のが「北海道人のオキテ」だということです。
内地に比べて歴史が浅く、しかも全国津々浦々から人々が移ってきて開拓をした北海道では「太いひとつの伝統」ではなく「様々な文化で新しい伝統を作る」ということが根本にあるということなのでしょう。
道民の皆さん、間違った記載があったらゴメンナサイ。私は門外漢ですが、それでも北海道、かなり好きです。v(^^)
*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
その代わり?久々に日本での「お盆」を味わいました。お盆のように伝統的にその地域と密着してして生成してきた伝統・習慣というのは、地域によってその持ち方仕方が様々に異なりますね。
私の両親はもともと東京の方の出身で五年前に札幌へ移りましたので、札幌の土地の者ではありません。私自身も札幌でのお盆は初めての体験でした。体験したといっても実は盆の入りに触れた、くらいのものでしたが。
実は父がこの夏の始めに天寿を全うして召され、先日、一年ほど前に購入した新しい我が家の「お墓」に納骨されました。ですから母にとっても札幌での「お墓参り」ですとか我が家に直接の関わりがある「お盆」は初めての出来事となったわけです。
で、いざ盆の入りで準備だ何だとなってみると、やはり馴染みのある東京-神奈川地域とは違うものがあったようです。いろいろな食文化や習慣のお故郷による違いがあるということは「秘密のケンミンSHOW」で日頃より楽しんでいますが、実際に直面してみても面白いものがありますね。
私が面白いと思ったことですが、お盆より以前にまず墓地・霊園に関してです。我が家の新しい墓地は札幌市南区にある滝野霊園というところにあります。この霊園、詳しいポリシーは知りませんが広大な敷地にいたるゲートをくぐると、まず何十というモアイ像がお迎えしてくれます。さらに巨大な大仏様、ストーンヘンジ、名前を存じ上げない観音様などがあちらこちらに点在しています。霊園の中心にある礼拝堂の前にはなぜかマリア像。
パンフレットを見た時には「何だコリャ?」と思ってしまいましたが、実際にその場に行ってみると、これがなかなかいいのです。北海道という土地柄なのでしょうが、広々としていて明るく、ラベンダー・ガーデンなども設置されていて「恨めしーやー...」というようなジメジメ感が全くありません。結構気に入ってしまいました。
明るい霊園を守るモアイ像 札幌の真駒内滝野霊園
さて「北海道のお盆の習慣」に戻りますが、人々の間で関心のあるトピックなのか、たまたま午後のバラエティ番組でも特集を組んでいました。「北海道民のオキテ」という文化紹介の本が発売されたのに引っかけての特集のようです。ちなみにこの本はさとうまさ&もえさん夫妻が原作者で、たいらさおりさんが漫画をつけたもの。中経出版より千円で出ています。
テレビでまず紹介していたのは子供たちが八月七日の七夕(仙台と同じく月遅れでの七夕が守られています)に「ローソクおくれ...」と歌いながら近所を回って歩く習慣。迎える大人はローソクではなくお菓子を分けてあげます。
どっかで見たような気がしますよね。ハロウィーンで仮装した子供たちがお菓子をねだって歩くのと同じです。アイスランド・バージョンでは受難節(キリストの十字架を偲ぶ期間)入り「灰の水曜日」に子供たちが仮装をしてお菓子をねだって歩くものです。
アイスランドの「灰の水曜日」についてはこちら
皆さんの中で「思い出のマーニー」を見た方は「ああ!」と思い当たるかもしれません。「マーニー」の中でも描かれていました。見ている時は「田舎の風習か?」でしたが、道民には馴染みのある伝統だったようで。(^-^;
八月七日の七夕は「盆の入り」と関連して考えられているそうなのですが、北海道の盆踊りでは仮装して参加するものも珍しくないそうです。これは盆踊りとは元来戻ってきた祖霊の皆さんが踊って楽しむものだそうで、幽霊の仮装をして楽しむのは「身体をお貸しする」ことなので正しいことなのだ、とバラエティの中で大学教授が語っておられました。
さらに北海道ではお盆の墓参りにはピクニック用のシートやお弁当を持参し、お墓のそばでみんなで座り込んで飲食するのだそうです。これは実際に目撃しました。まあ、楽しくていいですよね。
その代わり?全国で一般的なお迎えのための「迎え火」というようなことは北海道ではしないのだそうです。バラエティではこの辺のことも突っ込んだ話題になりました。他県の人の意見では「お盆には祖霊はお墓を離れて家に戻ってくる。だから迎え火を焚いて、家でご馳走を振る舞うのが当然。お墓は空なのだから墓参りは要らない」
理屈に合っています。墓参してのピクニックという北海道バージョンはいささか理屈に合わない気がするのですが、そういう細かいことは気にしないで楽しむ、のが「北海道人のオキテ」だということです。
内地に比べて歴史が浅く、しかも全国津々浦々から人々が移ってきて開拓をした北海道では「太いひとつの伝統」ではなく「様々な文化で新しい伝統を作る」ということが根本にあるということなのでしょう。
道民の皆さん、間違った記載があったらゴメンナサイ。私は門外漢ですが、それでも北海道、かなり好きです。v(^^)
*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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迎え火ですが、私の遠縁のある地域の迎え火は派手です。まず家の隣りとか庭でデカイたき火をします。
本気出す家(遠縁のうちもその一軒)は、家の隣りに広場を持っていて、そこでキャンプフャイヤーよろしくボーボー炊きます。何年か前には火の勢いが足りない、と石油ぶっかけているのを目撃しました(^^;
で、送り火もまたデカイ火で送ります。
どういう習慣にせよ、ご先祖を忘れず敬う事は素晴らしいことだと思います。
そうですね。先祖ももちろんですが先人を大切にすることは世の根本にあって欲しいものだと思います。