レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ブライダル·フォトの挑戦 あなたならどうする?

2017-10-08 05:00:00 | 日記
ここ二回ほどシビアで、かつあまり胸のすく話ではなかったので、今回は目先を変えます。と言っても、これもまた胸のすく話しとは言えないでしょうが。

夏にアイスランドでの挙式のことについて何回か書きました。「ご自分で挙式を企画するのも楽しいのでは?」とか調子のいいことを言って、そのための費用の目安をお伝えしたりしました。

「愛すランド」で結婚式?



で、教会の使用料、牧師やオルガニストへの謝礼等、教会関係で見込まれる費用に関しては「それほど高いものではない」ということもお伝えしました。これは間違いではありません。

加えてお花代、ヘアサロン、カメラマン等も必須の事項であろうとしたのですが、これらは教会外のビジネスですので、費用を「いくら」と記すことはしないですませました。

今回、一ヶ月後あたりにこちらで挙式をされる方があり、諸事情から私がカメラマンというかフォトグラファーにあたりをつけることになったのですが、これを機会としてこちらのプロの写真家さんたちの「相場」を垣間見ることができましたので、それについてちょっとお知らせしておきたいと思います。ビックリしたからです。

結婚式というのは、儀式としては短いもので、だいたい三十分から四十分くらいのものです。前後に多少静止写真を撮っても時間としてのかかりは一時間強くらいのものでしょう。

ですから、プロの写真家に頼んでも、まあ3万から4万くらいのものだろう、と見当をつけていました。甘かった... プロの世界は厳しかったのです。




某教会での挙式
Myndin er ur Husrad.is


ネットで幾人かのプロの写真家の方々のホームページを訪ね、挙式の際の費用を調べてみました。その結果を発表します。ホームページを出しているのですから、別に仮名にする必要もないでしょうから、実名でいきましょう。

その前に、ひとつ。こちらの写真家の皆さんは、ほぼ例外なくVerdskraヴェルズスクラウなる料金表を提示しています。結婚式は、他の写真撮影の機会 -例えば赤ちゃん誕生、フェルミング(献信式)、卒業式等- の中のひとつして分類されています。

その中でさらに、A「式前あるいは式後の静止写真」、B「式中写真」、C「A+B」、D「準備中の写真」、E「披露宴」、F「一日中密着」などのようにメニューが提供されます。

そしてそれぞれの項目に目安となる写真の枚数、あるいは時間制限が明記され、さらに「延長」の場合の追加料金等も記されていることが多いです。明朗会計! いいですね。

まずはラウルス·Sさん男性フォトグラファー。A:89.500kr.(30枚) C:134.500kr(75枚) C+パーティー2時間:209.000kr.(140枚) F:299.000kr.(200枚)

グンナル·フレイルさん男性。A:74.000kr.(25枚) C:115.000kr.(100枚) C+パーティー:165.000kr.(150枚) C+パーティー夜中までOK:225.000kr.(250枚)

女性フォトグラファーでハルパ·フルンドさん。A:69.000kr.(20〜30枚) B:109.000kr.(100枚) B+D:190.000kr.(200枚) F:250.000kr.(300枚)

同じく女性、グリェータさん。A:64.000kr(20〜25枚) B:44.000kr.(40枚) C:100.000kr.(100枚) B+ゲスト写真:190.000(200枚) E:(1時間のみ) 52.000kr.(50枚)

私の知り合いのアウスゲイル·Aさん男性。A:74.900kr.(枚数表示なし) C:124900kr. C+E:194.000kr F:299.900kr.

最後にちょっと面白いメニューを出しているヨウン·パットゥルさん男性。A:120.000kr.(30〜50枚) F:245.000kr. オモシロメニュー「すべてちょっとチョット」:190.000kr.(200〜250枚)

と、いう様な相場です。

私は日本のフォトグラファーの料金というものをまったく知らないので、比較はできないのですが、結構良い値ではありませんか?プロなら当然か?




ハットゥルグリムス教会
Myndin er eftir Morteza Songoldazeh


ひとつお断りしておきたいのは、ネットで容易に見つかった方々ですので、腕がいいとか、人気があるとか、そういう理由があっての料金かもしれません。

今まで、日本からの皆さんの式をいくつも担当させていただいてきましたが、皆さんが毎回これだけの料金を写真撮影用に支払っていたとは、ツユ知らずに過ごして参りました。ヒラに。m(_ _)m

教会という環境にいるためか、正直言って「ボッタクリ」感が湧いてきてしまいしかたありません。私なんぞ、式そのものをしたって12.000krとか、少し追加のことをして15.000とかMax20.000krですよ。しかも、別日のリハーサル込みで。

よくよく考えれば、しかも日本語での式。経済学的に「希少性」を考えるなら、他に選択肢のない「日本語による挙式」はそれだけで価格が上がってしかるべきかも!

では皆さん。値上げをさせていただきます。

これまでのMaxの100%増しの40.000krいただいても、写真家のミニマムである式前式後の静止写真の料金にも及ばないではないか! じゃあ、200%増しにしましょう。これ以降挙式担当料は60.000kr.ということでお願い致します。

というのは、もちろん冗談です。

牧師はきちんとサラリーを別途いただいていますので、生活に支障はありません。挙式による収入はあくまで副収入ですし、実際私は挙式でいただいたお金は、すべて教会が管理する「難民支援用基金」に回すように努めています。

「(何かの事情で)今晩泊まる場所がない」「バスカードをなくしてしまって、バスに乗れない」「法律家の助言が欲しいのに、お金がなくて相談に行けない」等々のピンチに見舞われた人をサポートするための基金です。

元々は、まったく面識のない農夫の老夫婦が引退をされフロリダに移住された際に、「困っている難民の人のために使って」とポンと百万クローネを差し出してくださったものです。

ただお金はどんどん減っていきますからね。多少なりとも充当するよう心がけないと。まあ、それは別の話しです。

いやあ、アイスランドでの挙式は安くあがると信じて生きてきましたが、思わぬところで「そうでもない」という壁にぶち当たってしまいました。

どうすればいいでしょうねえ、皆さん。何とか言いくるめて友人の方をひとり一緒に来させて、その人に写真を撮ってもらう、なんていうのが実際的な解決になるかも?

あるいは私が自前で撮影ボラ隊を結成して、安く請け負わせるか。安くても何がしか支払ったらボラじゃないか?

私が式中に自分で撮影するとか?牧師じゃなきゃ撮れないアングルというものもありますからね。あっ、これいい考えかも! 今度挙式される方に提案してみましょう。式中キスシーンでバシャッと一枚1000円。v(^^) スプラッシュ·マウンテンか?

これからアイスランドでの挙式をお考えになる方で、かつご自分でオルガナイズしよう、という方がありましたら、フォトグラファーを甘く見ないことを心がけてくださいますよう。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is


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