レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

レイキャビク西街 スパイスの夏

2021-08-22 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。アイスランドでは晩夏がやってきました。毎年この時期には、長い夏休みから人々が戻ってきており、いろいろな活動が再開します。ただ九月からの「新年度」に備えての、準備的な活動が多いのですが、それ故にことさら「ああ、夏が終わったなー」というような雰囲気になります。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Roma_Ryabchenko@Unsplash.com


この夏の終わり期には、野外ワイワイどんちゃん騒ぎ祭り、ゲイ・プライドの行進、レイキャビクのカルチャーナイトやレイキャビク・マラソン等の定番フェスが目白押しであるはずなのですが、昨年に引き続きほとんどが中止となり、その部分では季節感まで失われてしまっています。

他のヨーロッパの国々でも似たり寄ったりなのですが、コロナのデルタ株感染が猛威を奮っている一方で、ツーリズムを始めとする経済活動は、制限付きではあるものの継続されています。

我がレイキャビクは西街の界隈でも、よく五、六人でまとまった歩行者に出くわします。例外なく外国からの観光客。多分家族。きっと、そこここのAir BNBを使っての滞在なのでしょう。西街界隈にはかなりあるようなのです、Air BNB。

そういう夏でしたが、私は結構忙しかったのと、ひとりで旅に出る趣味もないので、どこへも行かずヒマができると自宅でまったりしていました。生活必須事項かつ趣味の一部でもあるクッキングを、そんな中で楽しんでいたことは少し前に書かせていただきました。

アイスランド コロナ制限全廃と復活の趣味の料理人 


私、もともと料理はする男なのですが、決してグルメではありません。別に美味しいものについてのウンチクもないですし、稀な食材を探し求めているわけでもありません。ホームパーティーでアッと言わせるようなものを作ることを願うこともなく、あくまでフツーの家庭料理を作るのを良しとしています。

今年の夏はYoutubeのいろいろな動画を刺激として、簡単なイタリアンとか和食、それに中東系の料理を開拓しました。

特に中東系の料理は、機会があって口にする度に「美味い」と思うのですが、作り方とかはまったく知識がなく、「いつか作ってみたいものだ」という願望リストにキープされたままでした。

なにしろ「ラム肉が入っている、ピラフみたいな料理」とイメージするだけで、何という料理かも知らないままでしたから。




「ラム肉が入っている、ピラフみたいな料理」


日本の家庭料理って、基本は「出汁」じゃないですか。だから私も、もともとスパイスについての知識がほとんど皆無だったんですよね。それが中東料理となると、もうスパイスのオンパレード。

クミン、カルダモン、ターメリック... それぞれのスパイスの名前は聞いたことがありますし、シナモンやナツメグのように、たまには使うことのあったものもあります。ですが、それらをどのように組み合わせると、どのような結果になるのかについてはまったくのNo idea。中東料理は敷居が高かった理由のひとつです。

ですが、今回はこの難攻不落のスパイス文化にも挑戦してみました。とにかく食べたかったのは名前も知らない「ラム肉が入っている、ピラフみたいな料理」だったので、それらしきメニューをYoutubeでピックアップ。その作り方を調べてみました。

似たような動画をいくつもみたのですが、そうすると大体使われているスパイスも作り方も共通する部分があることがわかります。そうなると、それが基本なんだろうという察しがつくわけです。

で、それらの動画に共通して出てくるスパイスの一軍連中をスーパーで買い込んできました。まあ、それなりの出費ではありますが、メチャクチャではありません。ドライ・レモン(レモンというよりはライムのように見えるのですが)のような特殊な食材もありましたが、これはアラビヤ料理の食材店で見つけて買ってきました。




中近東料理ではよく使われる(らしい)ドライ・レモン


スパイスの多くは、すでに粉になっているものと、粒々のままのもの、さらには生のものもあるのですが、これはメニューに登場する頻度を鑑みながら、必要な形態のものを集めてみました。

そうこうして、未知の世界だったスパイス界の住民たちにも馴染みができてきたのですが、それでも時折「ガラム・マサラ」とかいうような、聞いたことのないスパイスが突然出てくることがあります。

ところが調べてみると、何ということはない、レギュラーメンバーのスパイスを合わせたものではないか。インド料理ではメジャーな調合なようで。知らぬはワタシばかりなり。まあ、初心者とはそういうものです。(*^^*)

そうこうしながら「ラム肉が入っている、ピラフみたいな料理」に実際にチャレンジしてみました。

その結果は... ?

まあ、やってみれば難しいことはなかったですね。スパイスさえ、手元に揃っていれば、料理としては単純な部類だと思います。肉を炒める。野菜を炒めてスパイスと混ぜる。お米と水を加えて炊く。というだけのこと。

いろいろ見ていてわかってきたのですが、この手の料理はカブサ、もしくはビルヤニと呼ばれるらしく、それぞれにラム肉バージョンとチキンバージョンがあるのが定番のようです。



チキン・バージョンのビルヤニ


多少難しかったのは、中近東のお米バスマティを炊くことで、要するにパエリアとかの時もそうなのですが、大き目の(フライ)パンで炊くわけですよ。ところがお米は炊飯ジャーで炊くことに慣れ切ってしまっているワタシは、なかなか水加減、火加減に自信が持てず、結局水を入れ過ぎてしまった感。

まあ、でも二回目、三回目と続けるうちにコツはわかってきした。継続は力なり。完璧とはいかないまでも、美味しく食べられる「ラム肉が入っている、ピラフみたいな料理」を作ることができました。めでたし、めでたし。

ついでに学んだことが、これまた結構重宝すること。それはヨーグルトを使ったドレッシングというかソースというか。これは、さっぱりしていて、とりわけラム肉料理には合うもののようです。

多少正確さは欠くかもしれませんが、ギリシャ料理で良く紹介されるタジキ(ザジキ)・ヨーグルトソースというのが、結局中近東でも広範に賞味されているもののようです。グーグルしてみたのですが、起源はどうもトルコ辺りにあるみたいです。





ヨーグルト・ソース二種 左:ギリシャ風 右:ゴマ風味


私のこれまでの食生活では、ヨーグルトは朝食の一部分以上のものではなかったので、これも知ってみて良かった、ことのひとつでした。

さて、こうしてこの夏、私は中近東料理にデビューすることができましたので、それなりに生産性のある夏だったことになります。

もっとも、私の手料理をメインで食べさせられるのは、居候している息子です。毎日中近東料理ではかわいそうなので、合間合間にイタリアンや和食(風)を混ぜて作っていたわけです。

そのイタリアン、プラス・ヨーロッパのレシピにもいくつも面白いものがありました。それら、とても簡単なものなので、またの機会にご紹介してみたいと思います。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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2 コメント

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かなり (山口)
2021-08-25 17:47:29
レベルが高い感じがします、味が伝わってくるんですよね〜、香りも、ガラムマサラはクミンと並んで本格カレーには必須ですね、ちょっとスパイシーですしね、レシピによっては予めクミンを調合することもあるそうですが、それでもぼくはクミンは追加します^^、
返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2021-08-25 19:04:34
山口シェフ、

コメントありがとうございます。
いやいや、プロの方から評価をいただくなんていうのは滅相もないことです。
ワタシはあくまで「家のコックさん」を自認していますので。

スパイスはまだまだな名前を見知ったという段階で、先が長いようです。
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