私が今一人暮らしをしているのは、レイキャビク市の中の西街というところです。こちらの言葉ではVesturbær(英:Western town)といいます。アイスランドは国全体の人口が約32万人と、日本の小さな地方都市程度です。首都レイキャビクには12万弱の人が住んでいますが、普通にレイキャビクという際には近郊の町も含むので、その意味では20万弱の人口になります。というわけで、国の人口の半分以上は首都近郊に集まっています。念のため、「首都」といっても日本人の感覚からしたらレイキャビクは「町」だろうと思います。
西街は隣りの中街、東街と共に、以前のレイキャビクを形造っていました。つまりold townなわけです。で、今でもスノッブな向きは「本当のレイキャビクは西、中、東街だけだよー」ってなことを言ったりします。すみません、私も一味です。こちらへ来て20年になりますが、そのうちの18年はこの西街か中街界隈をねぐらにしてきました。今のアパートにはもう13年も住みついています。
世界どこでも、old townはそうなんだろうと思いますが、ここも狭いしごちゃごちゃした街です。通りが狭く一方通行だらけです。おまけに駐車スペースが少ないので、家の近所でも仕事時間後の駐車場所の確保に目が吊り上がります。(私のアパートは1階部分を駐車スペースにしているので、目を吊り上げる必要はありません、へへ) 当然、この界隈ではどでかいジープとかを持っている人も少ないです。邪魔以外の何ものでもありませんから。
一般的な傾向としては、大きな家に住んで、大きな車に乗り、大きな犬と大きな庭で遊びたい人たちは、近郊のゆったりとした地区へ腰を据えます。西街や東街にへばりついているのは、ボヘミアンか好事家、車を買うゆとりのない人、貧乏性で大きな住居に耐えられない人等々でしょうか?ああ、あとはダウンタウンのバーやライブのなるべく近くにいたい人でしょうか?
ただ、西街に限ってはもうひとつのタイプがあります。西街が好きな人たちです。住居が古かろうが、古アパートの階段が狭くて急であろうが、大きな車は持てなかろうが、時には車を置いてから5分も歩かねばなかろうが、水道からのお湯の硫黄臭が他の地域よりもきつかろうが、郊外の立派な知人の家へ招待されたあとに自宅へ戻り劣等感にさいなまれようが、それでも住むならここだな!っと思っている人たちがいるのです。
何が魅力なのでしょうか?なかなか言葉で説明するのは難しいようですね。説明している相手をここに連れて来て、街を見せて、「ほらね?だから」としか説明できないような気も....まあ、でも説明できることもあります。例えば私のアパートは4階なのですが、小さなバルコニーから西の方面に海と、さらに天気がよければ氷河が見えます。その夕焼け時のきれいさと言ったら。機会を見て写真をアップしますね。今回アップした写真は私のところからみた西街の一部です。これ、実は深夜の1時くらいに撮ったものなんですよー。