レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

レイキャビクの冬、札幌の冬

2013-03-06 05:00:00 | 日記
「アイスランド」という国名から、この国は「氷島」(中国語でのアイスランドの表記)だ、というイメージを持たれる方はやはり多いようです。実際はそれほどのことはありません。雪の多さでいえば裏日本や東北地方の方が遥かに多いでしょうし、寒さでいえば釧路や旭川の比ではありません。

レイキャビクの冬に関して言えば、雪は時々負って50センチほど積もる事はありますが、根雪が当たり前ということはないですし、気温も普通はゼロ+-5度に納まるのが普通です。冬の厳しさは、どちらかというと日中でも暗い太陽光の少なさと風の強さの方にあるでしょう。

一昨年の暮れから年明けを私は札幌で過ごしたのですが、その時の比較では寒さ、雪の量ともレイキャビク=札幌間では相違がありませんでした。ただ、レイキャビクではまだ「真っ暗」である午前9時には、札幌は「明るい朝―」だったのは明らかな違いでした。ちなみに滑りやすい街を歩く怖さはサッポロの方が勝っていましたよ。札幌の冬のスクランブル、相当恐ろしい思いをしました。

レイキャビクのこの冬はマイルドな冬でした、ここまでは。雪らしい雪は降りませんでしたし、マイナス十度が続くような週もありませんでした。一方、札幌にいる両親からは「この冬は記録ものの大雪。雪かき車が足りない」との話しを聞いています。

実は二年前にもここでは同じようなマイルドウィンターでした。雪かき車の費用がまるまる浮いたのと、雪のない道路をスパイクタイヤが掻き削ったのを修理するのと、どちらが高く付くのだろうか?ということを考えていたら、三月に入ってから毎日のように雪が降る結末となりました。

今年の場合も三月に入ってから氷点下の寒さが戻り、北部、西部では大雪、レイキャビクでも雪予報です。一昨日、昨日と街のあちことを訪ねなければならない仕事が入っていたのですが、寒いのなんの。気温はそこそこのマイナスなんですが、風が強く体感寒さ倍増でした。こんなのが続けば二年前の焼き直しになりかねません、まったくもう。

スパイクタイヤの使用は、ここでは11月1日から4月15日の期間は許されています。もっとも実際にそれ以前、以後に雪が降るような状況があれば(アイスランドでは実際にあり得ます)、期間外の使用も認められます。

札幌や仙台のような大都会では、スパイクタイヤによる粉塵が市民の健康に非常に悪い影響を与えるということで、規制が強化されているということですね。(理解する範囲では絶対に使用してはならない、ということでもないようですが)

粉塵に関しては、レイキャビクは多く見て20万の都市ですから、人の健康に影響を与えるほどのことはないのかもしれません。こちらでスパイクタイヤの是非が議論になるのは、もっぱら夏期の道路修理費に関わるもののように思われます。

非常に個人中心的で勝手な見解ですが - だからそれが正しいものだとは断定しませんが – スパイクタイヤを使う方がいいですね。スタッドレスタイヤって、実際の使用のほどを見てもやはりスパイクとは違うと考えます。自分の身を守るにはスパイクが欲しいな、と。実はワタシ、雪上運転フォービアがあるのです。

「それでは、そのことで無関係の人の健康を害してもいいのか?」「スタッドレスで運転するのが怖いなら運転するな!」という声も上がるでしょう。ウーン、確かに正論だと思います。しかしたとえ運転に自信があったとしても、事実スリップしたとすれば自分自身だけではなく周囲の人の生命を脅かすことに直結します。結局こちらも他者の安全/健康を害することになってしまいます。

毎年日本でスタッドレスによる悲惨なスリップ事故が起こっていることも事実と思いますし、これは十分に考えるべき問題と思います。

ワタシの希望はですねえ、007もののように、必要な時にボタンを押すとスパイクが現れるタイヤです。そういうのって不可能なのでしょうか、Q?


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回って回って回ってまわ~る~~

2013-03-04 05:00:00 | 日記
十日ほど前の読売新聞のネット版に「信号いらず丸い交差点、日本に定着するか?」という記事が載っていました。交差点の代りに道路をサークル状に設計して車を往来させるシステムで、「ラウンドアバウト」と呼ばれるのだそうです。

手っ取り早いので少し記事から引用しますね。「 信号機を使わない『ラウンドアバウト』と呼ばれる円形状の交差点が注目を集めている。構造上、進入する車は必ず減速しなければならないため、重大事故が減らせるほか、信号機いらずで停電時の心配もない。欧米ではすっかり定着しているが、ドライバーは信号機任せにできない分、合流のタイミングなどで『判断力』が試される場面もしばしば。果たして日本では――。

信号機にかかる維持費、電気代も削減でき、約20年ごとに必要な信号機の交換も不要。信号待ちが不要になるため、市では、この交差点での二酸化炭素(CO2)排出量を1割程度削減できると試算している」(2月23日付)



Myndin er úr Visir.is

ラウンドアバウトという名称は知りませんでしたが、アイスランドではこのサークルはフリンクトルク(丸い広場)と呼ばれ、街中でもたくさん見る事ができます。日本とは逆に、車両右側通行のここでは「右折して入り、右折して出る」ことになりますが。

アイスランドで見るものは一車線のものか二車線のものです。どういう風に運転するのでしょうか?一車線の場合は既にトルク内を走行している車両に優先権がある、という事だけが重要で、あとはぶつからなければいいのです。

二車線の場合です。トルク内では内側の車線にいる車が、トルクから出る場合の優先権を外側車線の車に対して持ちます。つまりトルク内を二台の車が並行して走る場合、出口の度に外側車線の車は内側車線の車がトルクから出るのか、そのまま次の出口まで進むのかを確かめる必要があります。

内側の車が出る場合は、外側の車は一時停止をし、やり過ごしてから再発進します。ですから(特に内側の車両の)方向指示器のタイミング良い使用がとても大切になります。普段はウインカー無視のアイスランド人でさえ、トルクでは使わざるを得ません。

さて、現在自分がトルクに向かいながら内側の車線にいるとします。この場合、まずトルク内に進入するには、左側(日本なら右側)からの車が途切れるまで待つ必要があります。交通量が多い場合にはタイミングが重要なのです。左側からの内側車線の車両が外へ出るサインを出している時を見計らって進入します。左からの内側車線車は、自分が来た道の対向車線へ出て行きますし、左外側車線車はその出て行く車を通過させるために停止します。ということで安全に進入できるのです。

トルクには通常三つから五つの出口があり得ます。(三つなら三叉路、四つなら十字路、五つなら五叉路です) 内側車線内の車は、進入直後の出口から出てはなりません。そうしたい場合にはあらかじめ外側車線からトルクに進入しなくてはいけません。(グルリと一周してから、そこから出るのはOKです)

さて、トルク内内側車線に入ったとして、三番目の出口から出るとしましょう。二番目の出口にさしかかる前に、自分はここからは出ないということを示すために左のウインカーを点滅させます。トルク内進行を続けるという意味です。そうすれば二番目の出口のペアである入り口の内側車線にいて進入を待っている車も入って来ません。

三番目の出口にさしかかるより前に、今度は出る意思を示すために右側のウインカーを点滅させます。そして、トルク内外側車線を斜め後ろから走行して来る車両が、停止速度に入るのを確認してから外へ出ます。

言葉にするとややこしく聞こえますが、実際行われている事はそんなに複雑ではありません。

トルクのシステムは、交通量の少ない交差点での信号待ちのような無駄がなくなるという点では便利です。反面、歩行者の安全度が信号付き交差点に比べて格段に落ちるので、歩行者の多いポイントでは不向きと言えるでしょう。

三車線のトルクはあり得るかなあ?と考えてみましたがイメージできません。ところがグーグルしてみるとあるんですねえ、これが。少なくともアイディアとしては。

ラウンドアバウト

ついでにこんな奇怪なものも見つけてしまいました。これは一体なんなのでしょうか…???

奇怪なサークル

最後に一言。今回のブログ、疲れました…

コメント (2)
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アイスランド的ドレスコード at オフィス

2013-03-01 05:00:00 | 日記
先日、発売されたばかりの「SKYFALL」のDVDを買い、すでに五回見ました。ボンドものを見る度にスーツの格好良さを感じます。ボンド氏の着ているものは、きっと仕立ても最高級なんだろうと思いますが。

もう三十年も前の話しになってしまいますが、私は三年間ほど新橋のサラリーマンをしていました。小さな財団法人でしたがサラリーマンである以上,スーツは制服。安仕立てのものを取っ替え引っ替え毎日着ていました。

当然,仕事関係の人には平素はスーツ姿しかお見せする機会がありません。そうすると、たまの社員旅行などの機会にラフな格好でお目見えしてよいのがたまらなく嬉しくなります。「ジーンズだと全然雰囲気が違うな」とか言われたり言ったりするのが楽しみでした。

その頃のファッション感覚(と言うのはおこがましいので服装意識)では、「仕事=スーツ」「プライベート=カジュアル」という二分方が確立されており、それ故に生活着にアクセントがあったと思います。

その後神学生~牧師という、通常のサラリーマンとは別のカテゴリーに入り、必ずしもスーツが仕事着ではない環境となりました。さらにアイスランドへ移り、完璧にあの「スーツvsカジュアル」の二分方は崩れ去りました。

何故かと言うと、ここアイスランドではスーツを着る人はそんなに一般的ではないからです。もちろん日常的に着ている人はいますが、それは幹部クラスの銀行家だったり、類似の高級職についている紳士達です。

平民職でのスーツはそんなに一般的ではありません。夏の陽射しの良い日に通りをタイをして歩いているのは大抵外国からの出張組ですし、逆に銀行に入れば窓口のお兄ちゃんはオープンシャツにGパンだったりします。仕事に関してのドレスコードはほとんどゼロです。

ところでワタシ自身はですねえ、どちらかというとスーツが好きなのです。スーツを着ている時のOn Duty感も好きですし、オン・オフの服装の違いを見せることも好きなのです。っていうと、カッコつけてるように聞こえるかもしれませが、要するにいつも同じ格好と言うのがあまり好きではないし、メリハリを利かせたいのです。

牧師用の首回りにカラーのついたシャツもあるのですが、これはめったに用いません。普通のシャツより高いのでなるべく節約して使いたいのと、酒屋に入りにくいもので。

ということで、今まで長いこと毎日必ずというわけではないのですが、仕事日にはスーツというのが普通でした。おしゃれ着のことをアイスランド語でスパーリフォートというのですが、知り合いの子供とかから「トシキは何でいつもスパーリフォートなの?」と訊かれたことがあります。

単にスーツ(ブレザーもですが)にタイというだけで、こちらではおしゃれ着扱い?その線で行ったら東京の通勤電車は超おしゃれな空間になりますね。

ただ、この一年ほどはポロシャツ勤務の誘惑に負け続けてきています。理由は大したことではなく、ガサが張らないのでワイシャツを着ている時より洗濯の回数が少なくてすむとか、首回りが楽とか、そんなものです。

唯一まともな理由は、私が仕事で相談にのる移民の人には低所得者層の方も相当いますので、スーツだと始めから「壁」のようなものができてしまうことがあります。ポロシャツだとその心配はありません。

ただ、やっぱり「仕事vsプライベート」のメリハリ感は減ってしまいますね。普段から仕事だかプライベートだか区別がつかないことが多いのに、輪を掛けてしまいます。ここはやはりSkyfallを機会にスーツを取り戻すべきなのでしょうか?


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