岐阜発ドラマ「父の花、咲く春」NHK・BSプレミアムで4月3日に放送されました。
映像は非常に良かったです。私の住んでる長良川周辺が大々的に写されてましたもの。
色々地元なりに見ると突っ込みどころも多いし、ストーリー的にもありがちな話でしたが、
何げに名言が多かったです。
主人公の次郎(桐谷健太)は名古屋でアルバイト生活をしています。再就職したくても思うようにまかせません。そこへ母親(伊藤蘭)から「ハハキトク」のメールが届きます。「自分で言うかぁ?」とあきれながらも母に会いに行きます。
母から探して欲しい「梅次」という人がいるとのことで写真を預かります。芸者らと一緒に写っていた男性です。写された置屋を尋ねます。聞いた芸者の後をつけ、お座敷に乗り込んで、お客の呉服屋(林隆三)や置屋の女将(岩本多代)に会います。
写真を見て、女将、「あんた失礼ですけど、梅次とはどういうご関係ですか?」「母に探してくれて頼まれて」「お母さんのお名前は?」「辻美知子ですけど」すると女将「やっぱり。あんた、ジロちゃん?」この辺の言い回し、私の伯父さんも次郎でしたからジロちゃんは懐かしいイントネーションでした。
この場面、ロケは長良河畔の美乃壱(みのいち)ですね。
映像はチョーかっこいいです。でも退出したら反対岸の川原町に出ちゃいました(‘jjj’)/
次郎は、自分が幇間(男芸者)梅次の息子と知って、当惑します(‘jj’)/
母に報告がてら、部屋に置いてある薬を発見します。ケータイで検索すると、切除不能なすい臓ガンの痛みを抑えるものでした。
傷心の次郎に呉服屋は仕事が行き詰まって死のうと思ったときに梅次に助けられたことや幇間がどんな仕事か説明します。彼は人の機微が分かっているということも・・・次郎は母を楽させたいから大学を諦めました。そうして入った工場が倒産。その後は何をやってもうまくいきません。そんな境遇に彼は叫びます。
「他人を救う前に自分の家族なんとかしろよと言いたいです」
呉服屋は
「おお、ぶつけたらええがな。梅次の故郷の美濃市へ行ってみ」
この辺りの場面で、舞子と芸子の踊りがあります。舞子は丸髷(振り分け)・振り袖・だらりの帯、芸子は日本髪とかお約束はちゃんと押さえてあって感心しました。
ということで、父親の郷里の美濃市に出かけます。長良川鉄道の絶景が写りますけど、美濃市を過ぎた郡上市にある子宝温泉よりも北付近でした。(‘j’)/ でもちゃんと美濃橋も渡ります。
そこで梅次がどんな孤独な子供時代を過ごしたかを知ります。死ぬ前に梅次は「墓は要らない」と長良川のほとり(洲原神社の前ですね)の一本の梅の木を「これを自分だと思ってくれ」と言ったそうです。「花の咲かへんような所に咲くのが梅次流や。人を楽しませるのが好きな男やった」三年前のことです。
次郎は今の境遇は自分たちを捨てた父親のせいだ。と思っています。しかし母親は
「梅次さんは私らを拾ってくれたの。あんた身籠もって男に逃げられて途方に暮れとったところに『良かったなあ。男は逃げてまったけど、赤ちゃんは逃げとらん。 美知子ちゃんはひとりぼっちやない。ふたりや!』と梅次さんに励まされて大丈夫やと思った。あんたが生まれてからも良うしてくれたの。私が梅次さんから離れたの」
「母ちゃん、ほんとに死ぬのか?」「そら人間、いつかは死ぬわ。死ななんだら化けもんやわ」
の会話も凄いです。
そのあとバイト先で説教された次郎は自暴自棄になり、袋だたきに遭います。
そんな次郎に芸者の梅花(蓮佛美沙子)は腕に火傷の跡を見せます。自分の父親のVDのせいでした。「腕の傷と一緒に生きて行かなきゃいけない」と教えてくれたのも梅次にいさんだったそうです。この場面、うちの保養所の前から長良橋の下です。
そして置屋でも身の上話をするうち次郎も観念します。
「ずっと捨てれらたと思ってました。だから何やってもダメなんだ。でも人のせいにするのも疲れました」「梅次って人が本当の子供のように可愛がってくれて。おれも本当の子供みたいに思ったこともあって、そういういうことにしちゃダメですか?うそでも」と頼みます。
女将、黙って、箱を持ってきます。中身は齢290年の鼓でした。
「この鼓も長生きしとると色んなことがあってね。小さな男の子が小さな手で打ってくれたこともあった。男の子はここの売れっ子やった幇間が抱っこされて・・・打ってみる?」
と鼓を示します。手を出しながら、次郎は梅次の膝の上で鼓を打って頭をなでてもらったり抱き上げて貰った記憶が蘇り、泣き出します。
そこへ女将が
「梅次と美知子ちゃんが出会って、あんたが生まれたことは間違いない。あんたにしかできいへんことがあるはずや。 短い命の花、あんた、いつ咲かせるつもり?」
そして母親の病室に次郎は、梅次の遺品である黄色い着物を来て現れます。
母子の会話がいいです。
「母ちゃんが俺を梅次さんに会わせようとした気持ち、何となくわかったわ。笑えん人生でも腐るよりは笑ってやろうと。そういう人が俺の親父やったんや。俺もうひとりで大丈夫や。母ちゃんも会いたかったやろ。俺が梅次さんに会わせたる」
ひとしきり舞を披露すると、母親
「ありがとう」
照れる次郎に
「あんたにお礼を言ったんやない。梅次さんにや」
「なんなんや?それ」
「しかし、へたくそやねえ。人に見せるのは百年早いわ」
「百年待てばええやん」
「ええの?ほんとに待つよ」
「いやあ、ごめん」
「なにそれ?」
死を間近に控えたなか、冗談めかした母子の会話が凄まじくも微笑ましかったです。
映像はきれいだし、会話・言葉など心を打つフレーズが多くて良かったですね。
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映像は非常に良かったです。私の住んでる長良川周辺が大々的に写されてましたもの。
色々地元なりに見ると突っ込みどころも多いし、ストーリー的にもありがちな話でしたが、
何げに名言が多かったです。
主人公の次郎(桐谷健太)は名古屋でアルバイト生活をしています。再就職したくても思うようにまかせません。そこへ母親(伊藤蘭)から「ハハキトク」のメールが届きます。「自分で言うかぁ?」とあきれながらも母に会いに行きます。
母から探して欲しい「梅次」という人がいるとのことで写真を預かります。芸者らと一緒に写っていた男性です。写された置屋を尋ねます。聞いた芸者の後をつけ、お座敷に乗り込んで、お客の呉服屋(林隆三)や置屋の女将(岩本多代)に会います。
写真を見て、女将、「あんた失礼ですけど、梅次とはどういうご関係ですか?」「母に探してくれて頼まれて」「お母さんのお名前は?」「辻美知子ですけど」すると女将「やっぱり。あんた、ジロちゃん?」この辺の言い回し、私の伯父さんも次郎でしたからジロちゃんは懐かしいイントネーションでした。
この場面、ロケは長良河畔の美乃壱(みのいち)ですね。
映像はチョーかっこいいです。でも退出したら反対岸の川原町に出ちゃいました(‘jjj’)/
次郎は、自分が幇間(男芸者)梅次の息子と知って、当惑します(‘jj’)/
母に報告がてら、部屋に置いてある薬を発見します。ケータイで検索すると、切除不能なすい臓ガンの痛みを抑えるものでした。
傷心の次郎に呉服屋は仕事が行き詰まって死のうと思ったときに梅次に助けられたことや幇間がどんな仕事か説明します。彼は人の機微が分かっているということも・・・次郎は母を楽させたいから大学を諦めました。そうして入った工場が倒産。その後は何をやってもうまくいきません。そんな境遇に彼は叫びます。
「他人を救う前に自分の家族なんとかしろよと言いたいです」
呉服屋は
「おお、ぶつけたらええがな。梅次の故郷の美濃市へ行ってみ」
この辺りの場面で、舞子と芸子の踊りがあります。舞子は丸髷(振り分け)・振り袖・だらりの帯、芸子は日本髪とかお約束はちゃんと押さえてあって感心しました。
ということで、父親の郷里の美濃市に出かけます。長良川鉄道の絶景が写りますけど、美濃市を過ぎた郡上市にある子宝温泉よりも北付近でした。(‘j’)/ でもちゃんと美濃橋も渡ります。
そこで梅次がどんな孤独な子供時代を過ごしたかを知ります。死ぬ前に梅次は「墓は要らない」と長良川のほとり(洲原神社の前ですね)の一本の梅の木を「これを自分だと思ってくれ」と言ったそうです。「花の咲かへんような所に咲くのが梅次流や。人を楽しませるのが好きな男やった」三年前のことです。
次郎は今の境遇は自分たちを捨てた父親のせいだ。と思っています。しかし母親は
「梅次さんは私らを拾ってくれたの。あんた身籠もって男に逃げられて途方に暮れとったところに『良かったなあ。男は逃げてまったけど、赤ちゃんは逃げとらん。 美知子ちゃんはひとりぼっちやない。ふたりや!』と梅次さんに励まされて大丈夫やと思った。あんたが生まれてからも良うしてくれたの。私が梅次さんから離れたの」
「母ちゃん、ほんとに死ぬのか?」「そら人間、いつかは死ぬわ。死ななんだら化けもんやわ」
の会話も凄いです。
そのあとバイト先で説教された次郎は自暴自棄になり、袋だたきに遭います。
そんな次郎に芸者の梅花(蓮佛美沙子)は腕に火傷の跡を見せます。自分の父親のVDのせいでした。「腕の傷と一緒に生きて行かなきゃいけない」と教えてくれたのも梅次にいさんだったそうです。この場面、うちの保養所の前から長良橋の下です。
そして置屋でも身の上話をするうち次郎も観念します。
「ずっと捨てれらたと思ってました。だから何やってもダメなんだ。でも人のせいにするのも疲れました」「梅次って人が本当の子供のように可愛がってくれて。おれも本当の子供みたいに思ったこともあって、そういういうことにしちゃダメですか?うそでも」と頼みます。
女将、黙って、箱を持ってきます。中身は齢290年の鼓でした。
「この鼓も長生きしとると色んなことがあってね。小さな男の子が小さな手で打ってくれたこともあった。男の子はここの売れっ子やった幇間が抱っこされて・・・打ってみる?」
と鼓を示します。手を出しながら、次郎は梅次の膝の上で鼓を打って頭をなでてもらったり抱き上げて貰った記憶が蘇り、泣き出します。
そこへ女将が
「梅次と美知子ちゃんが出会って、あんたが生まれたことは間違いない。あんたにしかできいへんことがあるはずや。 短い命の花、あんた、いつ咲かせるつもり?」
そして母親の病室に次郎は、梅次の遺品である黄色い着物を来て現れます。
母子の会話がいいです。
「母ちゃんが俺を梅次さんに会わせようとした気持ち、何となくわかったわ。笑えん人生でも腐るよりは笑ってやろうと。そういう人が俺の親父やったんや。俺もうひとりで大丈夫や。母ちゃんも会いたかったやろ。俺が梅次さんに会わせたる」
ひとしきり舞を披露すると、母親
「ありがとう」
照れる次郎に
「あんたにお礼を言ったんやない。梅次さんにや」
「なんなんや?それ」
「しかし、へたくそやねえ。人に見せるのは百年早いわ」
「百年待てばええやん」
「ええの?ほんとに待つよ」
「いやあ、ごめん」
「なにそれ?」
死を間近に控えたなか、冗談めかした母子の会話が凄まじくも微笑ましかったです。
映像はきれいだし、会話・言葉など心を打つフレーズが多くて良かったですね。
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