
何年ぶりかで東京国際映画祭へ。
ピート・テオがゲストで登場するというので見に行くのです。
会場は六本木ヒルズ。
10年くらい前に友人がマネジメントにかかわっていたこともあり、日本での活動もそれなりにあったので、私もかなり熱く応援していたマレーシアの才人ピートテオ。実際に会うのは5年ぶり。
今回の映画祭には「アジアの風部門」の審査員なんだって。
そして彼の特集上映があるという。
なんだかすごい人になってるんだなぁと実感。
でも、そりゃそうですよね。
マレーシアの音楽、映画などの一番とんがってるところの頂点にいるような人。政治問題などがあって、メジャーなところで活動しない道を選んでいたピートですが、その才能でインディーズを率いる形になり、ピートとインディーズそのものがメジャーになっている現象なのかも?
去年はハリウッド映画に俳優として出ていて驚きました。
ドリームワークスの作品「ゴースト・イン・ザ・シェル」(日本の攻殻機動隊のリメイク)北野武や桃井かおりも出てましたね。主演はスカーレット・ヨハンソン。その中でピートはとても気持ち悪い悪人をやってました。
六本木ヒルズのTOHOシネマで19:45~
会場に入っていくと、ロビーでピートが立ち話していました。
髪の毛が白くなっていました(写真で知ってたけど)
「好久不見~Long Time no see!」と声をかけます。
私を見るなり、開口一番「あれ?髪の色変えた?」と、ピート。
「白髪増えたね」といわないところが紳士ですね(笑)。
「Yes, same as you! 」お互いにね~。
「ピート・テオ特集」の内容は、彼がこれまで制作にかかわったマレーシアの短編などを集めたものでした。商業的なものではなくて、社会に対する映画人、音楽人のメッセージという作品なので、インターネットで公開されているものも多く、半分くらいは見たことがありました。
マレーシアは今年、政権交代がありましたが、それ以前にピートたちは「投票に行こう!」というキャンペーンをやっていました。
また、「15マレーシア」という作品は、ピートが中心になりプロデュースした15本の短編映像集。
15人の監督たちがそれぞれ5分くらいの作品を作っているのですが、かなり風刺がきいていたり、マレーシアの社会問題を告発して至りという内容でした。(ちょっと良くわからないものもある)おそらく、進歩的な考えのマレーシア映画人にとっては、政権交代前の状況は非常に危機感(あるいは閉塞感)があったのではと思います。今も解消してるとは言い難いでしょうけれども。
上映後のQ&Aでは、2009年に51歳で急逝したヤスミン・アフマド監督の話題がやはり出ました。
彼女を失った穴は相当大きなものなのだろうと思います。
日本でも、去年ヤスミンの2009年の作品「タレンタイム」が劇場公開されたこともあり、日本の映画ファンの間でも認知が広まっているのだろうと思いました。この「タレンタイム」はピートが音楽を全面担当しています。



イベント終了後ロビーにサインを求める長ーい列ができていました。
参加者一人一人にサインして写真も撮らせてくれました。
ありがとう~!
今回のイベントの記事
ピート・テオが楽曲「I Go」に込めた思い明かす「ヤスミンのために書いたのかも」(映画ナタリー)
ピート・テオ「タレンタイム」のアフマド監督の思い出を語る(映画.com速報)
2007年日本語によるピートの記事
今年は、「自由行 A Family Tour」という中華圏の映画に出たのだそう。
来月東京フィルメックスで上映予定です。
TIFFの「ピート・テオ特集」は、10/30(火)にも上映があります。
ピートも登壇します。
お時間あれば是非!
東京国際映画祭公式サイトへ:https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CCA09
ピートに会う時、いつも少し心のどこかがチクチク痛いような感じがあります。
英語が出て来なくてもどかしいからかもしれないけど、やはり彼のまとっている少し暗い影に引っ張られるのかもしれませんね。不思議な魅力を持った人です。