キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

グラナダ版ホームズ『瀕死の探偵』(再掲)

2014年09月23日 | ☆グラナダ版ホームズ
近所でみつけたロンドンの住所表示プレート。
東京にノッティングヒルゲートですよ。

Lower Burke Street proved to be a line of fine houses lying in the vague borderland between Notting Hill and Kensington.
(The Adventure of the Dying Detective )

原作によるとカルバートン・スミスの家はノッティングヒルとケンジントンの間にあったそうです。(この住所Lower Burke Streetを検索しても出てきません。おそらく架空の住所ですね)



このグラナダ版を字幕もなしで見るのはきつかったー。
三分の二くらいはオリジナルストーリー。
原作短いですものね。
「犯人は二人」に近い創作っぷりでした。

原作読んでても、前半はちっとも話が見えない。
詩作のためにビクターはアヘン窟に出入りしてるんですね。
インスピレーションを求めてってことでしょうか。




疑問点をあげておきます。字幕版を手に入れたら解決するでしょう。

ビクターの奥さんは何を相談にきたの?
アヘン窟への出入りをやめさせたい?
それとも、カルバートンスミスの怪しさを暴いて欲しい?
で、ホームズたちが食事に招かれたけど結局何もしてない。
ビクター死んじゃうし。

カーペット滑り。
何でしょうか、あの遊びは。

結構イギリスの紳士たち不思議なことして遊んでいますね。
あれは、単純に遠くまで滑った人の勝ちってことでしょうかね?

ビクターはいとこのスミスを気に入ってたーその影響下にあったーとしても、遺言で奥さんや子供に財産を残さないとは考えにくいのですが、その辺のディテールしりたい。
で、家屋敷から未亡人と遺児を追い出したのに、別にそこに住むわけではないのですね。
スミスさん。

ワトスンはホームズが重病になる3日間、どこに行ってたんでしょう?
原作では結婚してベーカー街に住んでないから、その辺りの展開はスムーズでしたが、グラナダでは結婚してないみたいだからねー。
未亡人たちについてサマリーハウスへ送って行ったのかな?

サマリーハウスってなんでしょう?
夏用の別荘とか?
ワトスンが別れ際に未亡人にわたしてた封筒みたいなものはなんでしょうか?

ベーカー街イレギュラーズは可愛かったね。
アヘン窟の斡旋人みたいな人を見つけてましたけどね。
どんな風に命じられたんでしょう?


瀕死のホームズ、メイクがこわかった。
寝室に寝てませんでしたね。
牡蠣のこというのは聞こえたけど、ポケットの小銭のバランスをとる話は出てきたかな?
聞こえませんでした。
そして最後は原作から膨らませて、シンプスン料理店に行って欲しかったなー。



シンプスン料理店。
いま、がぜん盛り上がってます。
今度イギリス行ったらしここで食事したい!


以上は2012.9.12にアップした記事。


以下、追記しました。
NHKBSにて、リマスター完全版の「瀕死の探偵」を見ました。
英語音声のみで見ていた2012年の頃のギモンも1つをのぞいてだいたい解決しました。
「ワトスンはホームズが重病になる3日間、どこに行ってたんでしょう?」この疑問のみ未解決。どなたか教えてください。


さて、それはそうと、この2年でいろいろ知識も増えまして、今回「あれ?」と思ったのが、殺されてしまうヴィクタ役の人。「ノッティングヒルの恋人」に出ていましたね!とかその奥さんアデレイド役の人は「高慢と偏見」の長女役の人じゃないですか!とか。

おかげでドラマに集中できませんでした(笑)。


グラナダ版ホームズ『ギリシャ語通訳』

2012年11月27日 | ☆グラナダ版ホームズ
The Greek Interpreter

ホームズの身内が明らかにされる珍しいエピソード。
「SHERLOCK」でも再現されていた、ディオゲネスクラブが登場します。

このシリーズのマイクロフトはかなりチャーミングで愛すべき好人物です。原作どおりにシャーロックをしのぐ推理力、観察力を持つのですが、さらに原作よりも行動的で、事件解決にも活躍します。

今作でも、最後の捕り物に同行しますし、なんとスリ並みの器用さで犯人を追い詰めます。ステキ!しかも狸寝入りがかわいい。
このマイクロフトを演じているチャールズグレイという俳優さんがとても魅力的です。このドラマシリーズでは、原作ではマイクロフトが登場しないエピソードにもどんどん出てくるのですが、評判がよかったんでしょうね。それも納得です。
ちなみにこの方、この10年前(1976年)の映画「シャーロックホームズの素敵な挑戦」でもマイクロフトを演じているんです。ちょっと若いマイクロフトが見られますよ。


前半は原作どおりに進んでいきますが、後半はかなり書き換えられています。
まず逃げた犯人一味を列車で追いかけます。
列車での捕り物は、わくわくしますね。
これがないと、ドラマとしては盛り上がらなかったかもしれませんね。

しかし、ラストは大きく違っていました。
原作よりも、冷たい終わり方でした。
原作では、ギリシャ女性は、彼女と恋人とその共犯に復讐するようですが、このドラマでは、冷酷な女として共犯者とともに捕らえられます。(恋人は死ぬ)

たしかに、一度兄がイギリスに訪ねてきていることを知っており、しかも兄が監禁されていて衰弱しているように見えるのに、恋人の言いなりになって逃避行に同行するというのが、ドラマの製作陣には納得がいかなかったのかもしれません。
そこで、「冷酷なのは犯罪ではない」という台詞でホームズにばっさりと切り捨てられてしまいます。

ところで「冷酷さは犯罪ではない」って別のエピソードで読んだことあるような気がしますが、どの話でしょうね?
ありませんでした??

高名の依頼人かな?



それにしても、このドラマ。
ホームズ何か推理したかな???
最近「技師の拇指」も読み返したのですが、あの話もホームズの推理は1箇所。
馬の毛並みの良さで、「実は近くの家だった」ことを推理した程度でしたね。
こういう話意外と多いのかも。

グラナダ版ホームズ『金縁の鼻眼鏡』

2012年11月24日 | ☆グラナダ版ホームズ
ロシアの動乱シーンが冒頭にあります。物騒なイメージです。
かなり後期のエピソードですね。なぜかワトスンは登場せず、マイクロフトが捜査に同行します。またまた中の人の都合かな?

「ワトスン先生がいなくて拗ねてるんでしょう。」なんてハドスンさんに言われてますよ(笑)。

鼻眼鏡を最初に調べる時のホームズがウルトラセブンみたいです。
奇妙な効果を与えてますね。

興味深い点としては、ホームズ兄弟のお父さんの話が出てきます。。
父さんの拡大鏡をもらったのか?とか「どんなにあり得ないように見えても他の可能性がなければ残ったものが真実だ。」の有名なセリフもお父さんの言葉になってました。

事件解決の鍵はタバコですが、正典ではホームズがしつこくタバコを吸って灰を撒き散らすことになってますが、このドラマではマイクロフトの嗅ぎタバコです。
しかも、あとで、手紙でお前がまいたことにしろ!って指令が飛んでます。
かないませんね、お兄さん。
このマイクロフト大好きです。お茶目なんですよね。


今回ベーカー街221Bの部屋がすごく暗い。
ワトスン先生がいないからでしょうか?
女性運動家のくだりは完全な創作ですね。
なんだろう・・・ロシア人の女性活動家との対比を描きたかったのかな?
ちょっと意図が不明でした。

グラナダ版ホームズ『バスカビル家の犬』

2012年11月19日 | ☆グラナダ版ホームズ
The Hound of the Baskervilles

何度か台所で料理をしながらBGM的に音声を流す形で鑑賞。時々チラ見。
なかなか2時間ゆっくり座って見る時間が取れません。
繰り返し見ているうちにあることに気がつきました。

くだらないことです。よ。

まず、冒頭で新聞売りが新聞を売ってるんですけど、その声が
「パイパ、パイパ!」と聞こえます。
なんだろと思ったら、paper! paper! なのですね。コックニー訛り。しょっぱなから手ごわい。


バリモアがバスカヴィル館に到着して一息ついたヘンリー卿に
だんな様が落ち着かれたら、わたしたち夫婦はお暇をいただいて・・云々というあのシーンに、「話してくれてありがとう。バスカヴィルアームスがどうのこうの」という台詞があるんです。
私ここを勝手に、「商売を始めるなら、『バスカヴィルアームス』って屋号を使ったらどうだ?」と言ってると思ったんですけど、どうなんでしょ?原作にこういうセリフあったかな?

アームズって、よく宿屋の名前になってる気がします。でもほんとは紋章って意味でしたっけね?余談ですが、カナダ版では、バリモアの新しい商売は自転車屋になってました。それこそ、そんな話あったっけ?


さて正典の部分の台詞をあたって見ましたが、『バスカヴィルアームス』のくだりはなかった。
該当部分これだけ。↓↓↓↓↓↓

ヘンリー卿“But what do you intend to do?”
バリモア“I have no doubt, sir, that we shall succeed in establishing ourselves in some business. Sir Charles’s generosity has given us the means to do so. ”


ネットでテキストを入手しました。それによるとここの台詞は以下の通り。
太字は、正典に該当箇所あり。


ヘンリー卿:Well what do you mean to do?

バリモア:Oh Sir Charles's generosity has given us the means to set up in business in a small way sir.

ヘンリー卿:Well thank you for telling me.Might I look forward to you pulling me a pint in your own house one day?

バリモア:That is the sort of thing sir. thank you sir.

ヘンリー卿:Good.Mind you call it Baskerville arms?

バリモア:Yes sir.Thank you sir.


ありました。
やっぱりそういうこと言ってました。

「話してくれてありがとう。じゃ、いつか君のところで1パイントを入れてもらうのを楽しみにしていいんだね?」
「はい、そんなところかと存じます。ありがとうございます。」
「よろしい、では、バスカヴィルアームズと名前をつけたらどうかな?」
「はい。ありがとうございます。」

わ~い、聞き取れてた~。


さて、休みの日にもう一回ちゃんと字幕で確認しました。
「君は有能なな執事だ」って書いてありました。それって違うのでは?
そう思って吹き替えも確認。吹き替えは、店の名前はバスカビルアームスだ!って言ってました。

グラナダは吹き替えが圧倒的に良い気がしてたけど、やっぱり!



あと、グラナダ版ならではの特典映像(違)
ジェレミーホームズクッキング♪のシーン。

SH:Do try my stew. ボクのシチューを試してみたまえ。
 Please Watson.  どうぞ、食べて、ワトスン!
JW:Its quite disgusting Holmes. こりゃ、実にひどい代物だよ。ホームズ。
SH:Yes. そうだな。
JW:Yes it is. そうだよ。
SH:Well it's better when it's hot. まあね、温かければ、まだ食べられるんだけどね。

確かに不味そうでしたね~♪




ドラマの感想も。

映像的には原作に忠実で、はじめてダートムアに乗り込んだヘンリ卿とワトスンの心象と重なる、どよんと寒々とした荒野の景色、騎馬警官。暗くおどろおどろしいバスカヴィル館。
雰囲気バッチリですね。

ドラマは2時間スペシャルではありますが、さすがに全部盛り込むには尺が足りなかったと見えて、いろいろはしょられています。
はしょりはいいけど、改変もありました。
最後のクライマックス、モーティマ博士が参加していました。
(正典ではレストレードが参加。シャーロックでもレストレード参加してましたね。)モーティマ博士は、骸骨好きの気のいい田舎医者というイメージだったんですけど、このドラマではなかなか重要な役割をしてますね。
ホームズのキャンプにもワトスンに同行してますし。

モーティマ博士がはじめてベーカー街にやってきたとき、ワンちゃん連れてるのは正典どおりなんですが、部屋までつれて入ってるし、しかもソファに座らせていますよ!正典では玄関先につないでいたはず。
っていうか、知らない人の家に犬連れてくるの?しかもソファに座らせるの?
わ~私ダメだわ~と思ってみてました(笑)
よく慣れたワンちゃんでしたけど。

朝の食事の場面。
バスカヴィル館、気持ちのよい食堂でした。
ここでならご飯食べたい。
この当時の貴族の暮らしは「朝食用の食堂」「晩餐用の食堂」って分かれてたんですよね。朝ごはんは明るい気持ちのよいお部屋で、晩餐は荘厳な内装の食堂で。

ヘンリ卿。
好青年でしたね。カナダ版は可愛い青年でしたが。こちらも男前。
あんまり新大陸育ちな感じはなかったけど。
でも小柄なヘンリ卿の服をセルデンにあげてもちんちくりんなんじゃ?
と心配になっちゃいました。セルデンも小柄設定?





グラナダ版ホームズ『唇のねじれた男』

2012年11月09日 | ☆グラナダ版ホームズ
NHK放送時はこのタイトルではなく「もうひとつの顔」だったとか。
短編集「冒険」に入っていますが、エドワードワトスン時代の「リターン」シリーズに入っています。

余りにも有名なこのオハナシ、トリックも秀逸で、誰も死んだりケガしたりしてなくて、よくできたお話だと思います。映像化にも大幅な改変はなく、筋に沿いつつも、ちょっとずつオリジナルな場面が加えてあって、なかなか見ごたえがありました。

まず、音楽そしてラストの炎。
アヘン窟の場面があるせいかもしれませんが、エキゾチックで、現代的ともいえる音楽だったように思います。
そして、いきなりラストシーンの話で恐縮ですが、この話のラストはシリーズ中でもかなり印象に残るものではないでしょうか?ブーンのものをすべて燃やし「ブーンよ安らかに...」と言った後、シェークスピアの一説を引用。そして炎と、そのはぜる音だけがクローズアップされ、音楽なしの幕切れ。印象的でした。(吹き替え版は音楽つきでしたが)

この二つの要素が、ありきたりな事件じゃないこのお話に独特のムードを漂わせることに成功してると思います。なんというか、哲学的でした。

アヘン窟や、下町の上スワンダム小路の様子など、ブーンが商売しているシティの一角など、生き生きしてて、映画みたいでした。エキストラもおおぜい!

そして面白かったのは、やっぱりワトスンを起こしにくるホームズですね。
朝の4時になってようやく寝床に入らせてもらったワトスン。
なのにたたき起こされて、「何時だ?」「夜明けだ」って。そりゃないよ~。
ワトスンを起こしにくるホームズのシーンを最近よく見ているような気がしますが、毎回ちょっとずつバリエーションがあって面白いです。

今回は・・・
まず普通に「ワトスン」
全く起きないので、声色を変えて「わとすーん」
ここで私は、毎回「ぶっ」って吹き出しちゃいます。
何回も巻き戻し再生してみました!
それでもやっぱり起きないので(って無理もないですよ、寝入ったばかりだもの)
今度は、足の裏こちょこちょですよ。
何やってるんでしょうか。この二人は・・・ってか、ホームズは!

このシーンのエドワードさんの足が真っ白できれいです。
山田洋二監督が渥美清を形容した言葉を思い出しました。
「渥美さんはとにかく、きれいな人でした。手でも足でもきれい。
 足なんか、いつも寅次郎は雪駄履きなんだけど、いつもきれいでしたね。」
って(うろ覚えですが)、中年になっても手足がきれいなのってすごいことですよね。
お手入れまめにしてたのかな?


セントクレア夫人、素敵でした。
芯が強い女性ですね。


話は前後しますが、冒頭のホイットニー夫人の登場。
残念ながらワトスンはメアリモースタン嬢と結婚していない設定なので、原作のようなワトスン夫人の話は出てきませんでした。あ、原作では、ワトスン夫人メアリの友人であるホイットニー夫人がワトスン家を訪ねてきて、ワトスンアヘン窟へ。そこでホームズとばったり。という流れなんです。
その代わり、ホームズに約束をすっぽかされた!と不機嫌なワトスンと、またハドスン夫人とホイットニー夫人の「男の人ってどうしてもいつまでも子供なのかしら?」という含蓄のある会話がみられたので、それも良しとしましょうね。


原作どおり、リーまで馬車を操るホームズのシーンも見られます。
これもノースタントでしょうかね。
かなりスピード出てたと思います。
ケント州のリーってどこだろう?

グラナダ版ホームズ『修道院屋敷』

2012年11月07日 | ☆グラナダ版ホームズ
アベ農園  The Abbey Grange

エドワードワトスンになっての2作目。
でも撮影はこのエピソードが一番最初だったそうです。

オーストラリアで自由に育った女性がイギリスの酒乱の金持ちと結婚して、苦労を強いられていたところに強盗が入って、その夫が殺されたという事件。

正典も気に入ってたはなし。
ワインのグラスや、紐の結び目、紐の切り口など、ちょっとした手がかりで謎を解いていくところが好きだったようです。最後に犯人を簡易裁判で見逃してやるのも痛快だったというか。


さて、ドラマに戻ります。
早朝、ワトスンが寝ているところを起こしにくるホームズ。
一回起こされて、また寝ようとするワトスンを、すかさずもう一度起こすホームズ。
この辺、リアリティーありますね、また二人の付き合いの長さをうかがわせて楽しい演出。きっとこれまでもワトスン先生は二度寝の常習犯だったのでは?

アベイグランジの女主人はとってもきれいな女優さんでした。
なんで、あの酒乱男と結婚しちゃったんだろう?
グラナダでは、彼女の父親も酒癖が悪かったとありました。
酒乱って、飲まないときはいい人だって言いますよね。
そのへん、なにかありそうですね。

いいシーンだと思ったのは、最後船長がベーカー街に呼ばれて、種明かしがあり、
ブラッケンスト-ル夫人も呼び出されて、私設裁判のあと、夫人がありがとう!とホームズに抱きつくところですね。
彼女のオーストラリア育ちのおおらかさが表現されている上に、ホームズがどうしたらいいかわからず、弱りきってる表情がよかった。よかった。

さて、人生はやり直せるのでしょうか?
いろいろないきさつはありますが、
自分の夫を死に至らしめた人と、幸せに暮らしていけるんだろうか。
考えちゃいました。

グラナダ版ホームズ『入院患者』

2012年10月31日 | ☆グラナダ版ホームズ
The Resident Patient

(英語音声のみでの鑑賞記録)
内容かなりわかってない状態です。
また後日、ちゃんと日本語字幕で見る予定です。

オープニングから怖い。
棺おけに入ってる人が助けを求めている・・・
と思ったら、自分だったって。怖い夢です。
子供のころに見たら、トラウマになってそう。

打って変わって、床屋のシーン。
これもこのドラマのオリジナルですね。
床屋で理髪してもらいながら、なにやらホームズについて推理するワトスン先生。
いったん「どうしてわかった?すばらしい」とかホームズに言われて得意げな顔になり、そのあとことごとく推理が間違ってると一刀両断にされるというのはお約束のパターン。

ホームズちょっと性格悪いよね。
正典では、10月の雨の日夜の散歩に出かけて3時間ばかりうろうろして夜10時ごろにベーカー街に戻ってくるという話になっています。
で、この散歩のくだりのシドニーパジェットの挿絵がいいんです(上の画像)。

当時の英国紳士は紳士同士で連れ立って歩く際でも腕を組んでいたそうですね。

ドラマでは昼間ですが、まさにこういう姿で、床屋からベーカー街に帰ってきます。ホームズがワトスン先生の腕に手をかけているのも全く同じです。


部屋で待っていたトレベリヤン先生は、正典の描写よりぐっとハンサムで生き生きとした人物です。環境の悪いぼろい部屋に住んでいたのとグレッグ街の新しい医院の対比がくっきり。本で読んでいたときにはなかなか頭の中でイメージできなかったのですが、映像化ってこういうところがすばらしいですね!

ブレッシントン氏の用意してくれた家はとても素敵で、「ここが待合室、ここが診察室」って案内されるところが好きです。こちらもワクワクします。
家具調度品だけでもものすごくお金かかってるんでしょうね。
壁に絵もたくさんかかっていました。


依頼を受けて、グレッグ街を訪れるも、ブレッシントン氏が真実を話していないといって結局依頼を断って帰ってきてしまいます。これもよく使われるパターンですね。
真実を話さない=信頼されてない というのは、ホームズの自尊心をいたく傷つけるんですよね。その反面、全面的に信頼して頼ってもらえると、ビジネス以上の働きをしてくれるのがホームズクオリティーです。


翌朝、寝ているワトスンをホームズが起こしにきます。
ワトスン先生、帆船模型作ってるのかな?
えらく明るい部屋ですが、ワトスン先生が寝坊して日が高くなってるってことでしょうか?


ホームズの生活のだらしなさは周りがすべて認めるところですが・・・
今回の散らかし方はすごいですね!足の踏み場も無いとはまさにこのこと!!



ハドスン夫人が片付けることになるのでしょうか?
紙が散らかってるだけだから、まだ可愛いものかも。


どうでもいいことですけど、
毛糸の手袋の指先が無いタイプ、このドラマでよく見かける気がします。
あれって、昔からあるんですね。
最近のアイディア商品だと思っていました。

グラナダ版ホームズ『第二の汚点』

2012年10月20日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕版と吹き替え版と両方見てみました。
ここでの邦題は「第二の血痕」ですね。
ホームズものには多い、盗まれた文書事件。

今回は首相からの直々の依頼です。
首相が来るっていうんで、ベーカー街の部屋をばたばたと掃除してるワトスンとハドスン夫人の傍らで、まったく動こうとしないホームズがあまりにも「らしく」て微笑ましいです。そもそも部屋を散らかしてるのはホームズのはずなのに!

「第二の汚点」という話は、ドイルが(あっと、ワトスン先生が)以前発表した事件譚の中で「××年には●●事件とか△△事件とか第二の汚点の事件があったがとてもまだ公表できない・・・」などと何度か言及していて、のちに読者から「第二の汚点」事件を発表しろーー!と突き上げを食らって、仕方なしに書いた話らしいのですが・・・。
面白い!
推理の過程などは、二番煎じ三番煎じでそんなに目新しくないですが、面白いお話です!

多分、他の作品の中でタイトルだけを語ったとき、作者の頭にこのプロットは無かったんじゃないかなと思うのですが、いや、あったのかな?「第二の汚点」というタイトルだけで、ココまで話を膨らませる力量がすごいと思うのです。


この話の魅力は、首相、欧州相が依頼に来るという大掛かりさ。
ひとたび間違えれば戦争が起こるという派手さ。
高貴な夫人がベーカー街を訪れる華やかさ。
殺人事件。
そして「第二の汚点」の意味。
文書の隠し場所。
コメディリリーフとして絶大な安定感のレストレード。
そしてホームズの紳士ぶり。
「我々にも外交上の秘密がありまして」というしゃれた台詞。
などなど、ホームズものの楽しさがふんだんにちりばめられてるところですね。

それとコネタ的には、ガッツポーズをするホームズや、
手がかりが無くていらいらした挙句、火のついたマッチをあろうことか新聞に向かって投げ捨てる(そして小火になる!!)ホームズなど、面白いシーンもありましたね。


ヒルダ夫人の衣装が素敵でした。
ビクトリア時代の風俗を集めた図版集で見たとおりのドレス。

坂田靖子の漫画にビクトリア時代を描いた「バジル氏の優雅な生活」シリーズがあり、愛読してるのですが、彼女の漫画も同じ図版を参考にしてるだろうというドレスがたくさん出てきます。

でも外出するときも裾を引きずるドレスというのは、どうなんでしょ?
(暗くて見づらいですが、上の写真参照)
雨も多く、馬糞まみれだった(!)といわれるロンドンの町で、あれで歩いてきて、そのまま室内とか、
ありえん!
ありえん!!
と、穢れを嫌う日本人の私は思うのですが。
あれは貴族だから?
馬車のドアtoドアで道を歩くことが無いというのがデフォルト設定なのかな?

そんな細かなことが気になってしょうがないです。


最近もジーンズの裾をかかとより下に下ろして、道路に引きずりながら歩いてる若者とか、どこにでもばんばんかばんを置く人とか、気になってしょうがないです。あのまま、靴を脱いであがる室内に入ってるんでしょうか?
入ってますよね。
やだー!

グラナダ版ホームズ『這う人』

2012年10月11日 | ☆グラナダ版ホームズ
ははははは~!
これを映像化しちゃいましたか!
チャレンジャー!

ありえないと思ってても、結構楽しめるお話になっていました。
動物園からサルが盗まれる事件も絡んだり。
アリス嬢の婚約破棄とかも、説得力を補強してくれてました。
正典のストーリーがそもそもああなので、そこは仕方ないけど、そのほかの部分に説得力を持ってきてくれたので、なんかもしかしてこういうこともあるかもね。
という気にさせられました。

成功だったのじゃないでしょうか。
グラナダTVさん。

これがBBCシャーロックでも使われてたネタ
「都合ヨケレバスグコイ、ワルクテモコイ」が登場するエピソードです。
どれだけわがままなのよ、ホームズさん。
って感じですが、このドラマではワトスン先生もプリプリ怒りながら駆けつけます。手術があったらしいですよ!
写真がその「書きつけ」。
正典では電報ですが、これはだれか子供にでも使いっ走りを頼んだのかな?

そんな状態で駆けつけたのに
「プレスベリ嬢は夢を見ていたのか否か」なんて事を言い出すので、さらに機嫌が悪くなってるワトスン先生です。それをホームズが「怒れる熊だった」と表現するのも楽しい演出。原作にはそういうのはありません。
若干諦観の漂うワトスン先生の記述のみです。


ロンドンの動物園のシーン良かった。
子供のころ読んだ世界の偉人シリーズで、世界で始めて動物園を作った人の話があったような気がします。それがロンドン動物園だったような。
でも、寒いロンドンでラクダさんとか、熱帯ジャングルのサルとか大丈夫だったんでしょうかね。

プレズべり教授、221Bという住所が、信頼感を与える住所じゃないといってましたね。やっぱり「B」っていうのがいけなかったか・・・それともベーカー街に3桁の番地はないって知ってたかな?

原作では教授の家があるのは有名な大学町「ケムフォード」になってました。
もちろん、オックスフォードかケンブリッジのことですね。スキャンダラスな事件なので、どちらで起こったのかワトスン先生はぼかしてるわけです。
で、事件解決のために、ホームズたちはこの町の宿屋に滞在するんですよね。
もしかしたら、ホームズも通ってたほうの大学かも。知り合いが迎えに来てくれたり、宿屋のこともよく知ってます。
ケンブリッジは東京から水戸くらい離れてて、オックスフォードだと、甲府の先って感じなので、やっぱり調査は泊り込みですね。

かたやドラマでは、ロンドン市内のような扱いで、朝早くにベネットを呼び出したり、「今日の午後2時から講義があるね」なんていいながら出かけたりしてます。
ロンドンでのサル盗難事件を追わなきゃいけないから、そういうことになったのでしょう。

長~いコマーシャルロードの探索をさせられるワトスン先生。
脅されたりしてお気の毒です。原作では、マーサという新顔が調べて電報で知らせてきました。マーサって女性の名前かと思ったのですが、男性です。MARCERです。女性だったらかっこいいけど、ホームズが女性をアシスタントに使ったとは考えにくいですね。

最後のゴリラの檻に入れられる悪党たち、かわいかった。
ゴリラも。




グラナダ版ホームズ『青い紅玉』

2012年10月02日 | ☆グラナダ版ホームズ
グラナダ版鑑賞記。
字幕有り無しでともに鑑賞いたしました。

素敵なオハナシです。
クリスマスがらみだと、西洋ではこういう感じに素敵になるのでしょうか。
日本でも大晦日が絡むと、かさ地蔵とか、芝浜とか、掛取万歳とか、楽しい話、いい話が増えますよね。そんな感じかな?…………………たぶんちがう(笑)


帽子の推理は正典でも楽しくて大好きな部分。
コベントガーデンの描写もいいですね。



ブリッキンリッジに賭けをもちだして話を聞き出す。
ホームズは女性から話を聞き出すのも上手ですが、男性の扱いも上手いですね。

そのほかにも、朝寝坊のホームズとか、ヘビースモーカー振りとか、
ガチョウを持った手の臭いが気になるホームズとか、ちょっとしたコネタが楽しい。

ワトスンもクリスマスのお買い物を山ほどしてますね。
そのプレゼントがきれいに包装されていて、この時代の大英帝国の豊かさを見せつけられます。(伯爵夫人の買い物が豪華なのは当然としても)

犯人の濡れ衣をかぶせられる、ホーナー夫妻のクリスマスの幸せの描写。
貧しいけど、家族仲良く幸せに暮らしてる様子にじんと来ます。
奥さんはちゃんと無実を信じていました。

暮らし向きが斜陽してて、奥さんとも上手く行ってない自信喪失中のヘンリーベーカー氏も、貧しい中でも更に貧しい人に施しをする・・。
そしてガチョウクラブのアルファインの主人も、ホームレスを閉店後店に招き入れる。
そして、ラスト、事件を解決して真夜中にやっとクリスマスのご馳走を食べようか、とするところで、「やっぱり無実の男が牢につながれたままでは食べる気にならない」と出かけて行くワトスン&ホームズ。

細かにクリスマスのささやかな幸せや人の温かさを、ちりばめているところも素敵でした。






herlock Holmes: My name is Sherlock Holmes. It is my business to know what other people don't know.




Dr. Watson: I suppose that, homely as it looks, that thing has some deadly story linked to it. That is the clue which will guide you in the solution of some mystery and the punishment of some crime.



Sherlock Holmes: It is so awkward doing business with an alias.



Henry Baker: At this season of the year, more than ever, we must not deprive those we love. Or even those to whom we are married.


more than ever:ますます、いつにもまして
deprive:拒む、奪う

Peterson: Mr. Holmes, the goose! The goose, Mr. Holmes!
Sherlock Holmes: Well, what of it, man? Has it come back to life and flapped off through the kitchen window?


flap:羽ばたく

P:ホームズさん!ガチョウですよ!ガチョウなんです!!ホームズさん!
H:ん?どうしたね?生き返って、台所の窓からパタパタと飛び立ちでもしたか?

このあとに「ダイヤモンドですよ!ガラスがパテみたいに切れますぜ」ってピータースンが言うところがあるのですが、初めて読んだとき「パテ」ってなんだろうと、想像もつきませんでした。

Sherlock Holmes: Watson, we have been given a line of investigation which has been missed by the police and which a singular chance has placed in our hands. Now let us follow it to the bitter end.
Dr. Watson: [mutters, shivering] Extremely bitter.
Sherlock Holmes: Faces to the south, then, and quick march!


singular:まれに見る
bitter end:最後の最後まで
bitter:辛い、寒い、苦い

ホームズはビターエンドって最後の最後まで追いかけるって言ったのに、ワトスンは、そのビターを受けて、寒いって意味で返したんですね。


Sherlock Holmes: Mrs Hudson, we shall turn dinner into supper, and we will follow up this clue while it is still hot.
Mrs. Hudson: [mutters] Which is more than the supper will be.


mutter:ぶつぶつ不平を言う

H:ハドスン夫人、ディナーはサパーにします。この手がかりがまだ熱いうちに追いかけることにしよう。
Mrs.H:それはサパーにもまさるんでしょうね、きっと。

ん?この訳であってる?嫌味言ってるんですよね?
吹き替えと字幕で確認したら、「冷めちゃいますよ」になってました。
ということは、サパーも通り越しちゃいますよって感じになるのかな?

ディナーがサパーになり、サパーがもっとひどいものになるっていう表現なのかな?

正典では、ハドスン夫人の台詞はほとんど出てきません。
でもほんとはいちいちいろいろ返事をしていたでしょうから、こういう付け加えは楽しいですね。



[last lines]
Dr. Watson: Midnight. Merry Christmas, Holmes.
Sherlock Holmes: And to you, my dear friend.
Dr. Watson: Just a minute. Holmes, I cannot contemplate eating while John Horner is still on remand. Do you suppose Bradstreet or one of his colleagues might still be at their desks?
Sherlock Holmes: Eh, well. You're quite right, Watson. Come, let's go.

グラナダ版ホームズ『赤毛連盟』

2012年09月29日 | ☆グラナダ版ホームズ
延原謙訳では「赤毛組合」ですね。
ホームズ作品でもかなり有名な部類ではないでしょうか?
「赤毛組合のトリック」も。

私にとっても、子供のころ読んだ印象が残っている話でもあります。子供向けの本で、今読んでるホームズとは全く違った印象。この印象のままだったら、おそらくホームズ物語にはまってはいなかったんじゃないかな。延原謙様に出会えてよかった!


ドラマの方はというと、原作にはないモリアーティ教授が出てきます。
そして教授が黒幕ってことになってます。
あれれれれ。

まぁ仕方ないですね。テレビ的には。
「最後の事件」とかでいきなり「すべての犯罪の半分は教授が裏で糸を引いてる」ってことになってしまうので、ホームズの手がけた事件の--犯罪じゃないのも混じってるから---1/3くらいは教授関係にしとかないと・・ということになったのでしょう。説得力なくなっちゃいますもんね。放映ではこの次が「最後の事件」らしいので、やっぱり少しは盛り上げたかったのでしょう。

実は私自身は、モリアーティ教授にはあまり関心(思い入れ)がないのです。アイリーネ・アドラーと同様、作中でホームズがやたらと持ち上げている割には、たいしたことがない気がして、後世の人がすごい好敵手にして映像化したりしてると「大騒ぎしちゃって!」と、鼻白んじゃうんです。

BBCの「SHERLOCK」も初めて見たときには、「ピンク」も「暗号」も「グレートゲーム」も「ベルグレービア」も全部モリアーティがらみだったのが、気に入りませんでした。唯一「バスカヴィル」だけは独立した話になっててほっとしました。(バスカヴィルは正典でも一番のお気に入りなので^^)

もちろん、こういう「おはなし」を作る際に、敵役が強ければ強いほど、色彩豊かにワクワク楽しめる話になるんだろうとは思います。なので、理解はできるんですけど、いきなり第1話「PINK」から既にモリアーティだったのには驚きました。
と、ぶちぶち文句も多かったのですが、最後に2-3話「ライヘンバッハ」を見て、その気持ちはどっかに吹っ飛びました。
正典のモリアーティよりももっとぐっと説得力を持って登場してくれたジム!
もう今までの文句は、消えてなくなりました。

そういえば、先日見たハリウッドロバートダウニーJr.のシャーロックホームズにしても最初からモリアーティの影があり、このままでは現代の観客はシャーロックホームズはモリアーティとの戦いのために存在したと思う人が増えるんじゃないかしら?
仮面ライダーとショッカーみたいに(古っ!他のたとえが思いつきませんでした・・)


声を大にして言いたいのは、ホームズの魅力は「ホームズVS.モリアーティ」(だけに)にあるんじゃないということです。モリアーティなんて、ドイルがホームズを抹殺するために急ごしらえしたキャラなんですからっ。
たてつけ悪いんですよ。
がたぴしゃ。




と、ひとしきり文句を言い尽くしたので(笑)、ドラマの話に戻ります。

モリアーティ教授の話を除くと、どことなくユーモラスで、明るい話です。
落語みたい。

このホームズとワトスンはひどいです。
依頼人の話を聞き終わると、大笑いし始めます。
ひどい。
ウィルソンさん、かわいそー。

時代の、もしくはこの二人の属してる(紳士)階級の価値観かもしれないけど、お金に細かい(きたない?)ウィルソンのような人物を小ばかにしてるんでしょうね。ユダヤ人だということに関係あるのかな?「ベニスの商人」的な。

でもウィルソンさんからは謝礼をもらわなかった上に、お見舞金まで渡しているから、まぁ二人ともそこまで底意地悪い態度ではなかったと言えますか。

とはいえ、大笑いするホームズとワトスンはなかなか陽気でよかった。
深刻な事件のときは、二人ともしかめ面だし。
そしてこの話は、屋外シーンのお天気が良くていいですね。
最後の本屋さんからのシーンもいい。
サラサーテ演奏会のシーンも。
全体的にテンポ良く、気持ちよく、進んで行きます。
(教授登場シーンをのぞいて)

ジョン・クレイ(Spaulding)がつかまるときの態度もいい。
王家の血筋だから言葉遣いに気をつけたまえとか何とか。
そして恭しくお辞儀して去って行く・・・。
ユーモラスで面白いです。

そこの台詞はこうです。

Spaulding: I beg you to take your filthy hands off me! You may not be aware that I have royal blood in my veins. And be so kind as to say "sir" and "please" when you address me.

君の汚い手を私から離してくれたまえ。
君は気がついてないかも知らんが、私には王家の血が流れているのだ。僕に話しかけるときには「sir」と「please」を使ってくれるようにお願いするよ。

filthy:汚れた
veins:静脈
address:呼ぶ、話しかける


Jones: All right. Would you please, sir, mind marching upstairs where we'll get a cab to transport your highness to the police station?


わかりました。恐縮ですが、sir、階上までご足労願えますでしょうか?そちらにて私どもで馬車をつかまえまして、殿下を警察署までお送りいたしとうございます。

Spaulding: That's better.
よかろう。

こんな感じかな?
たぶん、言い回しとして、とても丁寧で気取ってるんでしょうね。
でもその辺はあんまり味わえません。

be so kind as to say とか
Would you please, sir とか、丁寧なんでしょうね。
ジョーンズ警部が「your highness-殿下」って呼んでるのはわかりますが。


演奏会を聞きに行くシーン。
サラサーテ役の方、本物のバイオリニストさんだったようですね。
風貌もサラサーテに似せてあったようですが、演奏もサラサーテ風だったのでしょうか?わかったら面白いのに。
私も聞きたかったな~。この演奏会。

二人がサラサーテを聞きに行った、セントジェームズホールってどこなんだろうと思って調べました。正典では、サラサーテの前にシティーに寄って行こう。となってます。ドラマでもシティでウィルソン質屋を偵察した後、演奏会へ行っています。
位置関係が知りたいオタク心(笑)。

以下WIKIより。

St. James's Hall was a concert hall in London that opened on 25 March 1858. It was situated between the Quadrant in Regent Street and Piccadilly, and Vine Street and George Court. There was a frontage on Regent Street, and another in Piccadilly.



ちょっと遠回りですね。
前も書いたロンドン空間把握地図を基に考えると、市ヶ谷から日比谷に出るのに、深川経由で行くという感じですね。
もうこのホールは立て替えられて残っていないそうです。



以下、備忘録的な台詞の引用です。

Holmes: Hm!
Watson: [entering] Oh. Sorry, Holmes.
Holmes: No no. You couldn't have come at a better time.
Watson: Well, I was, I was afraid you were engaged.
Holmes: I am. Very much so.

Watson: What are you going to do?
Holmes: To smoke. It is quite a three-pipe problem, and I beg that you won't speak to me for fifty minutes.
「パイプ三服分の問題だ。」
現代版シャーロックで「パッチ3枚分の問題だ」に置き換わってた台詞はここだったんだ!

Holmes: Sometimes I think my whole life is spent in one long effort to escape from the commonplaces of existence.
Watson: No no, you are a benefactor of the race, Holmes.
Holmes: Well, maybe it is of some little use after all. "L'homme c'est rien - l'oeuvre c'est tout," as Gustave Flaubert wrote to Georges Sand. Hm?

グラナダ版ホームズ『踊る人形』

2012年09月23日 | ☆グラナダ版ホームズ
原作も有名な暗号解読物語。
私も好きな話だった記憶もあるにはあるのですが、大人になってからはあまり読み返してませんでした。依頼人が死んでしまうというのが嫌なのかな。

今回見返してもやっぱりそこが不満です。
ヒルトンキュビットさん、男気があって素敵なのに。
間に合わなかったホームズ。


ホームズものだと、アメリカが出てくると秘密の過去があり、オーストラリアが出てくると過去の犯罪が隠されてる。
どうもそういうパターンになってるように感じますが、実際はどうでしょう。
きっとシャーロッキアンの皆さんが研究済みでしょうね。


ヒルトンキュビットさんのお屋敷、リドリング・ソープは、住みやすそうですね。
家の内装は新しくて光がいっぱい入って、階段もすてき。
古くてフリージングなマスグレーブ家とは違いますね。
このお屋敷なら住んでみたい。(住めるわけはないけど)



南アフリカの金鉱投資の話は原作通り。
推理の種明かしをして、ワトスンに「な~んだ」と反応され、「パッパッパッパ。」というホームズ。
あれはなんでしょう?イギリス人の言い方なのかしら?
そのシーンや踊る人形の”E”の形をジェスチャーで示すところなど、可愛いと言っていいホームズですが、ワトスンがたしなめたように、依頼人に対してちょっと冷たいですね。「同情されたくてここに来てるわけじゃない」なんて言ってますよ。

そういえば、今世紀のシャーロックもそういうセリフありましたね。
「同情すれば被害者を救えるのか?救えないなら同情なんて不要だ」

確かにそうなんだけどね。

そして同情してる暇があったら、しっかり頭脳を働かせて事件を解決!
感情に理性を妨げられるなんて愚かしい。
これが、シャーロックにもホームズにも共通する考え方なんでしょうね。

踊る人形の暗号が手ごわい難問だったために、そちらに全力傾けている風のホームズ。でも依頼人を死なせてしまったと知って、かなり衝撃を受けてる様子でした。
こういうホームズも悪くはないですね。
まさに、スーパーヒーローじゃない、人間臭い感じで。

使用人に話をきくシーン。
ワトスンのアドバイスで、キング夫人を腰掛けさせます。
悪魔の足の感想でも書きましたが、普段のホームズはこういう時の気配りは素晴らしいのです。
でも今回は依頼人の死の衝撃が大きいのか、そこまで気が回ってないようです。
逆にワトスン先生の気配りがきいてる印象に。
バークワトスン素敵っ!
それとも、このエピソードはこのシリーズの第2作目なので、これからこのホームズも気配り上手に成長して行く設定なのかもしれません。

バーグワトスンは慣れないなーと思ってましたが、よく見るとイイですねー彼。
若々しいのと積極的な感じが!

ジェレミーホームズも若いせいか、メイクが控えめです。
そして、音楽がアメリカっぽかった。
古き良きアメリカ。
なかなかよかったです。




Dr. John Watson: How absurdly simple...
Sherlock Holmes: Quite so. Every problem is absurdly simple when it is explained to you.

absurdly:ばかげたほど

JW:全くばかばかしいくらいに簡単だな...
SH:いかにも。すべての謎はばかばかしいほど簡単だよ。君に種明かしをしたあとには。


Sherlock Holmes: His family has owned land in Derbyshire for over five hundred years, so I presume that Mr. Cubitt is as respectable as he is worthy.
Dr Watson: [while looking out the window at Mr. Cubitt] With a fresh face, an open countenance, and wearing a brown bowler hat.
Sherlock Holmes: [not realizing Watson was looking out the window] Oh no, you can't possibly know that!
Dr Watson: [smirking] Really, Holmes?


presume:推定する
respectable:立派な、見苦しくない、かなりの
countenance:顔つき
bowler hat:山高帽
smirk:ニヤニヤ笑う

SH:彼の一族はダービシャーに500年以上も領地をもっている。彼は相当立派な資産家だと思うよ。
JW:(窓からキュビット氏を眺めながら)生き生きとした顔で、外交的な顔つきで、茶色の山高帽をかぶってるな
SH:(ワトスンが窓の外を見てるのに気づかず)まさか、そんなことわかるわけがない。
JW:(ニヤニヤしながら)そうかな?ホームズ。



Doctor Carthew: By George! How ever did you see that?
Sherlock Holmes: Because, Dr. Carthew, I looked for it.

DC:なんてことだ!いったいなぜわかったんです?
SH:なぜならば、カーシュウ先生、探していたからですよ。


Dr. John Watson: Do you think he'll be armed?
Sherlock Holmes: He's a fool if he's not.

JW:彼が武装してると思うのか?
SH:そうでなければ、彼は愚かだよ。




Abe Slaney: Well, gentlemen, it looks like you've got the drop on me but what the hell is going on?

AS:さて、みなさん、どうも不意打ちにあったようだが・・いったい何のまねなんだ?


Sherlock Holmes: What one man can invent, another can discover.

Dr. John Watson: Sherlock Holmes is cheerful, so Sherlock Holmes must have a case.


SH:誰かが作り出したものなら、解明できないものはないのです。
JW:シャーロックホームズが朗らかである。それゆえ、シャーロックホームズは事件を抱えているはずだ。


[last lines]
Dr Watson: [narration] And so the dancing men, which had so often been the agents of evil, were finally used on the side of justice. Abe Slaney was condemned to death at the Darby assizes, but his sentence was changed to penal servitude in consideration of mitigating circumstances in the certainty that Hilton Cubitt had fired the first shot. Mrs Cubitt made a complete recovery and lives still at Ridling Thorpe Manor.

condemn:非難する、宣告する
assizes:巡回裁判
servitude:強制労働
mitigating circumstance:情状酌量

そしてこうして、これまでなんども悪の手先となった踊る人形の暗号も、ついに正義のために使われることとなった。

エイブスレーニは、ダービーの巡回裁判で死刑を宣告されたが、その執行は強制労働に変更された。ヒルトンキュビット氏が先に発砲したことがわかり、情状酌量が考慮されたためだった。

キュビット夫人は全快し、今もリドリングソープマナーに住んでいる。

グラナダ版ホームズ『プライオリ学校』

2012年09月20日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕版で鑑賞。

これは前にNHKの再放送を見ていた記憶があります。

ホームズ物語ではホームズがあっちこっちへ行きますが、いちばん北の地方で起こった話らしいです。

ホームズが褒賞金を手にする話です。
最終的に12000ポンドです。
当時の1ポンドが今の2~3万円くらいに相当と聞いたことがあるのですが、だとすると、2~3億円以上になっちゃいますよ!!!!

これは当時どのくらいのお金でしょう?
今なら、サラリーマンの平均生涯年収が2億円とか言われるので(今はもっと少ないはず)一生働かなくていいお金ってことですよね。こういうお金があるから、ハドスン夫人のとこの下宿代もめっちゃ気前よく払えたし、お金がない人からの依頼も気にせずどんどん引き受けられたんですよね。ホールダネス公爵の褒賞金は、結果的に公共の利益にために使われることとなりました。


校長先生の話す英語が聞き取りやすいです。
教育者だから外国人にも聞き取りやすい英語を話してくれるのでしょうか?
--んなわけはない!


ホームズがこの校長先生の手を取って引き起こす場面で、
「at your service」といってるようにに聞こえます。
意味は?
「御用を承りますよ!」といううことのようですね。


ハドスン夫人が何もいわれないのに、お弁当を用意してくれるのすごいですね。すてき、すてき。
あのバスケットの中身が知りたい。サンドイッチとか?
これが日本の話なら、さしずめおにぎりと沢庵ですね。


寄宿舎の子供に話を聞く場面。
子供がセンテンスごとにsirをはさむのが印象的。
使用人に話を聞くときも、しつけのいいところならこんな風にこたえますよね。敬語を使っている感じなんでしょうか。


ヘルファイアクラブを「闘鶏クラブ」と訳してました。
なぜかな?
サルタイヤ卿を閉じ込めていたのも「闘鶏旅館」でした。
闘鶏好きなエピソードですね。
闘鶏旅館・・あのテーブル汚すぎでしょう。
お客さんぜんぜん来ないんでしょうね。
それでもお愛想で(?)「おいしそうだ、何の料理かな?」なんて女将にたずねるワトスン先生、あのテーブルで気がつかないのかしら??


乗馬シーンやサイクリングシーンも印象的なこのエピソード。
とくに乗馬シーンはホームズとワトスンと乗り方が違ってて面白い。
ホームズは背筋をぴんと伸ばしてて、いかにもホームズな乗り方。
一方ワトスンは、上体をゆっさゆっさと揺らしながら。
この違いは何でしょう?
演技?それとも中の人の個性(もしくは技術の差)
乗馬できる人が見たら何か感じるかもしれませんね。

それと、ホームズが馬を下りるときに、妙にややこしい下り方をしていて、(ステッキが魔法のように出てくる)印象的だったのですが、この乗馬の件に関して、ジェレミー・ブレッドファンのRMさんのブログに詳しいので、リンクしておきます。

Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ「プライオリ・スクール」その2

結論として、ホームズの中の人がとても乗馬が上手な方のようです。
でややこしい下り方(名づけて「知恵の輪下り」!)と思ったのは、かなり高度なテクニックが必要なものだったようです。
これで、「銀星号事件」「犯人は二人」などでも印象的だった、ホームズの馬さばき、馬あしらいの上手さが納得いきました。

日本でも、時代劇が長い役者さんだと馬の扱いも上手になるでしょうね。
裸馬にのったりするシーンもありますしね。


敬称・・・閣下を YOUR GRACE/HIS GRACE っていうのか。
アメリカ映画ばっかり見てると出会えない単語。


正典とはちょっと細かく違うドラマ版。
犯人の最後の扱いは大きくちがいます。

でもなんで、6000ポンドだったはずの報酬が、倍の12000ポンドになったんでしょうか?正典でも最終的には12000ポンド払ってもらうんですけど、なぜ増えたのか説明が無いような気がします。



【追記】この疑問について、父からメールが来ました。
トップに上げた画像が貼付されていました。
公爵の感謝の表現だったとのことでした。
お父さんありがとう。

グラナダ版ホームズ『悪魔の足』

2012年09月19日 | ☆グラナダ版ホームズ
ついに、日本語字幕&吹き替え版を手に入れました。
Thank you Father!(ここは、シャーロックのベネディクトさんの声で^^)
父のおかげです。

おかげで、字幕無英語音声→日本語字幕→吹替(NHK編集版)
合計3回見るという念の入れようです。
人間的生活から遠ざかります。
お父さん助けて・・・(笑)

さすがに最近は、このグラナダ鑑賞に忙しく、SHELOCKのほうを見る時間がありません。(DVDを手に入れてしまったのでちょっと満足してるのかも。)

グラナダ版をみると原作も読みたくなるし、英語音声で見ていると英語原作も確認したくなるしで、忙しくてかないません(笑)
最近テレビもほとんど見てなくて、政治情勢もよくわからなくなってしまいました。


で、「悪魔の足」ですよ。

私23年前にイギリスへ行ったときに、悪魔の足の舞台になったコーンウォール半島を見たいと思って、ペンザンスというところへ出かけたんです。
汽車+徒歩でいけるところまでしか行かなかったので、結局悪魔の足の舞台になったような荒涼としたところは見てこれずでした。
(何のために行ったのか?)

コーンウォールって、昔々超人ロックって言う漫画がありまして、宇宙のどこかの星にもコーンウォールってところがある設定でした。
・・・・・・・・・と思ったんだけど、超人ロックのは「ロンウォール」でした。
でもそれもあって、コンウォールって響きに憧れがあったのは確か。
でも行って見てどんな場所だったのか、まったく記憶に残っていません。

このドラマの舞台はなんというか、陰気な場所ですね。
海は綺麗なんだろうと思うのですが。
自殺の名所になってもおかしくなさそうな場所ですね。
そんなところに神経衰弱寸前の探偵が静養に・・?
ワトスンの知り合いのおうちを借りたようですからほかに選択肢なかったのかも。
夏なら気持ちがいいかもですが。


静養なのに、やっぱりコカインは持ってきてしまってて、誘惑に勝てないホームズ。静養自体嫌々ながらという設定だから仕方ないか。
で、ワトスンのそれに対する態度は、大人ですね。
私だったら絶対口出ししちゃうんだろうな

「またコカイン持ってきたの?静養に来てるのにそんなもの必要ないでしょう?体を悪くするだけだし。お願いだから、やめて頂戴。」とか何とか。ガミガミ、クドクドw

でもワトスンは、何もいわずに「荷物見てくる」って。
おとなです。
こういう態度のほうが、こたえるのかもしれませんね。

そして、いっしょに散歩中、古代の墓標を見ながら
「この海と同じで、われわれだっていつも死と隣りあわせだ」
っていい台詞ですね。

英語でなんていってるか、調べました。

Sherlock Holmes: [In a depressive stone as he stares at an old grave marker overlooking the sea] Weather-pitted slabs of granite, ancient tombs scattered throughout the length and breadth of this peninsula.
Dr. John Watson: Like the sea, I suppose, death is always with us.
Sherlock Holmes: [Holmes stares intently at Watson before answering] Quite so.

引用元
http://www.imdb.com/title/tt0685621/quotes

pitted:穴の開いた、くぼんだ
slab:石板
granite:花崗岩
scatter:まきちらす
throughout:到處
breadth:横幅


このワトスンの含蓄ある台詞が、ホームズにかなりの影響の与えたのか、ホームズはこの静養中にコカインと縁を切る決断をするんです。
注射器を砂浜に埋める儀式・・・

これって、山口百恵とかレスリーが引退コンサートでマイク封印儀式したようなものですよね。(ちがいますね)人は儀式を欲するんでしょうかねー。

このシーンでも、そのあとの実験後のランプを崖から海に向かって投げ捨てるとか、この時代の人はガラスでその後の人が怪我をするとか気にも留めてないんでしょうね。

そうそう、コロンボでも、かの名作「別れのワイン」で高温のためダメになった高価なワインを夜中に海にバンバン捨てるシーンがありましたけど、あれもとっても気になった。
70年代のアメリカ人もそういうことしたんですね。
殺人者だから?
それともアメリカが広大な国土を持ってるから気にならないのかしら?


あ、ぜんぜん話がそれてしまいました。


そういうわけで、コカインと決別したのはよかったですね。
子供たちのヒーローだし(違)
やっぱり現代の視点で見てしまうと、薬物に手を出してその力を借りてハイになってるとか、痛々しくて見ていれないですもの。
中毒にはなってなかったのかしら??


捜査の途中、事件現場の家政婦ポーター夫人から話を聞く場面、ホームズはとても優しげです。銀星号事件のメイドに話を聞くときもそうだったし、ホームズは職業上のテクニックってこともあったと思いますが、聞き込みがとてもうまいですね。とくに事件を目撃してショックを受けているような女性から話を聞きだすのを心得ています。

かたや、現代版のホームズは・・・
SHERLOCKの0203-ライヘンバッハの寄宿学校のシーンで、まったく逆のアプローチで聞き込みしてますね。圧迫聞き込みw
あれも作戦なんだろうけど、グラナダホームズ(というか正典ホームズ)の域に達するにはまだまだ修行が必要なようです。


悪魔の足の最大の見所は、あの「実験」です。
原作では、ホームズとワトスンが二人ほぼ同一条件下で実験に臨むのですが、グラナダではホームズばかりが薬の影響を受けたような演出でしたね。

なので、ワトスンに「すまない」って謝る説得力が若干欠けた気もしますけど、いかがでしょうか?
二人とも幻覚見て、あわあわ~~ってならないとなぁ・・・。
ちょっと不満。
せっかくのいい話なのに。


で、ラスト。
「恋愛経験はないけれど、もしあったとしたら自分も同じようなことをする。」
って、この台詞いいですねぇ。
決してそういう感情をもてない人というわけじゃないんだろう、と思わせてくれる台詞なので、好きです。
恋愛できない、そういう感情がない、ってやっぱり機械みたいでつまらない。
でも、持てるけど持たない選択をしてきたんだ。
というんだったら話が別になってきますよ。

個人的に、アイリーネ・アドラーでは嫌なんですけど、
もっと以前に、ホームズ物語が語られるずっと以前に、(彼の青春時代とか)そういうドラマがあるのは、いいかな~と思っています。
兄嫁に恋していたといわれる夏目漱石みたいな感じで、成就しないんだけど、一応ちゃんと経験としてあって、結局一生それを超えるものがなかったというようなことにしておいてほしいです。
お相手はバイオレットさんということでオッケーです。

グラナダ版ホームズ『銀星号事件』

2012年09月17日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕無し鑑賞日記。

バスカヴィルと同じく、ダートムアを舞台にしたお話。
タヴィストックという地名がでてくる。
どこかな?
調べてみました。
ダートムアの西の玄関口って場所ですね。

本当の舞台「キングスパイランド」は架空の地名でしょうか?

ツボだったシーン。
☆汽車の中で熱心に新聞読んでるワトスン、ペンを片手に読んでる。
これは、競馬新聞に読み方では!赤ペンじゃなかったようだけど。
さすが、競馬好きのワトスン先生。

☆ホームズが「羊」と示唆するところ。
 なぜか「メェェェェ~」って鳴きまねをする。
 お茶目です。

☆大佐との食事でスープを断って、ひたすらタバコをぷかぷか。
 ぜったいホームズさんとは一緒に食事したくないです。
 食卓でタバコなんてっ!

☆汽車の速度を測るのに、妙に必死なホームズ。
 原作では(やることないから)何気なく外を眺めてて、速度を割り出してたと思います。

☆羊のカレ料理。
 暖炉で料理なんですね。
 羊はやはりあそこで飼われていた羊さんでしょうかしら?

☆原作読んでいて、レースの出走馬についてレース前に馬主が知らないなんてことありえるのか?と思っていました。馬主が馬を連れてきてエントリーするんじゃないのかな~と。原作ではレース後に「銀星号だったんだ」と大佐に知らせるわけですけど、ここではレース前にちゃんと教えていましたね。やっぱりこっちのほうが現実的なのでは?と思います。

☆イギリスの競馬
 競馬の賭けの仕方が興味深かったですね。
 窓口がいっぱい有る。
 窓口と言うか、立て看板の前で個人で店を開いているみたいな感じでしたね。
 これがブックメーカー?
 で、オッズもそれぞれ違っているとか?
 これどうなってるんでしょうね。
 競馬は日本でしかやったことないので海外のがよくわからないですが、
 (あ、ドッグレースはグアムでやりました。)
 どちらも賭けの窓口はオフィシャル1箇所しかなかった。
 イギリス行って競馬やってみたいと思いました~。
 今は雰囲気ちがうでしょうけどね。
 
☆ホームズって、馬がすきみたいですね。
午年生まれかな?
馬の身体を撫でてやるとかちょっとした仕草に愛情を感じます。
恐喝王ミルバートンでも、馬2頭の轡を持ってじっとしているシーンがありました。
何気ないけど結構馬の扱いになれていないと難しそう。
これは、中の人のスキルなんでしょうね。
水を含ませたスポンジで額の星を拭いてやるのだって、馬がすごく大人しい。





“The real murderer is standing immediately behind you.”
He stepped past and laid his hand upon the glossy neck of the thoroughbred.
“The horse!”
cried both the colonel and myself.
“Yes, the horse. And it may lessen his guilt if I say that it was done in self-defence, and that John Straker was a man who was entirely unworthy of your confidence.


YOKOの好きなもの羅列

(順不同)地図、河岸段丘、保存樹木、宮本常一、縄文時代と日本の古代、文明開化と江戸時代、地方語、水曜どうでしょう、シャーロック・ホームズ、SHERLOCK(BBC)、陳昇、John Mellencamp、Kate Bush、イ・スンファン、カンサネ、1997年以前の香港映画、B級コメディー映画、SNL、The Blues Brothers、台湾、旅行の計画、イタリア、エステ、宮部みゆき、ショスタコーヴィチの交響曲5番、森川久美、のだめカンタービレ、くまモン
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