夕食は先生の知り合いの地元の方も参加されるとのことで、宴会場でいただきます。先生が主宰されている「昔ばなし大学」の25周年大会が来年ここ田沢湖で開催されるそうで、その関係の方々です。お酒の差し入れなどもいただきました。御膳に土地の珍しい食べ物が並びます。
山菜など土地のものたくさん。
本来、上座にどなたが座って、とか席順をいろいろ決めるんでしょうけれども、交流を主眼にしようということで、地元の方を我らが取り囲むような席順にしました。私の隣は地元の教育長などなさった方。先生のおかげで、ただ旅行してたら出会えない方とお話することができました。秋田のお国言葉が新鮮!へば!
イワナ
山の芋鍋というのが名物らしく、囲炉裏に吊るした鍋で振る舞っていただきました。
これ美味しい!
イワナの刺し身と秘湯ビール。
秘湯ビールはかなり個性的な濃い味。ブナの酵母で作ってるんだそうです。
いブリ大根いぶり人参、緑色のは「ミズ」という山菜。茎は浅漬にしたり、お浸しにしたり、根の方は細かく切って叩くと粘りが出るそうで「ミズたたき」というものになり、葉は、天ぷらで出てきました。いま季節だそうで、ミズ尽くし。
それと、写真を撮り忘れたのですが、土地の人が「たけのこ」と呼ぶもののフライも出ました。「姫竹」(ネマガリタケ)と言うものでこの辺りの名産。秋田には孟宗竹はあまり育たないそうで、私達が普段「たけのこ」と言ってるものとは違うものです。
今年、クマに襲われた人たちが採っていた「たけのこ」というのはこれのことだそうです。私にとってたけのこは「掘る」ものですが、このたけのこは「とる」ものなんだって。やはりちゃんと聞かないとわからない話ありますね。あのニュース聞いたけのこ掘りを頭に思い浮かべていました。
お酒も秋田のしかもこの辺のお酒がズラリ並びました。
ズシンとしっかりした味で少し甘みもあり、普段好んで飲む新潟の酒とは全然違う個性で美味しかった。
翌日田沢湖のお土産店で「神代」というお酒を買って帰りました。
宴会のあとは、「ホタル鑑賞会」です。
この日程にしたのにはさらに理由があり、この辺りのホタルの出現特異日なんだとか。先生は数年前にたまたまこの日程で鶴の湯を訪れたそうで、その時ホタルを見たんだそうです。
「君たちも見たいだろ?この日が一年で一番ホタルが出るんだそうだよ。この日にしようぜ。」と先生。
蛍スポットまでは車でしばらく走ります。お酒を飲まなかった地元の方に運転していただいて連れて行ってもらいました。
沢の入り口に車を置いて歩いて真っ暗な沢沿いを登ります。先頭は御年86歳の先生です。
え??
地元の人が先頭を歩いてるんだと思ってました。
なんという健脚!
雨で濡れた真っ暗な山道を懐中電灯を手に一列縦隊で歩いていくと、蛍がぽおっぽおっと見え始めました。真っ暗な前方にもわぁっと白く光る滝が現れ、そこが蛍スポットのようです。
雨が多かったので、少し少なめだったのかもしれませんが、一帯に漂う蛍の光。
すごいなあと思ったのは、頭の上はるか遠くを飛ぶホタルです。滝のせいで高いところを飛んでるらしいです。写真は無理なので撮りませんでしたが、その分しっかりと目に焼き付けました。
蛍を堪能したくだり道、「ほらこれが夕食で出てきたミズだよ」と、地元出身の友人が路傍の草をとって見せてくれました。こういう沢のとこならどこにでも生えてるんだ。とのこと。
夜の鶴の湯
蛍を堪能したあとは、宿に戻り本陣の二間続きの「男子部屋」で宴会の続きです。
夕食時に飲み切れなかった日本酒の瓶が並ぶ並ぶ。
それと夕食のデザートのフルーツを持ち込んでの二次会です。
この鶴の湯のオーナーさんもやってきました。
せっかくなので、電気を消して灯油ランプの明かりだけで話をすることに。
そうすると不思議と声のトーンも落ちるんですね。
私は夕食時に飲みすぎたのか、ちょっと眠くなってきて、お酒は飲まず、ひたすら水を飲んでブドウやサクランボを食べていました。先生が請われて昔話などしてくださったんですけど、そのころには舟をこぐ有様。先生がお元気なのに、なんというだらしなさ。
23時を回ったころ、そろそろお開きにしよう。と声がかかり、片づけてそれぞれの部屋へ。真っ暗なので先生をお部屋までお送りして、私たちもすぐ寝ました。お風呂は24時間とのことで、きっとお風呂に行った人もいたんでしょうね。
隣の先生の部屋から、コンコンと咳き込む声など聞こえました。
もっと早くにお開きにするべきだったかな‥‥
などと思ううち、眠っていました。