先日行った國學院大学博物館のイベントで「縄文コンサート」というのがありました。
何の期待もなく、ミュージーアムトークのあとに続けて行われるということで、そのまま聞いていたのですが・・・・これが予想を完全に裏切る面白さでした。
無料でこんなことまでしてもらって、ほんとにいいんですか?!
登場したのは
「斎藤孝太郎」(
公式サイト)というチェロ奏者で作曲家のおにいさん。
始まる前にプロフィールが配られました。この方、いろいろにご活躍されているようですが、ワタシ的に一番おおっ!と思ったのは、台湾のTVドラマ「ショコラ~流氓蛋糕店」で長澤まさみにチェロ指導したというくだり。お~!あのドラマ見てましたよ。
小應出てたから。映画「おくりびと」でモックンのチェロ指導もしてたそう。
で、このコンサート、何が面白かったかというと、
縄文土器を音楽にしてるんです。こう言っても、きっと何のことか、わからないでしょうね。でもとにかく
縄文土器で音楽を作ってるんですよ。
土器をたたいて音を出すとかそういうことじゃないですよ。
そんなことできませんね。
文化財ですからね。
縄文土器の縄文土器たる所以であるあの「文様」~縄目模様〜を音譜にしてはるんですよ!(いきなり関西弁になってしまいました)
ここまで話してもまだ半分以上の方がわかってないと思うので、写真出します。
当日演奏前に、斎藤さん本人がスライドで見せてくれたものです。
ほらほら!
火焔型土器の鶏冠突起(というんですって、あのでっぱったとこ)の形を五線譜に音譜として並べたり、渦巻き模様みたいなのを写し取ったり。土器の模様を音譜に置き換えてらっしゃるのです。
こんなことふつう思いつきませんよね?
面白い人だわ~。
で、さすが作曲家、その土器模様を使ってさらに縄文の時代にタイムスリップするような感覚にしてくれる作品に仕上がっているんです。聴いててとても気持ちよかったです。しかも何曲もあった。
そのうち「組曲・縄文!」なんてのができ上がってるかも。
お話によると津南町の「
なじょもん」関連で始めた試みだったそうなのですが、活動するうちほかの遺跡の方からも
「つぎはぜひうちの土器でも曲作ってください」などと頼まれたらしく、その曲も新曲として披露していただけました。
山梨の勝坂土器で、と依頼されたという曲、複雑極まりない土器の文様に大いに悩まれたようですけど、かなりかっこいい曲になっていました。悩んだポイントの説明がいろいろあって、面白おかしく話してくれるので、大いに笑えましたが、これもその一つ。
この渦巻き模様をどう料理するのか??
ちゃんと楽譜で見てもうずまき模様!!!
文様全体でみると、この複雑怪奇な文様が・・・
こんな楽譜に!!
文様ひとつひとつをシンセサイザーの波長の形に表現したり
もうユニークすぎて。
とても楽しいコンサートでした。
エレキチェロなんて言う楽器も初めてだったし。
演奏では、即興だったのか、バッハのフレーズが挟まれたりしてました。これが、意外と縄文の森のイメージに合うんですよ、やはり、自然の摂理への深い洞察なのかもしれません。バッハさんは。
チェロの弓をポインターにして説明する斎藤さん。
ファンになちゃいましたよ。
ご本人に感想などお伝えしたいなーと思ってネット検索したら、ご本人のツイッターが見つかりました。いま台湾に行ってらっしゃるみたいです。ここでも台湾につながるんだ〜。縁がある!
今後も注目のアーチストです。
またライブコンサート行ってみたいです。
※勝坂遺跡は調べてみたら神奈川県相模原ですね。
山梨から出土した「勝坂式土器」っていうことなのかな?確かに、山梨って言ってました。。真相はおいおい明らかになることでしょう。