佐々木閑先生のyoutube仏教講義をずっと見てます。
そこで最近登場したのが南条文雄。
もちろん全然知らない名前でした。
幕末生まれの真宗大谷派のお坊さん(学僧)で、明治九年に英国に渡り、当時ヨーロッパで進んでいたインド学、アジア学、仏教学に触れてサンスクリットを学んだ方。日本最初期の文学博士であり、大谷大学の学長などを務めた方なんだそう。
お坊さんの英国留学ってどんな感じだろ?
と興味をそそられ、図書館から借りてきました。
戊辰戦争の頃、本願寺が像兵を組織して、それに加わって1年余訓練に明け暮れていた話。
すごく秀才だったため、本山の学寮に入って頭角を現していた頃の話。
お坊さんだけど、夜の街に通ってお酒を飲み、いつも同じ女性たちが迎えてくれた話。(笠原さんはその女性との間に一男をもうけていたのだそう)
留学するのは周りに秘密だったこと。
横浜、神戸、香港、シンガポール、セイロン、スエズ運河、マルセイユと航海した話。
英国についてから英語を始めた話。
下宿での初日、ガス灯の消し方がわからず、フッと吹き消してしまいガス漏れ騒ぎになった話。
イギリスでは日本人学生会があり、持ちわまりで研究発表的なことをやっていた話。
アメリカ周りで帰国した話。
大陸横断鉄道にも乗っていらっしゃいます。
ペッペさんが見つけた仏舎利をタイの王様から譲ってもらえるとのことで、お迎えに出かけた話。
知り合いが洋行するというので挨拶に行た際に「いつかはインドへ仏跡巡礼に行きたいんですよね」と話したら「じゃあ、You一緒の船に乗っちゃいなよ。お金1000円かしちゃうからさー」と言われて、そのまま家財道具まとめてお寺に預けて、ほんとにインドに行っちゃった話(奥さん同行)。
これすごい。
1000円ってすごい大金でしょう。
ぽーんと出しちゃう人もすごいけど、すぐにのっちゃう南条文雄先生もフットワークが軽い。
船中で出会った乃木希典氏が「インドは物騒なところだから」と懐剣を渡そうとした(ケド固辞した)
仏教学の世界学会がフランス領インドシナ(トンキン)で開催されてそこへも参加。イギリス留学中に知り合いになった人たちと再会する。
日清戦争後、荒廃した中国の寺のお経を保全(と言っていいのか?日本に持ち帰る)のために清国慰問団が組まれたという話。
ミンビ暗殺事件のあとで、朝鮮の宮殿に幽霊が出るということでお坊さんに読経供養をしてほしいという要請があった話には驚いた。罪悪感が幽霊を見せている?
また、この時の同行者には「覚王山日泰寺」の塔建設のため、中国の寺から仏塔を移築しようという計画をもっていたことも興味深い。
佐々木先生の仏教動画。
先生が「濃厚接触者」となったことや体調不良だったとのことで1週間ほどお休みがあった。(おとといから復活!ぱちぱち)
久しぶりに鎌倉円覚寺の横田南嶺老師のYoutubeも観たのだけど、佐々木先生のことに触れていらして、みんなつながってるなぁなどと思ってちょっとうれしかった次第。