東京国際映画祭 COMPETITION部門の映画を見てきました。
エドモンド・ヨウ監督 マレーシア「破裂するドリアンの河の記憶」 ワールド・プレミア だそうです。(とはいえ、この映画祭での上映の3回目の回だったので、舞台挨拶などは無し)
この監督さんはまだ20代でこれが長編処女作とか。
上映前にロビーで監督さんを見かけた夫が駆け寄りサインをもらっていました。
お!サインがカタカナだよ。
「エドモンド楊」って書いてくれました。
日本橋のコレド室町にあるTOHOシネマズスクリーン6。
満席でした。当日券目当てに劇場まで来てた友人にばったり会ったのですが、彼女はチケットが買えずに泣く泣く帰って行きました。やっぱりコンペ部門は舞台挨拶なくても人気なのですね。
今回は、夫の誘いで見に行ったので全く事前情報なし。それならあらゆる先入観なしで見たほうがいいかなということで、映画祭プログラムの紹介文なども読みませんでした。
オープニングはキャメロンハイランドの茶畑の景色から静かに始まります。
マレーシアだなぁ。
低予算なんだろうとは思うけど、静かな中に若い監督の思いがあふれかえっているような映画でした。主人公が少しずつずれていくようなオムニバスのような印象もある筋立て。見知ったKLの景色も出てくるものの、音が絞ってあるので印象が全く違いました。
女優さんたちがきれい!
そしてどのシーンもカメラのアングルや画面の色が一コマずつ心に残る。
何か「はずしてる感じ」のある構図。
違和感というのも違うけど・・・。
印象深かったのは、高校の歴史の授業。
入試対策の教科書まる覚えの授業でなく、自分たちの国や周りの国の歴史の事件を生徒たちが調べてきて芝居仕立てで発表するというもの。タイの民主化運動、フィリピンの民主化運動、それに日本のからゆきさんの問題が取り上げられていました。
それに対比するように「今起きているレアアース工場建設と環境破壊問題」。これがリアルにマレーシアで起きている問題なのかは勉強不足でわかりませんが、一般的にどの国でも起きている話ですね。日本も原発問題をかかえているし、まさに今香港で起きている傘運動も。
大人数のエキストラが使えなかったのか(?)、工場建設現場も学校のシーンも、デモシーンも人が少ないのですが、それが却って詩的な効果をもたらしていたように感じました。
時々心象風景のような抽象的な画面が挟まるので、その部分ちょっと理解しにくかったのですが、あれはイメージでとらえてもいいのかな?
運動に参加する高校生の子供時代?焚書のようなイメージのシーンがあるけれど、そこがわからなかった・・・。
テーマについて、はっきり「これです!」と声高に言わない分(言ってる部分も結構あったけど)ぞわっとするような感覚が残りました。
静かに始まり静かに終わったのもよかった。マレーシアの映画はやはり面白いですね。そして監督の才能も。
上映が終わり、ロビーに出ると監督さんのほか、主演の俳優さんがいました。
声をかけると満面の笑顔。
かわいいい~~~~~!!
画面で見たときはごつい印象だったのですが、実物はわりと小柄でとにかく笑顔が可愛かったのでした。
Koe Shernくん。ファンになりました。
映画は基本的に北京語で進みます。
女優さんたちの北京語きれいな発音で聞き取りやすかった。
時々広東語やマレー語は挟まるのがマレーシアぽかったけど、こんなきれいな北京語で日常生活してるのかなと思いましたが、その辺は詳しくわかりません。
夫の感想は
「きれいな人がいっぱい出てきた。それだけでもう、いい映画。」
だそうです(笑)。
以前は何本も精力的に見ていた東京国際映画祭ですが、今年はこれ一本で終わりそうです。
<追記>
監督とツイッターでやり取りしました。
ギモンの部分も思い切って質問してみました。
私の下手な中国語には目をつぶってください。
やり取りを簡単に翻訳しますと・・・
私:英語や中国語で感想を言うことはできないんですが、一番印象深かったのが、高校の歴史の授業の場面です。ああいう授業はマレーシアでは普通なんですか?
監督:普通じゃないです。りん先生の教え方は特別です。
私:ありがとうございます。では、監督はあのような授業は監督の経験ですか?それとも完全な創作ですか?
監督:創作です。昔先生たちがああいう風に授業してくれたらと思っていました。
私:よくわかります。私も林先生の歴史の授業受けてみたいです。
監督:^^
私:もう一つ質問があるのですが…抗議行動する人たちのアジトでホイリンが子供時代の彼女(と私は感じましたが)抱きあって、上から燃えた紙がひらひら落ちてくる場面ですが、あれは何を表しているのでしょうか?マレーシアの歴史に何かそういう事件などがあったのでしょうか?私完全に間違った理解をしてるかもしれません。すみません。
監督:あれは、夢もしくは記憶です。ホイリンもミンも二人とも同様に夢と記憶の中で生きています。ああいった夢は彼らの心境を表しているのでしょう。
私:わかりました。あれは具体的な事件を表しているのではなく、心境の表現なのですね。ありがとうございました。
監督:いえいえ、質問ありがとう。
エドモンド・ヨウ監督 マレーシア「破裂するドリアンの河の記憶」 ワールド・プレミア だそうです。(とはいえ、この映画祭での上映の3回目の回だったので、舞台挨拶などは無し)
この監督さんはまだ20代でこれが長編処女作とか。
上映前にロビーで監督さんを見かけた夫が駆け寄りサインをもらっていました。
お!サインがカタカナだよ。
「エドモンド楊」って書いてくれました。
日本橋のコレド室町にあるTOHOシネマズスクリーン6。
満席でした。当日券目当てに劇場まで来てた友人にばったり会ったのですが、彼女はチケットが買えずに泣く泣く帰って行きました。やっぱりコンペ部門は舞台挨拶なくても人気なのですね。
今回は、夫の誘いで見に行ったので全く事前情報なし。それならあらゆる先入観なしで見たほうがいいかなということで、映画祭プログラムの紹介文なども読みませんでした。
オープニングはキャメロンハイランドの茶畑の景色から静かに始まります。
マレーシアだなぁ。
低予算なんだろうとは思うけど、静かな中に若い監督の思いがあふれかえっているような映画でした。主人公が少しずつずれていくようなオムニバスのような印象もある筋立て。見知ったKLの景色も出てくるものの、音が絞ってあるので印象が全く違いました。
女優さんたちがきれい!
そしてどのシーンもカメラのアングルや画面の色が一コマずつ心に残る。
何か「はずしてる感じ」のある構図。
違和感というのも違うけど・・・。
印象深かったのは、高校の歴史の授業。
入試対策の教科書まる覚えの授業でなく、自分たちの国や周りの国の歴史の事件を生徒たちが調べてきて芝居仕立てで発表するというもの。タイの民主化運動、フィリピンの民主化運動、それに日本のからゆきさんの問題が取り上げられていました。
それに対比するように「今起きているレアアース工場建設と環境破壊問題」。これがリアルにマレーシアで起きている問題なのかは勉強不足でわかりませんが、一般的にどの国でも起きている話ですね。日本も原発問題をかかえているし、まさに今香港で起きている傘運動も。
大人数のエキストラが使えなかったのか(?)、工場建設現場も学校のシーンも、デモシーンも人が少ないのですが、それが却って詩的な効果をもたらしていたように感じました。
時々心象風景のような抽象的な画面が挟まるので、その部分ちょっと理解しにくかったのですが、あれはイメージでとらえてもいいのかな?
運動に参加する高校生の子供時代?焚書のようなイメージのシーンがあるけれど、そこがわからなかった・・・。
テーマについて、はっきり「これです!」と声高に言わない分(言ってる部分も結構あったけど)ぞわっとするような感覚が残りました。
静かに始まり静かに終わったのもよかった。マレーシアの映画はやはり面白いですね。そして監督の才能も。
上映が終わり、ロビーに出ると監督さんのほか、主演の俳優さんがいました。
声をかけると満面の笑顔。
かわいいい~~~~~!!
画面で見たときはごつい印象だったのですが、実物はわりと小柄でとにかく笑顔が可愛かったのでした。
Koe Shernくん。ファンになりました。
映画は基本的に北京語で進みます。
女優さんたちの北京語きれいな発音で聞き取りやすかった。
時々広東語やマレー語は挟まるのがマレーシアぽかったけど、こんなきれいな北京語で日常生活してるのかなと思いましたが、その辺は詳しくわかりません。
夫の感想は
「きれいな人がいっぱい出てきた。それだけでもう、いい映画。」
だそうです(笑)。
以前は何本も精力的に見ていた東京国際映画祭ですが、今年はこれ一本で終わりそうです。
<追記>
監督とツイッターでやり取りしました。
ギモンの部分も思い切って質問してみました。
私の下手な中国語には目をつぶってください。
やり取りを簡単に翻訳しますと・・・
私:英語や中国語で感想を言うことはできないんですが、一番印象深かったのが、高校の歴史の授業の場面です。ああいう授業はマレーシアでは普通なんですか?
監督:普通じゃないです。りん先生の教え方は特別です。
私:ありがとうございます。では、監督はあのような授業は監督の経験ですか?それとも完全な創作ですか?
監督:創作です。昔先生たちがああいう風に授業してくれたらと思っていました。
私:よくわかります。私も林先生の歴史の授業受けてみたいです。
監督:^^
私:もう一つ質問があるのですが…抗議行動する人たちのアジトでホイリンが子供時代の彼女(と私は感じましたが)抱きあって、上から燃えた紙がひらひら落ちてくる場面ですが、あれは何を表しているのでしょうか?マレーシアの歴史に何かそういう事件などがあったのでしょうか?私完全に間違った理解をしてるかもしれません。すみません。
監督:あれは、夢もしくは記憶です。ホイリンもミンも二人とも同様に夢と記憶の中で生きています。ああいった夢は彼らの心境を表しているのでしょう。
私:わかりました。あれは具体的な事件を表しているのではなく、心境の表現なのですね。ありがとうございました。
監督:いえいえ、質問ありがとう。