今日は気合を入れて、休みを取って六本木へ。
『ONCE~ダブリンの街角で』(アイルランド)
この映画祭期間中一回しか上映が無く、一番見たかった作品。
(でも、あとから、来月シネアミューズなどで一般公開が決定していると知りました)
1800万円の予算と17日の撮影期間で作った映画だそう。
感想は・・・
期待を裏切りませんでした。
「小品」ですが、いいものはいい。
音楽って、理屈抜きに人の心に触れるものだという事が描かれています。
嬉しい事に、上演後、主役の二人によるライブもあり、
映画と同じギター(ぼろぼろ!)での生演奏を聞く事が出来ました。
映画の中の登場人物の後日談と思って聴くと、実に愉快。
(あの二人がその後成功して東京へ来て演奏している・・・)
↑
ぼろぼろのギター
これは、グレン・ハンサード本人の18年来の愛用品なのだとか。
日本製らしく、「やっと里帰りできた」と話していました。
ライブの模様の動画
http://www.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=373
来月から公開されますので、音楽好きな方、お勧めいたします。
『海辺の一日』(台湾)
エドワード・ヤン追悼
長い映画でした・・・・
疲れた。
でも飽きなかったけど。
エドワード・ヤンという監督の作品は、ビデオでしか見たことがありません。
確か「助ン嶺街少年殺人事件」だったと思います。
ビデオで2本あり、その長さのため最後まで見終わる事が出来なかった覚えがあります。
その経験のため、人気も高く、評価も高いのは知っていましたけど、あまり自分からは見ようとはしてこなかったのです。
今回は、好きな女優さんであるシルビア・チャンが主演しているという事と、大きなスクリーンで見る機会はあまりないだろうという事で、見てみようという気持ちになったのです。
映画館と言う箱に押し込まれてみると、楽しめる映画でした。
家で、DVDとかで見ると、途中で逃げたくなってしまうかもしれませんが。
映画やクラシック音楽や能楽やそのほかいろいろ芸術・文芸のなかには、今の自分の生活とあまりにもテンポが違いすぎて、日常を切り離した環境に身を置いて初めて堪能できる類のものがあると思います。
今回の映画祭の作品たちはそういうものが多いと感じています。
そして、そういう、日常を切りなすことで味わえる芸術を自分が必要としているという事も、うすうす感じ始めました。
今までは、日常のほかに「娯楽」があれば、十分エネルギー一杯で日々を送る事が出来てきたと思いますが、最近、それだけでは、貯金がそこをついたようなそんな感覚があるのです。
夏目漱石を読んでみるのも、
こういう映画を見てみようと思うようになったのも
そんな理由からかもしれません。
形には見えないけれども、そういう体験が私のなかに 「何か」 を蓄積していってくれるような気がします。
映画の中に「ある謎」が提示されます。
主人公の女性(シルビア・チャン)の夫が、3年前に海辺で自殺したのかどうか、自殺では事故なのか、それとも仕組まれた狂言で、本当は失踪なのか・・・・
結局最後まで分かりません。
映画を見終わったときには、その謎に気が行ってしまっていたため、解決しないのが不満でした。
でも2日くらい経ってみると、やはりそんな事はどうでもいいような気になってきます。
進行役(主人公の回想を聞く友人)が言ったとおり
主人公にとって、夫が死んでいても失踪していても、どちらであっても彼女にとっては同じ意味を持っていた。その日を境に彼女が変わって行った、大人になった・・・
ということが、とても良く納得できるようになりました。
呉念真インタビュー
http://www.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=246
1983年の映画です。
台北の街になじみのランドマークが出てきません。
日本家屋が普通に登場します。
父親の事は「オトウサン」と呼び、母親の事は「カーチャン」と呼びます。
ナゼ?
お父さんとお母さんは日本式の浴衣を着てやすみます。
主人公は日本人から生け花を習う優雅な専業主婦をやっています。