翌朝、ユウは起きると、さっそく縄張りの点検に出かけました。
サクラの木の6本目までくると、やはりフーに出会いました。
「今日から、お前の縄張りは5本目までだ」
フーは、居丈高に言いました。
ユウは「待ってました」とばかりに反論します。
「いくらボスネコでも、勝手に縄張りを決めるなんてひどいじゃないか! 僕は、そんなこと認めないよ」
そんなユウに向かって、フーが怒鳴りつけるように言いました。
「3丁目のララの息子が大きくなったから、縄張りの振り分けをしてるんだ! 先週、お前の住んでいる公園でネコ会議をしたときに確認しただろ!」
ユウは、何も言えなくなってしまいました。フーに、こう言われてネコ会議のことを思い出したからです。
ユウは、しょぼんとしたまま、その場を後にしました。
落ち込んだまま、しばらく歩くと、今度はレイに出会いました。やっぱりとっても落ち込んでいるようです。
ユウは「ここぞ」とばかりに、話しかけました。
「レイ、落ち込んでいるようだけど、どうしたんだい?」
レイは、ちらっとユウを見ましたが、何も答えません。
「ねえ、何かあったんなら話してごらんよ」
レイは、今度はユウを睨みつけると、「ふんっ」というように足早に立ち去ってしまいました。そんなレイの後姿を呆然と眺めていると、レイと仲良しのミーが現れて言いました。
「レイは、風邪をひいてしまって、ひどい声になってるの。彼女、自分の声がとっても好きだからひどい声をだれにも聞かれたくなかったよ。まあ、悪く思わないであげてね」
ミーはそういうと、レイの後を追うように同じ方向に去っていきました。
(つづく)
サクラの木の6本目までくると、やはりフーに出会いました。
「今日から、お前の縄張りは5本目までだ」
フーは、居丈高に言いました。
ユウは「待ってました」とばかりに反論します。
「いくらボスネコでも、勝手に縄張りを決めるなんてひどいじゃないか! 僕は、そんなこと認めないよ」
そんなユウに向かって、フーが怒鳴りつけるように言いました。
「3丁目のララの息子が大きくなったから、縄張りの振り分けをしてるんだ! 先週、お前の住んでいる公園でネコ会議をしたときに確認しただろ!」
ユウは、何も言えなくなってしまいました。フーに、こう言われてネコ会議のことを思い出したからです。
ユウは、しょぼんとしたまま、その場を後にしました。
落ち込んだまま、しばらく歩くと、今度はレイに出会いました。やっぱりとっても落ち込んでいるようです。
ユウは「ここぞ」とばかりに、話しかけました。
「レイ、落ち込んでいるようだけど、どうしたんだい?」
レイは、ちらっとユウを見ましたが、何も答えません。
「ねえ、何かあったんなら話してごらんよ」
レイは、今度はユウを睨みつけると、「ふんっ」というように足早に立ち去ってしまいました。そんなレイの後姿を呆然と眺めていると、レイと仲良しのミーが現れて言いました。
「レイは、風邪をひいてしまって、ひどい声になってるの。彼女、自分の声がとっても好きだからひどい声をだれにも聞かれたくなかったよ。まあ、悪く思わないであげてね」
ミーはそういうと、レイの後を追うように同じ方向に去っていきました。
(つづく)