愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

後悔ねこ・ユウ3

2006年06月28日 | ネコの寓話
 もう一度『今日』を体験したのに、結局、後悔ばかり。ユウは、公園の芝生の上に、あきらめたようにごろんと横になって、大きくため息をつきました。すると、また、どこからともなくタビが現れて言いました。
「もう一度、体験した『今日』はどうだった?」
「ダメだったよ。結局、後悔することばっかりだ」
 ユウは、そういうと大きなため息をついて、ごろんと横になりました。
 そんな、ユウを見てタビがいいました。
「人間のことわざに『後悔先に立たず』っていうのがあるよ。済んでしまったことをあれこれ考えるよりも、これからどうしたらいいかを考えてごらん」
 タビは、そういうとぴょんと跳ね上がるようにその場を立ち去りました。
 ユウは、タビが去った後も、タビがいた場所をじっと眺めながら、一所懸命に考えました。そして、明日、もう一度、フーとレイに会おうと決めました。
 翌日、まず、フーに会って言いました。
「フー、昨日はごめんよ。僕、猫会議のことすっかり忘れていて…」
 フーは、バツが悪そうに苦笑しながら言いました。
「いや、俺もちょっときつくいい過ぎた。すまなかったよ」
 次ぎに、レイに会って言いました。
「レイ、昨日はごめんよ。君が風邪をひいていることを知らなかったんだ。もう大丈夫かい?」
 レイは、決まりが悪そうに照れ笑いを浮かべながら言いました。
「ありがとう。もう大丈夫よ。私もひどい態度だったわ。ごめんなさいね」
 少しずつ、ユウのまわりの空気がふんわりとやさしくなっているようです。
 タビは、その様子を大きな木の上からのーんびり眺めていました。
(おわり)

作者たっちーから:後悔と反省は別のものです。真摯に反省して、誠実に対応することを心がけて実践していく人の回りは、ふんわりとしたやさしい空気に包まれていくはずです。
コメント (3)
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