雨引観音に関心を持ったのは、柏市塚崎の真言宗豊山派の寺寿量院で戴いた「豊山宝暦」に「3月1日茨城雨引観音河津桜祭り~31」と書かれていたからだ。深山幽谷の地というべき立地に堂宇を連ね、河津桜も所々に彩を添えて見事だった。写真を100以上撮ったが不注意で消してしまった。どれだけ情景が伝えられるか心もとないが、写真なしで印象を記してみたい。
自宅から筑波経由で車で連れて行ってもらったのだが、国道6号から408号に、つくば北条の交差点から県道に入り、筑波山を右手に見て眞壁の町をどんどん北に進み、しばらく進んだところで右手の山道に入った。後で地図で調べてみると、そこは加波山(709m)の北、日光いろは坂といっては大げさだが、曲がりくねった山道をかなり登ってきた。雨引山の中腹に建ち天引観音を祀る雨引山阿弥陀院楽法寺(真言宗豊山派)がここにあった。創立が用明天皇2年(587)というからすごい。
車で仁王門近くの駐車場まで来てしまったので、山裾から仁王門への145段の大石段には気づかず、横手から境内に入った。それでも寺をめぐる立派な石垣は目についた。文政年間(1818~1830)幕府の下賜金で築いたそうだ。樹齢千年を超える椎の大木もあり霊気を醸し出している。
境内には一羽の孔雀がいた。参詣客のカメラに囲まれ悠々と羽を広げている。一度開くと次までは相当の間隔がある。羽を広げていたらすぐカメラに収めることだ。この孔雀の存在は満開の神津桜に匹敵するものがある。境内からの景観の第一は、筑波山の裾野から広がる関東平野の大パノラマだ。かって筑波山山頂から眺めたことがあるが、その感動を思い出した。堂宇は、入母屋造本瓦葺の観音堂(宝永7年・1710)三重塔、など歴史が感じられる趣のある建物が並ぶ。お土産屋には江戸時代の絵馬がいくつも掛けてあった。山を登っていくと夥しい数の水子地蔵があった。これは、近年のものだ。
”百聞は一見に如かず”というが、折角撮った写真を不注意で全部消してしまったのは返す返すも悔しい。
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