雨曇子日記

エイティライフの数々です

湯ぶねに一ぱい

2018-04-20 17:45:11 | 大歩危トラベル

 

                           湯ぶねに一ぱい

湯ぶねに一ぱい

湯は

しずかに満ちこぼれてゐる

 

 

爪さきからそろそろと私がはいれば

ざあっとひとしきり溢れさわいで

またもとの湯ぶねに一ぱい 一

 

 

かすかに湧き出る地中の湯は

肩をこえて

なめらかに岩角から流れ落ちる

 

 

湧いてはながれ

湧いてはながれ

しずまり返った山間の午後

私は止め度もなく湧いて流れる

温泉に身をとろかして

心のこゑをきく

 

 

止め度なく湧いてくるのは地中の泉か

こころのひびきか

しづかにして力強いもの

平明にして奥深いもの

人知れず常にこんこんと湧き出るもの

ああ湧き出るもの

声なくして湧き出でるもの

 

 

止め度なく湧き出でるもの

すべての人人をひたして

すべての人人を再び新鮮ならしめるもの

しずかに、しずかに

満ちこぼれ

流れ落ちるもの

まことの力にあふれるもの

               高村光太郎

 

 

岳温泉 あだたらの宿 扇や の内湯脱衣室にあった高村光太郎の詩です。

 

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
魅せられた詩文 (谷氏)
2018-04-21 11:45:19
雨曇子さまの素敵な文章かと思い、
魅せられて読んでいきました。
高村光太郎が出てきて、安達太良は高村でしたね。
この旅館、ネットで拝見しました。
風情のある高級旅館ですね。
さぞお高かったのでしょう。

昨日、鎌スタは清宮デーでした。
2本のホームランが強調されていますが、
3点リードされている9回裏、無死満塁で、
清宮君の打席になりました。
一発出れば「逆転満塁サヨナラホームラン」です。
粘っていたが、結局、pーゴロのゲッツーでした。
ここで一発出ていれば、
一軍ベンチ入りに豪華なお土産を持って行けた。
スポーツ紙の1面大見出しになった。
返信する
re 谷氏 (雨曇子)
2018-04-21 20:58:43
私たちは「宵待ち草」という部屋に案内されました。
一室ですが TV が2台あり、鍵も2つ渡され、個人行動ができました。
宿泊料単価は二食付きで、 15, 120 円です。
施設はやや年季が入っていて、高級旅館とは言い難いですが、清潔で、スタッフの方が誠意をもって対応して下さり好感が持てました。
私は、特に内湯が気に入り、脱衣室に高村光太郎の詩が掲示してあったのでそれを利用して blog を作ってみました。

鎌ヶ谷情報もありがとうございます。
清宮くん、次の楽天戦まで鎌ヶ谷にいて欲しいんですけど、どうも一軍に行ってしまいそうですね。
返信する

コメントを投稿