加須市の古刹といえば関東 3 大不動の一つ総願寺です。
関東 3 大不動とは、まず、成田山新勝寺、高幡不動尊金剛寺、ここまでは異存のないところですが、3 番目は 3 つの候補があり、一つは埼玉県加須市不動ヶ丘不動尊 総願寺、または、埼玉県飯能市 高山不動尊常楽寺、または、神奈川県伊勢原市 雨降山大山寺、と、それぞれの寺が名のりをあげています。
ともかく、うどん屋さんの角を曲がって人気のない参道を進み総願寺に来ました。
金色の仁王門は、朱色だったものを平成の改修で塗り替えたのだそうです。
仁王門の奥に不動堂があります。
この総願寺にはどのような由来があるのでしょう。
私がネットで調べたところによると、次のようです。
仁和 2 年( 886 )光孝天皇が重い病にかかり、弘法大師の姪の子にあたる円珍(智証大師)が不動明王を彫って祈願したところ病は平癒しました。以後、この不動明王像は大切に保管されていましたが、あるとき護衛の役人が武州吉見へもって帰ってしまいました。その後大洪水が起こって不動尊像は流され加須の地に漂着しました。
さらに時代が下って、元和 2 年( 1616 )高野山の僧 総願上人がこの地を訪れた時、不動明王のことを知り、この地「丘村」を「不動ヶ丘」と変え総願寺を建立し不動明王を祀りました。
現在の不動堂は、天保 15 年( 1844 )龍蔵寺を建てた羽生市の宮大工 7 代目の三村正利さんによるものです。入母屋造り、桁行 5 間梁間 5 間銅板葺きです。
こちらは本堂で、これも三村さんの手になるものです。
(鎌倉時代の板碑)
総願寺の門前に、「五家宝」という素朴なきな粉菓子を売る店があります。
(店の天井の装飾)
参道はかっての繁昌をしのばせます。
街中を流れる「会の川」の立派な石橋が、かってのこの地の繁栄ぶりを偲ばせます。