金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

川西での「器再楽」の様子

2021-03-14 13:55:28 | 金繕い教室「器再楽」

先日の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子です。

 
参加者は8名でした。

 

いつものように、最初にこの日に繕う品物を出してもらって。

 

前回金の消粉を蒔いた物の仕上がりを見せてもらいました。

金彩を施した器にはやはり金がよく似合いますね。

 

この日から、漆を施す作業を早めにすることに。

少し漆を乾かす時間を作るためです。

 

このお皿は練りこみで模様が入っていていい品物なので、このあと金の消粉を蒔くことにしました。

 

漆の処理が終わりました。

 

次はひび(にゅう)が入った箇所の手入れです。

 

トーチを使って熱くして。

 

接着剤を浸み込ませます。

 

それから、前回までに修復した部分の手入れです。

ルーターが便利です。

 

そして、艶黒漆を塗った箇所に錫粉を蒔く作業です。

沢山あります。

 

この日こんな品物も。

丹波焼の片口です。

注ぎ口が欠けてしまっています。

 

この修復には、形を決めたいので、すぐに硬化するアラルダイトのラピッドを使いました。

その仕上げの整形は次回ですね。

とても軽くていいものですが、壊れやすいですね。

裏側の刻印を見て、帰宅後に窯元さんを調べました。

㋝窯の大上雅司(まさじ)さんの作品でした。

私より一年だけ年下の方のようです。

この日もあっという間に3時間近くが過ぎてしまいましたね。


繕いのやり直し依頼 その4

2021-03-13 10:41:20 | 磁器の繕い例

マグカップの繕い、最終です。

 
丁寧な仕上げをしたいので、艶黒漆が乾燥した後、4000番の水ペーパーで処理して。

 

次は弁柄漆、これも強力タイプで。

内側から。

そして、外側です。
 

しばらく置いたのち、今回は銀の消粉を蒔くことにしました。

前回は錫粉でしたが、本格的な繕いなので。

 

この後、しっかりと漆を乾燥させて。

二日後です。ラインを整えて。

でも、ほとんどその必要はないようですね。

仕上がりです。


繕いのやり直し依頼 その3

2021-03-12 10:59:57 | 陶器の繕い例
マグカップの繕いの続きです。
 
生漆をひびの部分にしみこませる方法を3回繰り返して、こんな具合です。
漆のきれいなラインが内側にも入っています。
 
上出来かな。

次は、漆がはがれやすい磁器ですので、ミニルーターで傷をつける処理を施します。

そして、注文していた新しい漆も京都の鹿田漆店さんから届いて。

強力ガラス漆の3種類です。
初めて使います。
ついでに仕上げの磨き用のトクサも送っていただいて。
 

先ずは、艶黒漆の処理です。

内側の線引きは難しいですね。

少し太くなってしまいますね。

この後、また漆の乾燥です。

本格的な手法、とても時間がかかりますね。

 

続く。


繕いのやり直し依頼 その2

2021-03-11 10:20:32 | 磁器の繕い例
繕いのやり直し、生漆をテレピンで少し薄めたものを浸透せる作業が続きます。
漆を乾かさないといけないので、日にちがかかります。
 
乾いてから少しカッターナイフで手入れをして。
 

2回目の生漆の処理です。

内側から外側へ。

塗った後、余分な漆はすぐにふき取って。

そして、また、二日後に3回目の処理です。

続く。


繕いのやり直し依頼 その1

2021-03-10 11:04:34 | 磁器の繕い例

繕いの再依頼です。

 
マグカップです。
接着剤で修復した後、漆を塗って、錫粉を蒔いたものなんですが、こんな風に蒔いた錫がはがれて。
水漏れもしだして。
 
大阪から自転車で持参されます。
お母さんが毎日のように愛用している品物とのこと。
高温で使うので、良くなかったのかなと息子さん。
磁器物は、漆がはがれやすいので少し難しいのですが。
 

これまで接着剤を信頼していたのですが、こんなことは初めてです。

それで、最近ベースから漆を使う本格的な繕い方法も気になっていましたので、早速、時間がとてもかかりますが、やり方を変えてスタートです。

 

先ずは、繕い部分をきれいにして。

 
そして、接着は生漆をテレピンで少しだけ薄めたものをひびの入った部分にしみこませる作業で。
 

内側からも。

そして、こんな風にゴムバンドも使って、しっかりと固定して。

漆が乾くまで、湿気のあるボックスに入れて、暖かな床暖房の上において。

こんな風にスタートです。

この後も日にちを置いて、また生漆を浸透させる作業を続けます。

続く。