日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



4月にお引き渡しをしました「UKKO talo」にお邪魔させていただきました。

引っ越しされて3ヶ月弱。
とても雰囲気良く、クライアントと建築が馴染んでいました。

家づくりは引き渡しが終わりではありません。

実際に生活をし始めて、そこから建築と人が馴染み、お互い成長していく・・・
引き渡しは建築の誕生であって、その先の成長も家づくりのひとつです。

つまり、家づくりは終わりがないんですよね。

年々、廃れていくのではなく、雰囲気良く歳を重ねる感じ。
眉間にシワのある人よりも笑い皺の多い人の方が素敵ですよね。
それと同じで、建築にもたくさん笑い皺を刻んでいただきたいです。

「UKKO talo」もまだまだ生まれたばかり。
この先何十年もクライアントとともに成長する姿を見ることがとても楽しみです。

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先日放送された「有吉ゼミ」にて紹介された「metis」。
坂上忍さんの自邸に採用いただくのは階段下収納となりました。

バラエティ番組だったので、問い合わせなど無いかと思っていたのですが、さにあらず。

この階段下収納の問い合わせが多く、少し驚いています。

階段も4段目くらいになると、下に少し高さのある空間がとれるようになるため、納戸の一部として利用できたりするのですが、3段目くらいまでは高さもないため、あまり有効利用できません。
そこで、階段の踏み面(段板)が開くようにし、その中に小物などを仕舞える収納を設けることが多いんです。
玄関近くに設けることが多いため、スリッパやわんちゃんの散歩グッズなどを収納できますよね。

工事もそれほど大変な工事ではなく、金額も大した金額にはなりません。

デッドスペースになってしまう空間をちょっとした工夫でうまく利用すること。
限られた条件の中で、ゆとりある空間、質の高い空間を誕生させるためには、このような小さな工夫の積み重ねも非常に重要な要素となりますね。

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都心で家づくりを行う場合、周辺環境に恵まれているケースは稀です。
多くは隣接して住宅が建ち、美しい眺望などはあまり望めません。

これらの環境の中でいかに住まいの中に美しい光を取り入れるか。
一瞬の光でも良いんです。
日常生活にほんの少しで良いから、豊かさをもたらす光。
その光を何度もシミュレーションし、開口(窓)を設けていきます。

頭の中で幾度となく味わった光・・・工事が始まると、少しずつその光も現実のものとなります。
今日も野毛山Mハウスの現場に行くと、それらの光の鼓動がはじまっている姿を見ることができました。

この光によって人が何を感じるのか?
それはその光を経験した人にしかわかりません。
ただ、その光を象徴的に人に知らせることにより、新たな経験、そして感動が生まれます。

この光の仕掛け、他にも多くの仕掛けを空間の中に設け、さまざまな経験と感動を長い年月かけて味わっていただくことが良い住まいのひとつの条件だと思います。

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「まだ土地が見つかっていないんですけど、家の相談したくて・・・」

このような土地探しからご相談いただくケースはとても多いです。
新たに土地を購入されて新築を考えている方のうち、6割程度は土地購入前にご相談頂きます。

一般の方ではなかなか気がつきにくい盲点、さらに法的な縛りなどを事前に確認した上で、良い建物が建つのかどうか?
これらを把握し、納得して土地購入できるのは安心ですよね。
また、土地と建物を合わせたトータルの予算面などにおいても役立てるケースがあります。

たとえば写真のNUKUTOY house。

この住まい、下の写真のように土地販売時には道路面と2mの高低差がありました。

不動産屋曰く、
「ここに駐車スペース1台分と外階段、擁壁を付けて平地にしてからの販売ですから、土地代プラス500万円です」
と。

500万円・・・結構な額です。

ここで不動産屋と交渉。
現状のままで良いから500万円下げて売ってほしいと。
そして交渉成立です。

擁壁を作らない代わりに、高基礎(基礎の立ち上がりを高くする)にし、建物全体で土圧を受けるよう設計しました。
これによりコスト削減になるほか、擁壁があった場合に受ける建物の位置や面積に対する制約も排除することができ、より自由度の高い設計が可能になります。(高基礎部を利用し、充実した床下収納も実現)
一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなりますね。

また、別な下の写真。

これは古井戸を埋めた跡です。
不動産屋によっては、きちんとお知らせしてくれないケースも多いようです。
建て主が古井戸に対してどう考えるか?によって、大きく建物プランに影響が出るのですが、購入されてから古井戸があることに気付くと、結構厄介だったりします。

これらのリスクを軽減させ、なおかつ安く土地を購入できる可能性もあるので、土地探しから建築家を起用することはオススメですね。

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軽井沢の別荘にガレージ棟を建てたい、というクルマ好きの方からのご相談で、ひさしぶりに軽井沢を訪れました。
現代のクルマから旧車まで多数所有されている方なので、普段は仕事にあまり乗っていかない愛車ジュリアスーパーで。
東京から合流し、150キロほどのツーリング。

初夏の軽井沢も気持ち良く、仕事なのか遊びなのか・・・とにかく心地よい時を過ごさせていただきました。

会話も仕事の話はほどほどに、ほとんどがクルマ談義。
ただ、その雑談の中にも設計のヒントが多数散りばめられています。

とくに旧車やスーパーカーなどと呼ばれるクルマたちは空間のあり方もさまざま。
オーナーがどのようにクルマと接しているか(メンテナンスはご自身でされるのか?など)も重要な要素となります。
クルマ自身もどの国のクルマか(気候なども影響)、製造された当時の経済背景は、個体の歴史、カスタマイズ(チューニング)の具合なども空間に影響を及ぼすので、必然的にガレージの設計となると、話題は多岐に登ります。

設計する本人もクルマ好きでないと、なかなか聞けませんよね(笑)

建築家選びでは、作品性もさることながら、苦なくコミュニケーションとれる人と一緒に家づくりすることも非常に重要なポイントです。
その観点からすると、共通の趣味から始まる空間づくりの依頼が多いことも頷けますね。

しかし話題の脱線はほどほどにしなくては(笑)

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