日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



N houseの概算見積が3社の施工会社の相見積によって始まりました。

N houseは1000万円台の家。
つまり予算が2000万円未満です。

建築家に住宅を依頼する場合、予算が・・・と考えられる方も少なくないと思われますが、さにあらず。
我々の事務所では現在casa GAFUを含め、2棟の1000万円台の家が進んでおります。

団塊ジュニアの世代が都内で家作りを行おうとすると、ローンを組んで土地を購入し、上物にかけられるお金は自ずと限られてきてしまいます。
しかしここで夢を諦めてしまうのはまだ早い。

確かに潤沢な予算のある建築と比べれば、設計方法は異なりますが、質の高い空間を創り出す方法はあります。
このノウハウを利用し、より多くの方に良質な空間で生活を送っていただければと・・・。

現場が始まりましたら、またブログにて経過報告させていただきたいと思います。

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模型を運ぶ梱包用の箱、こんなところにもこだわりたいですよね。
もちろんお金をかける訳にもいかないので、廃材を利用しつつ、ちょっと愛着の湧く、なおかつ、中の模型に対して期待感高まるような持ち運び用の箱。
直接建築の仕事とは関係のない部分なのですが、モノ作りとしては妥協できる箇所はありません。
そして、それらの積み重ねが質の高い空間へと繋がるのだろうと。

小さな喜びかもしれませんが、その小さな喜びを感じることのできる人でないと大きな幸せを感じることはできないと思います。
建築を通して・・・その他の小さな喜びも大げさに喜べるような空間作りを心がけたいですね。

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少し前になりますが、日本建築家協会の方へ寄稿させていただいた原稿があります。
新人会員の抱負について語ったもので、会報内での紹介でした。
より多くの方に読んでいただき、建築に対する姿勢をご紹介できればと思い、ブログにも載せてみます。


高次元領域へ

丹下健三氏の作品の1つである「東京カテドラル聖マリア大聖堂」、この納骨堂に祖父が眠っています。
祖父が他界したのは私がまだ幼稚園に通っていた頃。大聖堂の厳粛な空間に、優しく包み込むような光がトップライトからふりそそぐのが印象的でした。おそらくこの時が建築との出会いだったのではないかと。
あれから33年。
墓参りの度にこの建築を訪れます。物心ついた頃から存在し続けているこの建築は、どんなに時が経とうとも当時の感動が色あせる事無くいつも優しく包み込んでくれます。

人の心をゆさぶる建築。
これは三次元の構築だけでは非常に難しいように感じます。
竣工したばかりの建築に訪れ、誰と交わることもなく、外界からも遮蔽された場所で感動することがあるのでしょうか?
ライトが冬の家として過ごし様々なドラマが展開されたタリアセン・ウエスト、広大な太平洋に夕陽が辺りをオレンジ色に包み込みながら溶け込んでいったカーンのソーク生物化学研究所の中庭・・・私が経験した建築による感動、そこには時間軸が加わった四次元時空によってもたらされたものが多いです。
その建築の中での経験によって人は心をゆさぶられるのではないかと。

建築家という職能を考える時、人の心をゆさぶる空間、つまり三次元だけではなく、四次元時空をも創造するような空間作りを心がけ、やがてそれらの空間が文化を構築していくような、高次元領域を自ら創りだせるような建築を創出していきたいと思います。

(写真:ソーク生物化学研究所)

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新たに設計依頼をいただいた住宅「La Verita」。
二世帯住宅で、若夫婦は共に30代。

(訂正:奥様は20代でした!失礼いたしました!)

設計する上で色々なことをヒアリングするのですが、住宅の設計と直接関係のないことなどもヒアリングを行います。日常生活をする住宅の場合、いろいろなところに設計のヒントが隠されており、一見関係の無さそうなことが意外と重要な要素になったりします。

La Veritaのご夫婦の共通の趣味はダイビング。
シュノーケルは経験あるものの、ダイビングは未経験。
すると、

「筒井さん、一度一緒に行きましょうよ!」

と。

善は急げと言わんばかりに、瞬時に段取りしていただき、体験ダイビングなるものに行って参りました。

場所は伊豆の富戸にあるヨコバマ。

東京からわずか2時間ばかりの場所でダイビングしたって・・・といった思いが脳裏をよぎりつつも(笑)、いざ潜ってみるとびっくり。
色とりどりの南国なサカナたちが我が物顔で海中を泳いでいるんです!
中にはアジやヒラメ、カサゴといった和っぽいサカナもチラホラ。

途中、体験ダイビングではまず潜ることの無い富戸ホールと呼ばれる岩場の海中トンネル?にもチャレンジし、その幻想的な光景に時間も忘れてしまうほど。

とは言っても初のダイビングでそんなに余裕があるわけでもなく、最後はフラフラに。

しかし伊豆の海があんなに綺麗だったとは・・・
そして海中にあんな世界が広がっていたとは・・・

La Veritaの設計に影響が出るかはわかりませんが、自分の中であきらかに新たな空間の定義が生まれた気がします。
さすがにすぐ始められる気軽な趣味としては考えにくいですが、またチャンスがあれば潜ってみたいですね。

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構造計算書偽装事件がきっかけとなり改正された建築士法。
その改正内容のひとつである管理建築士講習を受講し、修了いたしました。

管理建築士とは建築士事務所を管理し、技術的な統括をする立場にある者です。
建築士事務所には必ず専任で1名在籍していなければならないものです。

ちなみにこの講習、朝9時半から始まり、夕方17時半までの丸一日の講習。
ご丁寧に最後には形式ばかりの修了テストまであります。
(落ちる人もいるらしいですが・・・)
講師陣は役人ばかりで、どうにもリアリティーに欠けてる気がしました。

講習内容は平成20年11月に施行された法であるため、特に目新しいものもなかったのですが、気になったのは小学校の道徳並みのモラルについて。
建築士に限ったことではないと思うのですが、これらを法の一文に加えてしまうこと自体、何か社会に問題があるような気がしてしまいます。

せっかく時間とお金をかけて受ける講習なので、もう少し管理建築士としての職能に特化した形の講習であっても良いかと思うのですが。
任意であっても受講者が多いような、魅力ある講習にしていただきたいものですね。

(修了証の写真:筒井潤が本名です)

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