【ふもとの駅弁 元気甲斐】(小淵沢駅)
2022.9.7投稿
2018年(平成30年)6月26日 小淵沢駅で購入 価格1,600円
[製造元](株)丸政

八ヶ岳をバックに鉄橋を渡る列車から「ヤッホー」と叫ぶ絵が描かれているイラストは村上春樹作品の装丁などで知られる安西水丸さんの作品。
「ふもとの駅弁・元気甲斐」の名付け親は、コピーライターの岩永嘉弘さん。
『元気甲斐』は、黒沢 明監督の映画『乱』のタイトル文字で知られる書家の今井凌雪さんの書。
掛紙のデザインは、資生堂のデザイナーとして知られる太田和彦さんがまとめたそうです。

紐をほどいて掛け紙を外すと、懐かしい経木の折が2段現れます。



左が一の重。
御飯は朴葉で包まれた、胡桃と鶏挽肉の入った薄味の胡桃御飯です。
おかずは小さい仕切りの上から、蓮根の金平とセロリーの粕漬、山女の甲州煮、蕗と椎茸と人参の旨煮と蒟蒻の味噌煮、カリフラワーのレモン酢漬と紫萁と揚げの胡麻酢合え。
右は二の重。
御飯は、銀杏・蓮根入りの栗と占地のおこわです。
おかずは、竹串に刺した鶏の柚子味噌合え、アスパラの豚肉巻き、公魚の南蛮漬、山牛蒡の味噌漬、沢庵。

「蓮根の金平とセロリーの粕漬」。蓮根の金平は薄味の唐辛子がきいた味付けです。セロリーは香りのいいさっぱりとしたものです。
「山女の甲州煮」。山女と干しぶどうの甘露煮のような感じです。
「蕗と椎茸と人参の旨煮と蒟蒻の味噌煮」。薄口なので素材の味が楽しめます。
「カリフラワーのレモン酢漬と紫萁と揚げの胡麻酢合え」。カリフラワーのレモン酢漬は、酸っぱさの中に爽やかさを感じます。
「栗と占地ののおこわ-銀杏、蓮根入り-」。おこわですが、あっさりしているので見た目程ボリューム感がありません。上に載っているほんのり甘めの栗、シメジも控えめの味です。
「アスパラの豚肉巻き」。肉も柔らかく、アスパラと一体感のある味がしっかり染みたものです。
「鶏の柚子味噌合え」。甘味のある少し濃いめの味付けのものが竹串に刺してあります。
「公魚のの南蛮漬」「山牛蒡の味噌漬」「沢庵」。箸休めに丁度良い量と味付けです。

1985年(昭和60年)に誕生した「ふもとの駅弁 元気甲斐」は、1984年(昭和59年)10月から1987年(昭和62年)3月までテレビ朝日系で放送さ「愛川欽也の探検レストラン」から生まれた駅弁です。
上段(一の重)は京都の銘亭「菊乃井」、下段(二の重)は東京の味処「吉左右」が番組で調整したもので、今も当時の作り方で駅弁にしています。
当時のポスター等が(株)丸政のホームページで公開されています。

『小海線・大糸線・越後線・飯山線の旅』の途中、小淵沢駅で購入しました。
この駅弁は、現在も1,780円で販売されています。

製造元の丸政は、1918年(大正7年)に中央本線富士見駅の構内立売業者として発足し、1929年(昭和4年)の小海線開通と共に中央本線と小海線の接続駅となった小淵沢に移転し、1944年(昭和19年)から殻弁当の販売を始めました。
1955年(昭和30年)に株式会社となってから駅弁の他、駅内外の売店、みやげ物店、食堂、仕出し弁当の製造・宅配などもおこなっています。
『高原野菜とカツの弁当』『元気甲斐』などが主力駅弁ですが、『駅弁味の陣』では次の駅弁が入賞しています。
『駅弁味の陣2014』初陣賞 『信州牛と松茸ごはん』 現在は終売のようです。

『駅弁味の陣2020』135周年記念賞 『そば屋の天むす(135周年記念パッケージ)』 現在は通常包装で780円で販売中。
『駅弁味の陣2021』駅弁大将軍 『ワインのめし』 1,500円で販売中。
