アサギマダラは渡りをする蝶として有名です。
「アサギマダラ 海を渡る蝶の謎」によると、アサギマダラは、5月前後に、種子島、喜界島、南大東島に多数飛んでいますが、夏にはその姿を完全に消します。20度前後の気温を好むから移動をするのではないかと思われます。
喜界島で毎年数千頭の蝶の翅にマークを記入し追跡しているそうですが、本州で多数が捕獲されると期待されるにもかかわらず、捕獲例はほとんどないそうです。ということは、大海原に飛び出したものの、本州にたどり着く確率はきわめて少ないということです。
九州以北では5月から現れ、やがて北上し、羽化した新しい世代に交代しながら盛夏には近畿から東北の1,000m級の山や高原に見られます。秋になると、山を下り、東海から四国の太平洋側をとおり、9月下旬以降に喜界島や南大東島、石垣島などに渡るものもありますが、本土で越冬する個体もあるようです。本土内での春から秋までの移動はかなり把握でき、秋の渡りのルートも少しずつ事例が積み重なっています。
アメリカ大陸ではオオカバマダラという渡りをする蝶が有名ですが、カナダ(五大湖辺り)の東部個体群は集団をなしてメキシコの一地点に移動し越冬します。
それに比べてみると、アサギマダラは喜界島や南大東島に多数繁殖しているのに、夏に涼を求めて本土に移動するという方法論がまだ定着していない発展途上の蝶のようにも思えてきます。いわば試行錯誤での移動?海を渡るルートや技術が未確立ということなのでしょうか。
その美しい姿といい、謎の生態といい、魅力の尽きない蝶です。
佐藤栄治・写真と文,“アサギマダラ 海を渡る蝶の謎”、山と渓谷社(2006)
「アサギマダラ 海を渡る蝶の謎」によると、アサギマダラは、5月前後に、種子島、喜界島、南大東島に多数飛んでいますが、夏にはその姿を完全に消します。20度前後の気温を好むから移動をするのではないかと思われます。
喜界島で毎年数千頭の蝶の翅にマークを記入し追跡しているそうですが、本州で多数が捕獲されると期待されるにもかかわらず、捕獲例はほとんどないそうです。ということは、大海原に飛び出したものの、本州にたどり着く確率はきわめて少ないということです。
九州以北では5月から現れ、やがて北上し、羽化した新しい世代に交代しながら盛夏には近畿から東北の1,000m級の山や高原に見られます。秋になると、山を下り、東海から四国の太平洋側をとおり、9月下旬以降に喜界島や南大東島、石垣島などに渡るものもありますが、本土で越冬する個体もあるようです。本土内での春から秋までの移動はかなり把握でき、秋の渡りのルートも少しずつ事例が積み重なっています。
アメリカ大陸ではオオカバマダラという渡りをする蝶が有名ですが、カナダ(五大湖辺り)の東部個体群は集団をなしてメキシコの一地点に移動し越冬します。
それに比べてみると、アサギマダラは喜界島や南大東島に多数繁殖しているのに、夏に涼を求めて本土に移動するという方法論がまだ定着していない発展途上の蝶のようにも思えてきます。いわば試行錯誤での移動?海を渡るルートや技術が未確立ということなのでしょうか。
その美しい姿といい、謎の生態といい、魅力の尽きない蝶です。
佐藤栄治・写真と文,“アサギマダラ 海を渡る蝶の謎”、山と渓谷社(2006)
湘南平でも越冬したアサギマダラがいるそうです。
残念ながら湘南平ではまだ見たことがないのですが。
種によっては、定住するのが存続に有利と考え、別の種によっては今後の環境変化も考えて危険を冒してでも海を渡ろうとしているのでしょうか。
アサギマダラはそれぞれの個体が何を思い、好き勝手な方向へ飛び立つのか、不思議です。それに引換え、オオカバマダラは、種の統一した行動様式が刷り込まれているのかもしれないですね。しかし、一網打尽の危険性を伴なう戦略ですね。
「アサギマダラ 海を渡る蝶の謎」の著者は、食草を植えたら自宅に産卵して羽化した、と書いていました。でも一般に知られない食草を手に入れるのは専門家でないと難しそうですね。