日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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放射性物質の測定──相模原衛生試験所

2012-08-05 | 町田市政・市議会のこと

 2012年7月24日、健康福祉常任委員会で神奈川県相模原市の保健・医療・福祉ついて行政視察をおこないました。

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 今回の視察は主に、(1)食品などの放射性物質の測定、(2)市民からの依頼による食品の放射性物質検査の2点について、相模原市の衛生試験所の方からお話をうかがい、施設を見せていただく内容でした。

(1)食品などの放射性物質の測定

 相模原市が、飲料水や食品などの放射性物質測定をおこなうことを決断したのは、東日本大震災・原発事故からわずか2週間というスピード(実際に検査機器が来たのは6月)。背景には、市営の簡易水道があることがあげられます。そのため、購入した機器は測定の精度が高い「ゲルマニウム半導体検出器」にしたという説明がありました。

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 ゲルマニウム半導体検出器は1255万8千円。メンテナンスに年間30万円、検査機器を冷却する液体窒素は月5万円などのランニングコストがかかるといいます。また、同じ条件で検査ができるように部屋の温度を一定に保っておく必要があり、エアコンは24時間稼働でした。

 検査機器が届くまでの間、簡易水道については青山学院大学と覚書を締結し、測定。同時に、衛生試験所では研修を兼ねて職員を同大学に派遣して測定方法などについて指導を仰いだことで、検査機器導入後はスムーズに検査をおこなうことができたそうです。

 2011年度に測定したものは、簡易水道水、市内産農林畜産物、給食用食材、一般廃棄物焼却施設の汚泥など666検体。学校給食は、事前検査(使用頻度が高い食品を抽出して実施。1週間で2検体)と事後検査(給食1食分)を実施しています。また、保育園(公立・法人にかかわりなく)の検査もおこなっています。検査結果は原則、ホームページで公開しています。2012年度からは、市内に流通する食品の抜き取り検査も開始したとうかがいました。

(2)市民からの依頼による食品の放射性物質検査

 市民から持ち込まれる食品について、2012年6月から測定を実施。条件は、市内に住所を有する方(事業者は除く)で、1検体500g以上を持ち込んで測定をおこなうといいます(飲料水、牛乳、乳幼児食品などは除く)。料金は無料。1検体あたり9450円で北里環境科学センターに委託しています。北里環境科学センターの簡易測定(NaIシンチレーション検出器)で測定をおこない、基準値の2分の1以上の数値が出た場合には、衛生試験所で確定検査(ゲルマニウム半導体検出器)で測定をおこなう流れです。

 これまでに77検体を測定し、確定検査をおこなったのは4検体。一日最大10検体としていますが、これまでに10検体以上の申し込みが来たことはないといいます。

 町田市でも、市民から請願が提出され市議会では採択されました。放射能の問題は、目に見えず、臭いもない。実態がどうなっているのか、科学的な検査をおこなえばわかることであり、不安の声にこたえてとりくみは重要です。相模原市のように自前の機器を持つこと、委託を出して無料で測定をおこなえるようにすることなど、多角的な検討をおこない実施することが望ましいと思います。

 相模原市には、簡易水道など独自の事情もあって原発事故から2週間というスピードで導入する決断がおこなわれました。導入に当たっての課題、導入後の課題はありますが、市民のいのちと健康を守る立場で行政が動くことは、最大の責務です。

┏┓池川友一|日本共産党町田市議会議員
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