(はじめに)
2014年5月13日から15日まで、町田市議会建設常任委員会で兵庫県神戸市、兵庫県朝来市、京都府京丹後市の3市にうかがい、町田市でも大きな課題となっている資源化施設や環境・ごみ行政、公共交通などについて視察をおこないました。
(兵庫県神戸市)
兵庫県神戸市は、政令指定都市であり人口150万人を超えます。神戸市が2011年2月に作成した「一般廃棄物処理基本計画」に基づくとりくみについてうかがわせていただきました。
神戸市のとりくみのテーマは「ごみ処理量をピーク時の半減以下に!」「『もったいない!』で築く循環型都市“こうべ”」となっています。そのための具体的とりくみについて、いくつか記していきたいと思います。
都市の歴史、まちの成り立ちなどを踏まえてとりくみをおこなうという点が重要な視点だと強調されていました。神戸市は、市制施行が1889年であり、その歩みの中からいまの政策につながっているといいます。また、農業生産は兵庫県の中で淡路島に次いで2番目となっています。また、阪神淡路大震災の被災地であり、ごみ行政もこうした社会的要因とは一体不可分です。
歴史的には1972年に「神戸ゴミ戦争の非常事態の宣言」をおこない、同年「人間環境都市宣言」をおこなっている。「宣言」は次のようなものである。
緑の山,青い空,紺碧の海。そして太陽の輝く町。
わたしたちの町「神戸」は,いついつまでもそんな町であってほしい。
たしかに,わたしたちが祖先から受けついだ神戸の町は素晴らしい町であつた。しかし,この町をとりまく空気や水,それは無限ではない。環境との調和に欠けた経済の発展と文明の進歩は,空や水をよごし,わたしたちの町を住みにくいものにしようとしている。
わたしたちは,神戸の町を,平和と安全が守られ,自然と文化の融合した最も人間性ゆたかな町にしたい。そしてそれを,わたしたちの子孫に引き継ぐべき義務がある。
1972年は,世界の環境元年といわれている。
この時にあたり,わたしたちは,あらゆる市民,市,事業者の総力を結集して,環境破壊の波を阻止し,わたしたちの共有財産である愛すべき郷土を「人間環境都市」として築き上げることを決意し,ここに神戸市民の名において宣言する。??
1972 年7月31日
この「宣言」がおこなわれたあとも、人口増やバブル経済などを通じて廃棄物の量はピークとなる2000年まで増加を続けていくが、「宣言」のもつ意味は非常に大きいと感じました。
同時に、地域に関わりなく、大量生産、大量消費、大量廃棄という時代から、循環型、自然共生、低炭素の社会への転換が強く求められていることはいうまでもありません。
「一般廃棄物処理基本計画」に基づき、おこなわれているとりくみは、ピーク時の2000年度と2012年度を比較するとゴミ処理量では一人1日あたり1710グラムから879グラムへ49%の減となっているます。資源化率は、一時急上昇したもののここ数年は横ばいとなっています。
特徴的なとりくみの一つが、ごみと資源分別徹底キャラクター「ワケトン」。ワケトンとは、きれい好きの豚をキャラクターとしたもので、神戸言葉で「わけている?」という意味もあるといいます。ワケトンなど6つのキャラクターを使いながら、目で見てわかる啓発をしています。「ワケトンエコショップ制度」もその一つだと思います。レジ袋の削減や簡易包装の推進など8項目のうち1項目でもとりくめば「ワケトンエコショップ」のステッカーを店頭に張り出すことができます。現在は15事業156店舗で、スーパーなどが中心だが、今後広げていく計画です。
また、神戸市の計画には、3Rではなく2Rが位置づけられている。2Rとは、リデュース(発生抑制)とリユース(再使用)です。これらを市民と事業所などに広げていき、地域性のあるとりくみを進めていく考えだといいます。
ごみ・資源化行政は、市役所のイニシアチブとともに市民との協働がなければ絶対にすすまない分野です。どのように協働を広げていくのかに知恵を絞ることが資源化やゴミ減量につながっていくと考えます。同時に、発生抑制を徹底しようと思えば拡大生産者責任をきちんと果たさせることが不可欠であり、ここがとりくみの肝だと思います。
神戸市のとりくみに学びながら、町田市でもとりくみを推進していきたいと思います。
(つづく)
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