(つづき)
(兵庫県朝来市)
兵庫県朝来市では、朝来市と養父市の2つの市でつくる一部事務組合、南但広域行政事務組合が運営する「南但クリーンセンター」を視察しました。
管理者である広瀬養父市長から歓迎のごあいさつをいただきました。中山間地域の魅力と困難、まちづくりの可能性について現在のとりくみの様子などをおうかがいしました。
この南但クリーンセンターは、町田市が2020年度に稼働をめざしている新しい資源化施設のうち、バイオマス設備を有している施設です。熱回収設備とバイオマス設備を合わせた高効率原燃料回収施設としては、全国に先駆けたものである。施設は、2013年4月から運転しています。
建設費は約72億円。うち、施設建設費は63億円。財源内訳は、循環型社会形成推進交付金が29・2億円、合併特例債が40・7億円、一般財源が2・2億円となっています。
南但クリーンセンターのバイオマス設備は、一般廃棄物の受け入れをおこなっており、破砕選別装置でゴミの選別をしたのち、熱回収とバイオマスに振り分けがおこなわれています。堆肥化については、発行残渣にプラスチック類が含まれておりむずかしく、全量焼却をおこなっています。
メタン発酵槽からの排水は、9割を水分調整用の希釈水として利用し、残りの1割は排水処理後焼却設備のガス冷却として全量再利用。施設の修繕や補修については、2年間は保証期間のため修繕費は発生していませんが、今後、年次計画を策定して補修等をおこなっていくが年間約1億円の費用が必要だと見込まれています。
周辺住民との協議については、具体的な協議事項を策定し、養父氏側の養父地区とは「公害防止協定」を締結、朝来市の糸井地区、大蔵地区とは「環境保全協定」を締結。
南但クリーンセンターを直接視察させていただき、次のような点について今後深めていかなければならないと感じた。順不同に記していくと、バイオマス施設を導入することによる環境負荷低減がどの程度なのか、42万を超える町田市で一般廃棄物処理の根幹として導入する意義はどこにあるのか、リデュース(発生抑制)を軸にしたとりくみをすすめることにどれだけ力点をおくことができるのか、大型生ごみ処理機導入を推進することとの整合性をどのようにはかるのか、全量焼却した場合とバイオマス処理をおこなった場合の財源問題はどうか、拡大生産者責任を明らかにする具体的とりくみをどうするのかなど多岐におよびます。
これ以外にも検証しなければならない問題はありますが、問題を考える際の重要な視点は町田市の現状から出発して考えていきたいと思います。
(京都府京丹後市)
京都府京丹後市では、上限200円バスについて視察をさせていただきました。この上限200円バスは,以前から高い関心を持っていたとりくみです。公共交通を機能させていくために大胆な一手を講じたことで、市民にも喜んでもらうことができ、利用者も増え、自治体の赤字補填も減少傾向にあり、注目すべき事業です。
車の保有率が高い過疎地域では、公共交通の理想と現実には大きなギャップがあることを、表現したのが次の文章です。
理想は「全国民(市民)がいつでも市内、市がいのどこへでもすぐに便利よく安くてわかりやすく安心して気軽に移動できる」ところが、現実は「一部の国民(市民)がたまに特定の知飲みへ時間をかけて不便で高くてわかりにくく不安を抱えてやっと移動できる」。
とりわけ、人が乗らないことでどんどん利用者が減り深刻な悪循環になっていきます。しかし、高齢化により車を手放さざる得ない状況がすすむことは間違いありません。
この上限200円バスの最大の売りは、読んで字のごとくどれだけ乗っても200円。これまで最大1150円だった運賃が200円になるため、かなりのインパクトをもって市民の人たちに浸透していったといいます。最初に実験的に始めた路線は、700円が最大料金でしたが、700円区間を2人乗せるよりも、200円でも7人乗ってもらうことの方が市民のみなさんに喜んでもらえるというコンセプトであり、空気を運んでいる状態から人を運んでいる状態への大きな転換をすすめていったといいます。
「失敗と書いて成長と読む」という言葉にあるように試行錯誤を通じてよりよいものに変えていこうという担当者の努力とそれを「責任は私がとる」と背中を押した直属の部長の存在がそれを支えたといいます。結果、乗車数は2倍以上となり、赤字補填分も減少の一途となりました。
徹底的にやったのが周知。「知っているだろう」ということではなく、認知度を高めていくような意識的とりくみが成否をわけたといっても過言ではありません。具体的なターゲットとして高校生の通学と高齢者の医療機関への移動手段の確保という位置づけをおこなったことで成功していることは学ぶべきことです。
これまで、医療と公共交通については問題意識を持ってきたが、今後さらなる高齢社会の中でいっそう必要性が増すことになります。そこにいかに的確に対応できるかが、国と自治体に課せられた役割ではないでしょうか。
京丹後市の上限200円バスは「計画づくり」より、とにかく実践あるのみですすめているといいます。200円というインパクトを重視するために、消費税8%への増税分は転嫁せず、10%増税の際にも上限200円バスを維持するとのこと。
自由な発想と確かな裏付け──京丹後市のとりくみから学ぶべき教訓であり、地域のポテンシャルを最大限に活用するための努力に見習いたいと思います。
(おわり)
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