「多摩格差」──この言葉を聞いたことがある方は、どんなものを思い浮かべるでしょうか。また、はじめてこの言葉を聞くかもしれません。
「多摩格差」は、かつて都政が23区と多摩地域で格差の解消が必要な8つの課題を決めたことに由来しています。具体的には、義務教育施設、公共下水道、保健所、図書館・市民集会施設などの解消が必要だと定義しました。ところが、石原都政は、「かなりの部分で解消」したと、多摩格差をなくすことが都政のとりくむ課題ではないとしてしまいました。
■多摩格差は厳然としてある。さらなる多摩格差も
では、多摩格差はなくなったのでしょうか。実際には、厳然とした格差が存在しています。例えば、18歳までの医療費無料化です。23区ではすべてでこの4月から18歳までの医療費は完全無料(所得制限と窓口負担なし)になっていますが、多摩26市は4市しかありません。
新型コロナで問われた保健所はどうでしょうか。23区は、削減されたものの1区1保健所があります。一方、多摩地域は7つの保健所(都管轄が5、八王子市、町田市)しかありません。1つの保健所で100万人を超える人口を担当する保健所もあります。
そのほかにも、学校のエアコン設置率、中学校給食の実施状況と方式、幼稚園の入園料補助など、枚挙にいとまがありません。
さらなる多摩格差という問題もあります。それは、学校給食費の無償化です。23区では、急速に拡大し、今後実施するところも含めて20区が踏み出していますが、多摩26市では狛江市が第3子の無償化を行なっているのみです。
■財政力が大きく違う
なぜ、こういう事態になるのでしょうか。端的に言えば財政力の違いがあります。2021年度の決算で比較すると、区市町村民税は3倍、固定資産税は4・5倍と税収だけでも大きな格差があります。さらに自治体の積立金残高も23区は市町村に比べて5倍の規模となっています。
■都政の役割が重要
こうした財政力の違いを踏まえ、多摩格差を解消することは都政の役割です。
市議時代なりますが、学校の普通教室や図工室などの特別教室のエアコン設置は、東京都が財政的な支援を行い、それを活用することで町田市では100%設置されました。
3期連続で躍進した日本共産党都議団が、くり返し多摩格差の解消を求める中で、市町村の財源を補完する市町村総合交付金を500億円(2017年度)から592億円(2023年度)へと大幅な増額。さらに市町村の下水道事業に対して、これまでわずか2・5%だった補助率を50%(国が補助する場合は25%)に大きく拡大しました。
都政が動けば市民の暮らしが良くなる──多摩格差の解消をすすめ、暮らしに役立つ都政に変えるため、みなさんと力を合わせて奮闘します。
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