都議会の決算特別委員会で行った質疑のうち、都民安全推進本部での質疑についてポスティングします。
都民安全推進本部で取り上げたのは、「東京都子供・若者計画」の進捗管理などについてです。
この計画は、子ども・若者育成支援推進法に基づき、都道府県計画として策定されています。
法律の目的には、「子ども・若者が次代の社会を担い、その健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであることにかんがみ、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども・若者をめぐる環境が悪化し、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者の問題が深刻な状況にあることを踏まえ」と明記されています。
憲法とともに子どもの権利条約の理念にのっとり作られているという点は、極めて重要です。
この計画を推進する一つが、子供・若者支援協議会です。
計画本文には、子供・若者支援協議会について、「本計画で掲げる理念を実現するため、関係部局等との連携・協力を密にし、総合的かつ着実な施策の推進を図ります。また、本計画の進捗状況を定期的に報告・点検し、様々な立場の支援機関の意見等を聴くことで、計画を推進する上での課題等を再検討し、施策の一層の推進を図ります」と書いていあります。
ところが、実態としては進捗状況を定期的に報告・点検がどこまで行われているかといえば、まともに行われていません。この点について、改善を行うように求めました。
もう一つ、重視したのが子ども・若者の参加です。
計画の範囲は広く、分野は多岐にわたっていますが、東京都の中で子ども・若者に着目した総合計画はこの計画の他にはありません。そうした意味で、子どもや若者の最善の利益に立って、この計画を生きたものにすることが必要です。
この点で、学ぶべき到達点があります。
それは、子どもの権利条約を地方自治体が実施するプロセスを示した「子どもにやさしいまちづくり──行動のための枠組み」です。この枠組みでは、9つの基本構造を示しています。
- 子どもの参画:子どもの意見を聞きながら、意思決定過程に加わるように積極的参加を促すこと。
- 子どもにやさしい法的枠組み:子どもの権利を遵守するように法制度的な枠組みと手続きを保障すること。
- 都市全体に子どもの権利を保障する施策:子どもの権利条例に基づき、子どもにやさしいまちの詳細な総合計画と行動計画を定めて実施すること。
- 子どもの権利部門または調整機構:子どもたちの将来を見据えて、地方自治体の中に優先すべきことを保障する永続的仕組みを構築すること。
- 子どもへの影響評価:子どもに関わる法律や施策、そして事業について実施前、実施中そして実施後に子どもへの影響を評価する制度化された手続きが保障されること。
- 子どもに関する予算:子どものために適当な資源と予算が使われているかが調査されることを保障すること。
- 子どもの報告書の定期的発行:子どもたちと子どもの権利についての実情について十分なモニタリングとデータ収集が保障されること。
- 子どもの権利の広報:大人や子どもの間に子どもの権利について気づくことを保障すること。
- 子どものための独自の活動:子どものオンブズマン、子どものコミッショナーなど、子どもの権利を促進するために活動しているNGOや独立した人権団体の支援をすること。
この枠組みから学ぶことが求められていると思います。
子どもや若者が直接参加する機会を作ることの認識を質問したところ「子ども・若者の意見や実態を踏まえ、子ども・若者に寄り添った支援を進めていくことが重要だと認識している」という答弁がありました。
当事者参加なくして、寄り添うことはできません。
次期の計画について、青少年問題協議会に諮問され、25日に第一回の総会が行われました。(追加→詳しくは原のり子都議のブログで)
ブログを更新しました。「東京都子ども・若者計画」の改定に向けて、第32期東京都青少年問題協議会第1回総会がありました。共産党から米倉春奈都議と私が委員に。当事者である子どもや若者の意見を聞くことを位置づける必要性などを強調しました。力を合わせてがんばります。https://t.co/XP9xio1u1M
— 原のり子 (@haranoriko0917) October 25, 2019
子どもの権利条約の視点で、徹底した子ども・若者の参加を行うことでより良い計画になるよう、当事者のみなさんとも力を合わせて奮闘します。
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