ドメスティックな価値観は世界進出の妨げ

箱根駅伝視聴率、歴代3位…往復平均28・5%(読売新聞) - goo ニュース

 今年の箱根駅伝は日体大が30年ぶりの総合優勝を果たし視聴率も歴代3位と
相変わらずの人気を誇っている。


 ただし問題なのが箱根駅伝の人気と反比例して日本マラソン界の地盤沈下が
深刻なものになっているという事で最近ようやく その弊害が指摘され始め、主催
している読売新聞でも12月に夕刊で連載された‘箱根への提言’というコーナー
で‘箱根駅伝をゴールにするのではなくスタートや通過点にしないといけない’と
いう関係者の意見が多くを占めたのは救われる思いだ。


 箱根駅伝症候群と同じような実例は他の競技にも存在した。

 たとえば日本のサッカーがW杯は おろか五輪にも出場できなかった80年代
まで一番観客やTVの視聴率が高かったのは高校サッカーで、高校サッカーの
決勝の方が元日の天皇杯決勝よりも観客が多いというのが当たり前だった。


 ただしJリーグがスタートすると決勝戦の観客数こそ以前より落ちるぐらいだが、
かつてほどの熱狂はないのが実情で、ある意味 健全な事だろうと思う。


 高校野球も昭和の頃のように国民行事として突出していた時代は日本人
メジャーリーガーなど夢のような感じだったが、珍しい事ではなくなった現在、
高校野球の熱狂ぶりは昭和時代ほどではない。


 高校野球や高校サッカーに大学ラグビー、箱根駅伝など決して日本最高
レベルではないものの人気があって熱狂するという事自体は悪くないが、そう
いうものに対する過度の熱狂は全体の競技レベルを引き下げてしまい世界との
距離が開いてしまう。


 つまり世界レベルに太刀打ちできないから国内のドメスティックな価値観の
レベルで盛り上がってしまうという ある意味‘現実逃避現象’だろう。


 ただし箱根駅伝や高校野球などで盛り上がるのは決して悪い事ではなく競技
人口の底辺拡大につながるという利点はあるし、日が差さない所に花は咲か
ないように熱狂し注目されない競技には人気は出ず競技人口も広まらない。


 最高の処方箋はプレーする選手やコーチに選手を輩出する学校関係者が
こういう大会をゴールとするのではなく、スタートとする意識を植え付けるのが
重要だし そういう雰囲気を作るのがマスコミの使命ではないだろうか。


 単なるドメスティックなヒーローを作るだけがマスコミの仕事ではないのだから。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
遅くなりましたが…… (ねくすと)
2013-01-06 22:57:11
明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!!
 
 
 
こちらこそ (こーじ)
2013-01-07 00:09:31
>ねくすと様
 こちらこそよろしくお願いします。
 
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