先週末、映画「悪人」を観てきました。
登場人物はみんな、寂しい人、哀しい人ばかり。
「悪人」というタイトルでしたが、妻夫木聡が演じる殺人犯ではなく、ほかに悪人と呼びたい人がたくさん出てきます。
どこにでもいそうなそんな人達が、普通の人とされることが、また、何とも哀しい映画でした。
特に心に残ったのが、柄本明、樹木希林の演技。
セリフがなく立っているだけのシーンでも、滲み出る迫力、圧倒されそうな存在感、やっぱりすごいなあ。
一生懸命に生きていればいいことがある、幸せになれる、という、生きていく上で支えにしたい希望を打ち砕くようなストーリー展開は、ものすごく重い。[E:sweat02]
でも、それでもやっぱり、一生懸命、自分にも他人にも誠実に生きていかなくちゃいかんなあー…なんて、しみじみ感じた映画でした。
精神論できれいごとを語るのは、嘘っぽくて好きじゃない.。
この作品は、善悪の価値観を押し付けるわけでもなく、きれいごとで通らないことが実際は多い世の中で、せめて大切にしたいことを、そっと教えてくれるような映画でした。
そういう意味で、最後の柄本明が演じるお父さんの台詞は、結構効きます。[E:shine]