
マイバースデイの創刊号です。
1979年5月、丁度おうし座の月に当たっていた為、表紙はおうし座の
イメージとなっています。
この時は星占いと簡単なトランプ占いやお菓子のレシピが中心で、
おまじないや魔女、妖精シリーズのような記事は、未だありません。
そして計88ページと、未だ厚くありません。
それが2006年12月の最終号には、このような雰囲気に変わります。

表紙の各記事の題名が縦書きから横書きになった事、そして
今風を追及した結果、イラストも色使いも、個性的な感じではなくなり、
大人の女性に成長していく為の基本や教養を身に着け、夢を持って、
神秘的なものを感じ取る雑誌から、大人と同じお洒落をし、芸能
ニュースや、簡単な占いで盛り上がる雑誌に変わってしまいました。
創刊からしばらくは、十代の少女の為に、あまりお金をかけずに、ものを無駄に
しない、年相応の清潔感を持った上でのお洒落、美容、料理の記事が
多かったのですが、21世紀に入ると、お金をかけてお洒落をするという、
カタログのような記事に、かなり紙数が割かれるようになってしまったようで、
お金をかけるほどお洒落と云う、商業ベースにかなり乗ってしまったのを、
個人的に残念に感じました。
編集部は、「廃刊ではなく、あくまで休刊である」と言われていますが、
もし出版を再開されるなら、原点に戻って欲しいと感じます。
創刊号の目次は、このようになっています。

別冊の占い付録もあるのですが、こちらは他日に紹介させて頂きたく思います。
この創刊号の中で、星占いに関する、ニューヨークの著名な占星術師による
コラムがありましたので、今回こちらを抄掲させて頂きます。
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【星占いの歴史】 講師 マキシン・フィエール
【チグリス・ユーフラテス川が、星占いの発祥の地?】
星によって、人間の運命や自然現象を占うようになったのは、いつ頃の事でしょう。
人類の文明の発祥の地と言われる、チグリス・ユーフラテス川の流域が、星占いの
発祥の地と言われていますから、人間が文明を持つと同時に、早くから、星占いに
関心を持っていたのです。
そして、最も星占いが発達したのは、古代バビロニア王国の頃(紀元前二十世紀)で、
粘土板の上に刻まれた星占いの記録が、沢山発見されています。
地平線の彼方にどんな星が現れるかによって、その人の運命を占っていたのです。
生まれた時の東の地平線の彼方に月が現れておれば、その子は長生きするとか、
木星が現れておれば、その子は大金持ちになるというような占いを行っていました。
このような星占いは、私達がよく知っている、キリスト教の聖書の中にも書かれています。
例えば、イエス・キリストの誕生の事を、マタイ伝の第二章の中で、「星」に例えて
次のように説明してあります。
「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおいでになりますか。
私達は東の方で、その方の星を見たので、拝みに参りました。」
【暴君ネロは、星占い師を死刑にしたことも】
また、聖書の「創世記第三十七章」の中にも、「私は夢を見ましたよ。
見ると太陽と月と十一の星が、私を伏し拝んでいるのです。」
古代バビロニア人達は、農作物の種をまいたり、刈り入れをするのに、星占いを
利用していました。
太陽が「牡羊座」「おうし座」に入っている四十日間の間に種をまいたのです。
また、星の変化を基にして、世の中の出来事を占っていました。
月が満ちていく時は「吉」、月が欠けていく時は全てに「凶」と判断したり、太陽と
木星は男性を表し、月と金星は女性を表すというような事も、この頃から言われた
事です。
ところが、星占いが大活躍したのは、古代ローマ時代の事です。
古代ローマ時代には、多くの皇帝が、星占いを自分の生活や、政治の中に取り入れようと
したのです。
暴君で有名なネロ皇帝は、お抱えの星占い師をおいて相談相手にしていました。
ただ、予言した占いが的中しない時には、その星占い師を死刑にしてしまうような事も
ありました。
このようにして発達した星占いも、ローマ時代が終わり、中世になると、星占いの
流行は下火になりました。
しかも、当時の星占い師達が行った、天変地異の予言がどれも当たらなかった為に、
星占いの信用もなくなってしまったのです。
しかし、十六世紀になると、またまた星占いは大流行してきました。
これは、フランス貴族の社会に、星占いが人気になったからです。
まずフランスの王様達が、自分のお抱えの星占い師を持つようになったのです。
【「1999年に世の中が終わる」と予言したノストラダムス】
この頃に有名になったのが、「一九九九年に世の中が終わる」という、恐ろしい
予言をして有名になったノストラダムスです。
ノストラダムスは、医師で、しかも星占いの研究家でありました。
特に、当時ヨーロッパを襲ったペストの治療法を考えて有名になりました。
だが、自分の子供や奥さんまで、ペストで次々に死んでしまうという不幸な出来事が
起こったのです。
人間の未来を予言したり、病気の治療に自信のあったノストラダムスは、自分n
力に自信をなくしてしまいました。
たがて彼は放浪の旅に出ました。
ヨーロッパ各地に残っている、色々な占いを勉強しながら、旅をしたのです。
こうして彼は、有名な予言集を発表したのです。
ノストラダムスは、四行詩の形で、この予言を書きました。
この予言がズバリ的中した為に、彼の名前は世界中に広まっていきました。
ノストラダムスの予言は、彼が生きていた時代よりも、彼の死後有名になったのです。
それは、第二次世界大戦の事や、ヒトラーの出現、原子爆弾の事まで予言していた事が
判ったからです。
私達がよく見かける星占いが、今のような形になったのは、十九世紀になってからの
事です。
色々な星占いの学者が現れ、星占いの判断方が考案されていきました。
【星占いの読み方 「マイバースデイ」の読者の皆さんへ】
ただ、この星占いの歴史を振り返っても判るように、星占いによって人間の未来が
全て判る、何でも星占いの予言のようになってしまうと考えてしまうのは間違いです。
多くの星占い師達は、あまりに自分の占いを過信し過ぎて大失敗しているのです。
「マイバースデイ」の若い読者の皆さんも、星占いで自分の人生を考えていく
場合、全てを星占いに頼ってしまうとしたら、間違いなのです。
あなたは毎日、何をしたいでしょう。
どんな人と友達になりたいでしょう。
あなたの毎日の夢や目標を大切にする事が、まず第一なのです。
星占いによって自分の人生を作るのではなく、人生を作るのは、あなた自身で
ある事を、忘れないで下さい。
星占いは、あなたの夢や目標を実現する手助けをする、ガイドにすぎないのですから。
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