上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

くまもと地域自治体研究所の創立20周年の集い

2020-11-10 15:16:52 | 地域の中で
熊本の自治体政策を学び、研究する場として長年大きな役割を果たしてきた「くまもと地域自治体研究所」が創立20周年を迎え、記念の集いが開かれました。
記念講演は、自治体問題研究所理事長の岡田知弘氏(京都橘大学教授)が、新型コロナ・災害・貧困などの自治体が直面する問題と地域づくりの課題についてお話され、改めて「住民自治とまちづくり」について学ぶことがことができました。
記念誌も発行されました。

 

安心して暮らし続けられる地域づくり
憲法と地方自治法に基づく「住民福祉の向上」こそ、自治体本来の仕事

地域からものを見ることの重要性
特定の自然条件を基礎にした「人間の生活の領域」が「地域であり、生活の基礎である「地域」があって国や世界が形づくられている。
熊本県内企業の99.9%が中小企業であり、そこに働く人が従業員の90.2%を占めている。熊本県内雇用の8割が地元に本社を置く地元企業によって作り出されています。この点からも、地域社会を維持するために、中小企業・業者・農家など、そして地方自治体が地域経済の主体として力をつけることの重要性を強調されました。
コロナで明らかになった国の政策の誤り
国がすすめてきた「地方創生」で東京一極集中には歯止めがかからず、「選択と集中」政策は、新型コロナによってその矛盾が顕わになりました。大都市部での感染の爆発的な広がり、熊本県下でも感染者の51%が熊本市に集中しました。定額給付金支給も、小規模自治体ほど早く支給され、政令市等の大都市では立ち遅れる状況となりました。合併や行革による職員削減が影響しており、大都市への移行も、改めて検証されなければなりません。
真の地域活性化・豊かさとは、「住民の暮らしの向上」
  地域発展の決定要素は「地域循環型の経済」

立派な道路や建物ができ、ハイテク工場が立地しても、そこに住民が住み続けられなければ、地域の「活性化」とは言えない。地域発展の決定的要素は「地域内再投資力」である。地域住民により地域で生産活動が行われ、雇用と収入が生れる。その収入が地域での消費となり生活が維持・拡大される。この地域内循環が住民の生活向上につながるという好循環になる。
 地域経済発展のカギは、中小零細企業であり、地域に根ざした産業の振興で生活が豊かになり、街が活性化、それは景観や町並みの再生、国土の保全にもつながると指摘されました。
ひとりひとりが輝く地域にするためには
「住民自治」を大切にした地域づくり
社会教育による住民の学習の力、自治力が、地域づくりや住民自治・議会改革に結びつき、地域が元気になっていく。
 団体自治と住民自治のバランスがあって地域が発展する。行政と住民が一体となって地域づくりをすすめることが大切である点も強調されました。
政令市でも、横浜市や新潟市では区役所の行政権限や人的配置が強化されるとともに、住民参加が重要になっています。
 PCR検査を大規模に行っている世田谷区の取り組みに、「世田谷まちづくり研究会」が役割を果たしたことも、住民自治が生かされた地域づくりです。
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