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ブログから参院選の動向を探る 検索サービスが特集

2007年07月19日 | 政治経済
2007年7月19日(木)12:41 (アサヒコム)

 ブログに書き込まれた言葉を集計して、選挙の動向を探る――。ブログ検索サービスのWebサイトが参院選で特集を展開している。ネット世代に影響力があり、生の口コミ情報を得意とするブログだけに、「選挙の盛り上がり具合」や無党派層の動向を知る手がかりになる。Web2.0時代らしい試みだ。(アサヒ・コム編集部)

 テクノラティジャパン(東京都渋谷区)は、7月9日に特集「ブログで見るみんなの参院選」を開設した。同社では、2005年の衆院選から特集を手がけ、今回で3回目。日本語で書かれた約800万のブログを検索対象にしているという。

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防衛相辞任―原爆投下から目をそらすな

2007年07月04日 | 政治経済
 米国による広島、長崎への原爆投下について、「しょうがない」と講演で述べた久間章生防衛相が辞任を表明した。

 原爆投下を容認するかのような発言は、被爆者の痛みを踏みにじり、日本の「核廃絶」の姿勢を揺るがすものだった。辞任は当然である。

 当初、久間氏は発言を訂正しないと言い、安倍首相も問題視しない姿勢をとった。ところが、被爆地の怒りがやまず、世論調査でも内閣支持率の低下が止まらない。参院選が戦えないという与党内の批判で追い込まれたのが実情だろう。

 悲惨な被爆体験は戦後日本の原点にかかわるものだ。それなのに、政治の感度は鈍かったとしかいいようがない。

 久間氏は辞任するが、これで一件落着したわけではない。久間発言は無思慮ではあるが、そういう物言いを生み出す土壌があると思わざるをえないからだ。

 それは、米国の原爆投下に対し、日本の政府が厳しく批判せず、国民の動きも十分でなかったことだ。

 広島と長崎に原爆が投下された直後の45年8月10日、政府は国際法違反として米国に抗議した。終戦後の同年9月には、のちに首相になる鳩山一郎が戦争犯罪と批判した。この発言を掲載した朝日新聞は占領軍により発行停止になった。戦犯を裁いた東京裁判でも、日本側は原爆投下を違法と主張した。

 原爆投下を糾弾する動きはここで止まる。政府が黙ってしまったのは、平和条約で、米国などの連合国への請求権を放棄したことが大きいだろう。法的にものを言うすべを失ったということだ。

 だが、それだけではあるまい。日本は米国に無謀な戦争を仕掛けて、敗れた。しかも、敗色が濃厚になっても、戦争をやめなかった。そんな負い目が戦後の日本にあったからではないか。

 久間氏の発言は、こうした心理がうっかり漏れたということだろう。

 しかし、戦争ならばどんな手段でも許されるということではないはずだ。原爆は破壊力がけた外れに大きいだけでなく、生き延びても後遺症を残す兵器である。その非人道的な性格については、いくら批判してもしきれないほどだ。

 原爆投下が間違っていたと米国を説得するのは並大抵ではない。米国人の多くは原爆投下によって戦争終結が早まったと信じている。米政府は謝罪したことはないし、現職の大統領が広島や長崎を訪れたこともない。

 だが、戦後50年に米国で開かれた原爆をめぐる展示では大論争があった。米国にも原爆投下に批判的な声がある。

 マクナマラ元米国防長官は、自らが携わった原爆を含む日本への無差別爆撃について「勝ったから許されるのか。私も戦争犯罪を行ったんだ」と語った。

 原爆投下が誤りであり、原爆の被害が悲惨なことを、日本から粘り強く発信し、米国に伝えていく。そのことの大切さを久間発言で改めて痛感する。

(7月4日 朝日社説)
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民間デベロッパー優先の規制改革会議の第1次答申 

2007年06月27日 | 政治経済
5月30日、政府の規制改革会議は、「規制改革推進のための第一次答申」(以下「答申」)を行いました。
 「答申」によると、住宅・土地分野では、「都市空間の有効利用や市街地環境整備のための制度の見直し、都心集積を促進することにより、活力に満ちた経済効率性の高い都市を創造する」そのために「さらなる改革が求められる事項について、精力的に調査・審議を進めてきた」と問題意識を示しました。
 そして、11項目の具体的施策をあげています。その中で、区分所有の住宅の建替が確定した場合、その住宅の賃借人(借家人)は借地借家法の「正当事由」を適用せず、土地収用法の損失補償(二年程度の家賃差額補償と移転費補償)で明け渡しを求めることができる制度を平成20年度までに創設することが検討されています。これによって、建替が確定した区分所有の住宅の借家人は立ち退き料と引換えに解約されることになります。
 また、公営住宅では、収入超過者に対する家賃を近傍同種の市場家賃の水準にすることを措置するとしています。同時に許容規模を超え居住者へは、住み替えを誘導するとともに割増家賃制度を義務付けるとしています。
 さらに、不動産業界の取引を円滑にすることを口実に「宅地建物取引業法」や「不動産登記法」を「改正」することも検討しています。
「答申」は、定期借家制度の見直しについて、従来の改悪項目をあげ、「平成19年以降逐次実施」することを提言しました。
 これらの提言は、住宅土地政策が民間デベロッパー優先の施策を強める方向を明らかにしたものです。



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松岡農相自殺:「政治とカネ」再浮上 参院選戦略に暗雲

2007年05月29日 | 政治経済
 今年最大の政治決戦である参院選まで2カ月を切った中で、松岡利勝農相の自殺が安倍晋三首相の参院選戦略に暗雲を投げかけた。もともと政府・与党にとって「鬼門」とされてきた年金に「政治とカネ」の問題も加わったためだ。

 首相は今年1月4日の年頭記者会見で、憲法改正を選挙の争点に位置づける一方、憲法9条改正などを争点化することに難色を示す公明党に対しては、同党が強く推した政治資金規正法改正案を国会提出することで軟化を促した。

 同改正案の提出によって公明党の納得は得られたとみて、自民党内では「政治とカネ」の問題は決着したという空気さえあった。26、27両日の毎日新聞世論調査での内閣支持率急落を受けても、自民党幹部が「年金問題以外に原因はない。松岡農相の問題などは大した問題じゃない」とうそぶいたほどだった。

 年金給付漏れ救済法案の前倒し提出を指示した首相も同様の認識だったとみられる。年金問題を巡る国民の不安の払しょくに全力をあげ、自らの「美しい国」路線を訴えていこうとしていた矢先の現職閣僚の自殺は衝撃を与えた。

 年金問題だけでも重荷なのに、疑惑の説明責任を果たさずに自殺した松岡農相を任命した首相の責任もついて回る。自民党町村派幹部は「参院選では都市部を中心に自民党には逆風になる。無党派層が安倍自民党から離れる」と指摘した。

 年金救済法案は会期末まで1カ月を切る中で法案成立は微妙な情勢。さらに、政治資金規正法改正案提出で納得したはずの公明党が、一歩進めて成立を求めてくる可能性がある。集団的自衛権行使をめぐる政府解釈の見直し問題での自民、公明両党間の温度差が対立につながることも想定される。

 民主党など野党は04年参院選で年金問題を争点に大躍進したことを踏まえ、残り会期を「年金」と「政治とカネ」で揺さぶる構えだ。首相の「美しい国」路線は参院選を前に埋没しかねない状態になっている。【中川佳昭】

毎日新聞 2007年5月29日 3時00分

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松岡農相 かばう首相の見苦しさ

2007年05月25日 | 政治経済
いまだに説明責任を果たさない人が閣僚で居続ける政治のレベルに暗たんとする。金銭の絡む疑惑をそのままに、かばう首相の言葉が空々しい。この倫理の鈍感さは、政権のおごりというほかない。

 厚顔無恥と攻め疲れ。「政治とカネ」を主題とする衆院予算委員会の集中審議に、多くの人はそういう感想を持ったのではないか。

 就任してほぼ八カ月の間、折に触れ野党の追及を受けてきた松岡利勝農相は、相変わらずの居直り答弁を繰り返した。「法に従い適切に報告している」と。

 疑惑の詳細はもう書き連ねる必要もないだろう。「ナントカ還元水」に象徴される、政治資金のいかがわしげな使途が問題の核心だ。

 「適切な報告」そのものの信ぴょう性が厳しく問われているというのに、法の趣旨を都合よくねじ曲げて具体的な説明を拒絶する。政治資金規正法をこんなふうに盾にする厚顔無恥は、政治家の中でも珍しい。

 手を替え品を替えの追及にも平然と同じ答弁が何度も繰り返される。攻め疲れの野党が矛先を安倍晋三首相に向けるのも当然である。

 民主党の岡田克也氏は首相に「農相は説明責任を果たしていると考えるか」と迫っている。自民や公明の与党幹部でさえ農相の説明の不十分さを指摘しているではないか、かばう首相が国民の政治不信を倍加させている、というわけだ。

 口ごもる首相の答弁もまた“壊れたレコード”であった。「農相は法に基づいて説明している」。そして首相は民主党代表の小沢一郎氏の不動産取得問題に話を振った。内閣の最高責任者の認識を聞かれているのに、それにはほおかむりで他者の問題をあげつらうのは、見苦しい。

 農相には倫理欠如を疑わせるような献金受領問題も発生している。農林水産省所管法人「緑資源機構」の官製談合事件で名の出た、請負業者らの政治団体やその会員企業、経営者から多額の献金を受けていた。法の認める範囲、との強弁を、これ以上世間が容認するとは思えない。

 与党は週明けに、資金管理団体の不動産取得禁止や、五万円以上の経常経費に領収書添付を義務づける旨の法改正案を国会に出すそうだ。

 資金管理団体以外の政治団体にも適用すべきでないか、五万円では実効性は薄い、との指摘にも、首相はまるで人ごとの答弁をしている。一体どこが新時代のリーダーか。

 尾を引く松岡問題に自民の参院選候補からも怨嗟(えんさ)の声が聞こえる。これを放置して憲法や教育を語る資格はあるか。あらためて問うておく。

(5月24日 東京新聞社説)
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<貧困解消>若者3300人が最低賃金引き上げなど訴え集会

2007年05月23日 | 政治経済
「まともに生活できる仕事を」と20日、東京都新宿区の明治公園に約3300人の若者が参加し、全国青年集会が開かれた。参加者は最低賃金の引き上げや正規雇用の増加、貧困の解消などを訴え「人間らしく働きたいという声をみんなで上げていこう」などとする集会アピールを採択し、都心をパレードした。
 長時間労働や非正規雇用の増加、ネットカフェで生活する若者の出現など、若年者を取り巻く厳しい労働環境や貧困問題を訴えようと、全労連青年部や個人加盟の労働組合、青年組織などが実行委員会を作り開催した。
 ある男性(24)は、住所がないため日払いの仕事しかできず、今の暮らしから抜け出せない現状を説明した。男性は「一度(この生活に)落ちるとはい上がるのは難しい」と訴えた。
毎日新聞 5月20日【東海林智】


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国民投票法案の凍結期間 自民「改憲の大綱は作成可能」

2007年04月27日 | 政治経済
2007年04月27日06時10分(アサヒコム)

 憲法改正の手続きを定める与党の国民投票法案で、改憲原案を国会に提出できない3年間の「凍結期間」内であっても、改憲案の大綱や骨子は作成できる仕組みであることが明らかになった。同法が成立すれば、次の国会から実質的な改憲論議に踏み込むことができることになる。自民党はそれを前提に、改憲の実現時期について「最短で11年秋」とした見通しをまとめているが、「憲法について冷静に考える」という凍結期間の趣旨に反するとの反発は必至だ。

 与党案では、同法成立後に衆参両院に新設される憲法審査会には、改憲原案の「審査権」のほか、憲法に関する「調査権」もあると規定している。審査権は3年間凍結されると付則で定めたが、「調査」に関してはどこまで可能なのかあいまいだった。与党案提案者の船田元氏(自民)は凍結期間について「憲法の調査に専念する。経過したらすぐに手のひらを返すように改正原案を発議することにはならない」と説明していた。

 26日の参院憲法調査特別委員会で、与党案提案者の保岡興治氏(自民)が凍結期間について「改憲原案そのものを審議することはしない期間として『凍結』という言葉は使われている」と説明。「3年間は原案は審議できないが、骨子案、要綱くらいまでは詰めてもいい」と語った。

 複数の自民党関係者によると、同党の法案提案者が3月23日の党総務会で、凍結期間内でも「具体的改憲の骨子案の作成など」は可能とした資料を配布していた。5月に国民投票法が成立すると、最短で11年秋にも改憲が可能との見通しを示している。

 具体的には、今年秋の臨時国会で衆参両院に憲法審査会を設置。凍結期間の間に改憲原案の大綱・骨子をまとめて、解禁直後にそれをもとにした改憲原案を提出。凍結期間中の論議も踏まえ、1年余りの審議で採決する――と想定している。

 ただ、同法案をめぐる与党と民主党との協調路線が破綻(はたん)していることから、自民党の想定通りに憲法審査会が運営されることは考えにくい。26日の審議では、同じ与党案提案者の赤松正雄氏(公明)が保岡氏の答弁を「論理的には可能性は否定できない」としつつも慎重姿勢を示し、「3年たってすぐに改正原案の審査に入るとは考えられない」との認識を示した。
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「九条の会」が全国で急増、国民投票法案で危機感高まり

2007年04月12日 | 政治経済
2007年04月12日19時10分

 憲法9条を守ろうと訴える市民団体「九条の会」の結成が全国で相次いでいる。この1年で1.5倍に急増し、6000団体を超えた。国民投票法案が12日に衆院特別委で可決されるなど改憲への道筋が整えられつつある状況に、護憲派が危機感を強めているからだ。ただ、共感の輪が若い世代に広がらず、焦りも募らせている。


護憲を訴える手だてを話し合う「九条の会」の会員たち=10日夜、福岡市中央区で
 「投票法案の問題点を説明する資料を用意しよう」「チラシを配って9条の危機をPRしないと」。10日夜、福岡市中央区の公民館に同区や城南区の「九条の会」世話人ら13人が集まった。28日に合同で開く集会の打ち合わせだった。

 「九条の会」は、作家の大江健三郎さんらが「9条があるから平和的外交ができる。護憲の一点で手をつなごう」と呼びかけ、04年に東京で結成された。これに賛同して地域や職場単位での設立が相次ぎ、事務局(東京都千代田区)によると今年1月現在で6020団体。前年同期に比べて約2000団体増えた。

 集会の実行委員の一人、城南区の伊藤正彦さん(71)は昨年12月、地元の小学校区で「田島九条の会」(約40人)を結成した。もともと城南区単位の会に参加していたが、「改憲の流れを止めるには、もっと草の根の活動で護憲意識を高めるしかない」と考えた。

 9歳の初夏、門司市(現北九州市)で体験した空襲が忘れられない。自宅のある高台から見た夜の市街地は焼夷弾(しょういだん)の炎で真っ赤だった。「改憲はあの空襲の再現につながる」と思う。

 新聞の切り抜きや戦争体験者の話を題材に、月1回ほど勉強会を開く。最近の関心事は国民投票法案の行方。「成立は許されない」と言う一方、「国民投票で改憲を否決するには、全小学校区に会を作るくらいの勢いが必要」と先も見据える。ただ、若い世代を引きつけられないのが悩みだ。20代の会員はゼロ。30代も数人しかいない。

 中央区で「九条の会」の世話人をする酒井嘉子・九州大名誉教授(67)は勉強会の度にチラシを九大生に配っているが、学生の参加はまれ。「一度話せば9条の大切さを理解してくれると思うが、その機会がつかめない」とため息をつく。

 他県も同様だ。「みやざき九条の会」(宮崎市)事務局長の木下統(おさむ)・宮崎大助教授(38)は、講義で憲法に触れても、学生から質問や意見が返ってきたことがないという。「意識の高い若者を探すことが先決だ」

 「平和憲法を守る会・大分」(大分市)は12月の集会の中でロックコンサートを開くことも考えている。事務局を務める古田邦夫弁護士(54)は「若者は理屈から入っても難しい。興味をそそる企画を考えないとだめだ」と話す。
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連載 働けど… 若者たちは (1) トリプルワーク  朝から深夜まで 月15万

2007年03月24日 | 政治経済
働けど、働けど…。貧しさと過酷な労働にほんろうされながらも懸命に生きる若者たちの姿をおいました。(菅野尚夫)


 東京・杉並区の高円寺。家賃二万六千円の四畳半のアパートに住む難波仁郎さん(24)=仮名=は、三つのアルバイトを掛け持ちして働く「トリプルワーク」です。

×……×
 広告チラシ配布、サラ金のティッシュ配布、夜は遅くまで居酒屋のウエーターをしています。

 時給は、チラシ配布千三百円、ティッシュ配布千五十円、居酒屋九百円。三つ合わせても月十五万円から二十万円。

 一人住まいの難波さん。自室には台所、トイレ、風呂もありません。日当たりも悪い。暖房器具もなく、寒さをしのげるのは布団に潜り込むときだけです。銭湯は週一回。あとは、ホームレスや内風呂のない若者たちが利用するコインシャワーで体の清潔を保ちます。

 「♪赤い手拭(ぬぐ)い マフラーにして…」。銭湯帰りに、テレビやラジオから流れたフォークグループ「かぐや姫」の歌った「神田川」を口ずさみます。自分を鼓舞するために坂本九の「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん夜の星を」も歌います。

 六〇年代から七〇年代にヒットした歌。集団就職で東京に出てきた少年少女たちが青春時代に歌った歌が現代の若者にも「うけています」。「貧しさ」からただがむしゃらに働かされたあの時代に今の若者たちの心情が戻ったのか?

 難波さんの朝食はパンと牛乳。昼はコンビニ弁当かパン二個と缶コーヒー。夕食はバイト先の居酒屋で出る「賄い丼」。

 朝から夕方の時間帯は冬の寒さ、照りつく夏の暑さの中、広告チラシ配布とティッシュ配布のバイトです。居酒屋でのバイトは夜七時から十時まで、夜九時から深夜一時までなど、その日のシフトで決まります。労働基準法では、午後十時から翌日午前五時までの労働には割増賃金を支払わなければなりません。多くの居酒屋の時給は割り増しされていないのが実態です。

×……×
 「僕の働く居酒屋は割り増しが午前零時から。不満がいっぱいあって『組合つくろうか』というバイト仲間もいるんです」と難波さん。「深夜まで働くのに時給が安すぎます」といいます。

 店の都合で、バイトがカットされることもしばしば。収入が不安定になり、月収が減ります。

 国民年金保険料も国民健康保険料も自分の収入からは払えません。

 「おとなたちは若者の貧しさの実際を知っているのでしょうか。若者を盛り上げて、引っ張っていくことを知らないおとなたち。『人生は暗いよ。つらいよ。甘くない』と説教する。夢を見させてくれません」

 最低賃金の時給を千円に上げるという日本共産党の政策提案に「大賛成です」と、まっとうな主張には正面からこたえる若者です。

 (つづく) しんぶん赤旗 3月24日

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経済時評 「貧乏は国家の大病」

2007年02月18日 | 政治経済
いよいよ国会論戦がはじまりました。貧困や格差、ワーキングプアの実態をどうみるか。最低賃金制や社会保障制度をどう改善し、労働法制のゆがみをどう正すか。政治の責任が、鋭く問われています。

 「貧乏は国家の大病」―これは、日本のマルクス経済学の大先達、河上肇(一八七九―一九四六)の『貧乏物語』の一節です。

 『貧乏物語』は、一九一六年(大正五年)の九月から十二月にかけて「大阪朝日新聞」に連載されて大好評だった読物を一冊(岩波文庫で約百五十ページ)にまとめたものです。おそらく団塊の世代より上の世代なら一度は読んだことがある、聞いたことがあるという方は多いでしょう。私も、学生時代に読みましたが、最近読み直してみて、あらためて発見したことがいろいろとありました。

 そこで、今回は、古典的名著に学ぶという意味で『貧乏物語』をとりあげてみましょう。

90年前ワーキングプアに注目
 私が『貧乏物語』を再読して、あっと思ったことの一つは、河上肇は、すでにワーキングプアの問題に注目していることです。当時の「世界最富国」であった英国の貧乏の実態を統計的に分析して次のように述べています。

 「ことわざにかせぐに追い付く貧乏なしというが、……毎日規則正しく働いていながらただ賃銭が少ないために貧乏線以下に落ちている者が、(貧乏人の)全体の半ば以上すなわち約五割二分に達している」

 ここでいう「毎日規則正しく働いていながらただ賃銭が少ないために貧乏線以下」ということは、まさに今風に言えばワーキングプアにほかなりません。河上肇は、啄木の「はたらけど はたらけどなおわがくらし楽にならざり じっと手を見る」を引用しながら、英国だけでなく、米、仏、独のいずれでも「毎日規則正しく働いていながら」、なかなか貧乏から抜け出せない人が増えている、「いくら働いても、貧乏は免れぬぞという『絶望的の貧乏』なのである」と述べています。

大金持ちと貧乏人の格差拡大
 『貧乏物語』では、「毎日規則正しく働いていながら」貧乏から抜け出せないのは、社会に問題があるからだと指摘しています。

 「国民全体の人口に比すれば……きわめてわずかな人々の手に今日驚くべき巨万の富が集中されつつある」。「貧乏人はいかに多くとも、それと同時に他方には世界にまれなる大金持ちがいる」。

 貧乏は、個人の能力や甲斐性(かいしょう)などの問題ではない。大金持ちと貧乏人の格差の拡大の問題だというわけです。

 『貧乏物語』が執筆された一九一六年は、ちょうどレーニンが『帝国主義論』(一九一七)を執筆していたころでした。河上肇はそれを知るよしもなかったのですが、貧乏の原因を、資本輸出や侵略戦争とのかかわりでつかむ視点もすでに提起しています。

 当時の英国は、今日のアメリカと同じように、世界中に資本を輸出して、帝国主義的戦争をあっちこっちで起こしていました。とりわけ十九世紀末から二十世紀初頭は、南アフリカの支配をめぐる南ア戦争が問題になっていました。河上肇は、こうした帝国主義的政策が英国の貧乏の背景にあると述べています。

 もちろん『貧乏物語』は、河上肇がまだ『資本論』を本格的に研究する以前の著作ですから、貧困の原因論は、資本主義の科学的な分析にもとづくものとはいえません。また、貧困の救済策も、「富者の奢侈(しゃし)廃止をもって貧乏退治の第一策」とするなど、倫理主義的主張が中心になっています。

 ですから、岩波文庫の解題(大内兵衛)では、「河上博士は、このときはなお純然たるマルサス主義者」としています(私は、この評価は少し厳しすぎると思いますが)。しかし、河上肇は、「貧乏は国家の大病」、「社会の大病」として、資本主義社会における貧困問題の核心をつかんでいました。

ロイド・ジョージの「人民予算」
 『貧乏物語』には、「付録」として、当時のイギリスの政治家、ロイド・ジョージに関する河上肇の評伝がおさめられています。

 ロイド・ジョージ(一八六三―一九四五)は、二〇世紀初頭にイギリスの首相を長い間務め、国民保険法などを提案してイギリス福祉国家の基礎を築いた人物です。彼はまた、画期的な貧困対策のための「人民予算」(People’s Budget)を提案し、実現したことでも知られています。

 ロイド・ジョージの貧困対策は、なぜ「人民予算」と呼ばれたのか。その財源策が、(1)年間所得五千ポンド以上の者への「超過税」、所得税への累進税率導入(2)相続税の約二倍への引き上げ、累進税率の強化(3)土地増価税、空閑地税、採鉱権税など、大金持ちや大地主への広範な増税策だったからです。(注)

 もともとロイド・ジョージは、大資本家を代表する自由党の政治家ですから、社会主義者ではないし、むしろ逆に反ソ・反革命の干渉戦争を推進した人物です。ですからレーニンは、ロイド・ジョージの階級的立場を「ブルジョアジーのすぐれた番頭」「政治的狡猾(こうかつ)漢」などと批判的に特徴づけています。

 にもかかわらず、なぜロイド・ジョージは、支配層からの「人民予算は社会主義的だ」という激しい攻撃にもひるまずに「人民予算」を実行したのか。それは、彼が「貧乏は国家の大病」であると深くとらえていたからに違いありません。そのために、『貧乏物語』のころの河上肇は、「真に貧乏退治の必要を理解せる大政治家」と評価したのでしょう。

 安倍首相も、「貧乏退治の必要を理解」するために、ロイド・ジョージの爪の垢(あか)でもせんじて飲んでみたらどうでしょうか。

 (友寄英隆 論説委員会)

 (注)増税による新財源は、貧困対策と同時に海軍増強のためにも使われた。




 『貧乏物語』 一九一六年の新聞連載中から数十万の読者の絶賛を博し、四七年の復刊から七二年の解題の追記が書かれるまでの間にも、「四〇万冊以上は売れた」(岩波文庫解題)という。 2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」


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改憲を警戒 世論変化 ヤフー=反対過半数 静岡新聞=賛成激減

2007年01月22日 | 政治経済
安倍晋三首相が「私の内閣で憲法改正を目指す」と改憲路線を鮮明にするなか、国民世論に変化が起きています。インターネットの意識調査では「改正反対」が53%となり、静岡新聞の県民意識調査では「九条改正派」が大きく減少しました。静岡新聞は「九条の会」など九条守れの声の浸透が背景にあると指摘。九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案の早期成立を狙う安倍自公政権と、国民世論との矛盾拡大は避けられません。


 意識調査を実施したのは、インターネット事業大手の「ヤフー」。安倍首相が年頭記者会見で改憲発言したのを受けたもので、四日から十日までの一週間、サイト上で投票を受け付けました。ヤフーによれば、一つの設問には一回しか回答できません。サイト上の回答者のコメントも五千件以上。「安倍内閣での憲法改正に反対」「今、改憲すれば、自衛隊は完全に米軍の指揮下に入り、米国による身勝手な世界各地での戦争の先頭に立つことになる」などの書き込みが相次いでいます。

 静岡新聞四日付は、三年連続で行っている憲法に関する「県民意識調査」を掲載しました。「『9条改憲』慎重論強まる」の見出しで、「年々改正に慎重な姿勢が強まっている実態が浮き彫りになった」としています。

 その理由として同紙は、「県内外で改憲に慎重な九条の会が続々と誕生し、浸透しつつあるのも要因では」(佐藤博明静岡大元学長)とのコメントを紹介。九条守れの運動の広がりが背景にあると分析しています。また、改憲に積極的な安倍首相の誕生、防衛省設置、教育基本法改悪など「ナショナリズムを意識させられる一連の出来事が昨年後半、相次いだこと」も要因としています。

 自民党は改憲手続き法案を通常国会の最重要法案と位置付け、公明党とともに「五月三日までに成立を」と狙っています。民主党は政治判断を保留していますが、「法案自体に反対でまとめることは基本的にはない」(鳩山由紀夫幹事長、十九日)との態度です。

 しかし、手続き法案には世論調査も慎重意見が多数。この面でも世論との間に大きな矛盾があります。

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安倍首相 年初から改憲執着

2007年01月08日 | 政治経済
安倍晋三首相が四日の年頭記者会見で、改憲を「ぜひ私の内閣として目指していきたい」「参院選でも訴えていきたい」と述べるなど、年初から改憲に向けた異常な意欲を示しています。

 元日の年頭所感では、まずは改憲の前提となる改憲手続き法案の「通常国会での成立を期する」と宣言。五日には、衆院憲法調査特別委員会の中山太郎委員長を呼び、同法案について報告を受けています。

「安倍カラー」
 首相が参院選に向けて改憲姿勢をおしだすのは、就任以来あいまいさが目立つとの批判を意識して、「安倍カラー」を打ち出したいという思惑があるとみられています。

 同時に、自民・公明の与党と民主党とによる改憲手続き法案での合作がすすみ、ほとんど合意に達しているという状況も背景にあります。

 同法案については昨年五月、与党案、民主党案がそれぞれ別に国会に提出されましたが本質的な違いはなく、昨年十二月には九項目の“修正”で大筋合意しています。

 「毎日」一日付では、同法案について、自民党の舛添要一・新憲法起草委員会事務局次長が「通常国会冒頭、できるだけ早い機会に自公と民主で合意し、成立させる」と抱負を語れば、民主党の枝野幸男・党憲法調査会長も、今年は「国民投票法制が間違いなくできる年になる」と応じています。そのうえ枝野氏は、同法案での自公民の合意づくりは「本体の『トライアル』(試行)」と、共同改憲案づくりの“予行演習”でもあることを打ち明けています。

 中山委員長は、安倍首相との会談で「民主党の枝野幸男憲法調査会長も三月に衆院通過、四月中に成立と言っている」と明かしました。

集団的自衛権
 もう一つの事情は、米国との関係です。安倍首相は四日、今年の初会見で、イラク戦争でも口実とされた「大量破壊兵器」や「テロとのたたかい」などのために「日米同盟をいっそう強化していく必要がある」と力説。安全保障関係の法整備や、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の容認に向けた研究を進める考えをあらためて示しました。

 冒頭の“参院選でも改憲を訴えたい”という発言はこのなかで飛び出したもので、「米国とともに海外で戦争をする国」づくりという改憲の狙いは明らかです。

 しかし、日本共産党の志位和夫委員長が三中総報告で指摘したように「アメリカいいなり、改憲の道は、国民との矛盾を広げ、世界の流れに逆行する」ものです。

 「九条の会」は全国で五千六百を超え、改憲反対署名が有権者の過半数を超えた自治体も相次いで生まれました。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)五日付も「安倍氏は、日本の有権者がもっと関心を寄せる経済問題ではなく、なぜ憲法改定や学校の教育課程での愛国心を強調し続けるのか驚かされる」との声が出ていると指摘しています。(藤原 直) しんぶん赤旗1月8日

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りそな銀行、自民党への融資残高3年で10倍

2006年12月18日 | 政治経済
12月18日(アサヒコム)

自民党に対する大手銀行の融資残高が05年末で約80億円に達し、3年間で倍増したことが17日、わかった。03年春に実質国有化されたりそな銀行が同期間に融資残高を10倍に急増させたためだが、三菱東京UFJなど3メガバンクは融資を圧縮しており、自民党から3メガへの返済をりそなが肩代わりした形だ。3メガは政治献金の再開を検討中で、再開すれば政権与党に対する融資の返済原資を今度は大手行自らが穴埋めする構図になる。利用者などからの疑問の声も高まりそうだ。



 自民党本部の毎年の政治資金収支報告書によると、05年末の銀行の融資残高はりそなが約54億円と突出。メガバンクは旧東京三菱(現三菱東京UFJ)銀行が3億7500万円、旧UFJ(同)、みずほ、三井住友各銀行が7億5000万円となっている。

 メガバンクの融資残高は02年末で約33億円だったが、05年末には約7億円減の約26億円になった。一方、03年春の経営危機で約2兆円の公的資金が投入されたりそなは、02年末(当時は大和銀行)の残高約5億円から、05年末には約54億円まで急増させている。

 衆参両院に支店を持つりそなは旧大和銀行時代から永田町と関係が深く、国政選挙で資金を工面してきたとされる。

 大手行は93年の総選挙の際、当時の都銀8行が自民向けに総額100億円の協調融資を実施。将来の企業献金を返済にあてることが融資条件で、経団連(現日本経団連)の平岩外四会長(当時)が「経団連が返済に協力する」との念書を銀行側に示したとされる。

 返済が必ずしも確実とは言えない政党融資に対し大手行は当時から慎重で、その後の政党交付金制度のスタートや不良債権問題、公的資金注入などで慎重姿勢をより強めた。りそなだけが融資を増やした理由について、りそなホールディングス広報部は「融資の個別案件には答えられない」としている。

 公的資金完済を機に、メガバンクは98年以降自粛してきた自民党への政治献金を再開する見通し。再開すればりそなや自行の融資に対する返済資金の一部を、銀行自らが負担する奇妙な構図になる。その間、大手行は経営危機寸前まで追い込まれた不良債権を公的資金で処理し、過去最高の利益水準まで回復した。

 旧第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)出身で、作家の江上剛氏は「献金の形で返済の一部を事実上免除するのは、タコが自分の足を食うようなもの。大手行は公的資金や超低金利で巨額の不良債権を処理できた。利益還元で優先すべきは政党ではなく、国民や利用者ではないか」と批判している。

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ワーキングプアⅡ「努力すれ抜け出せますか」を見て

2006年12月16日 | 政治経済
NHKが12月10日に放送した「ワーキングプアⅡ」を見て「明日はわが身か」と感じた人が多かったのではないか。 

 7月の第1回の放送では千四百件の投稿やメール等が寄せられ、大反響があったという。以前アメリカでは、2つの仕事をかけもちしないと生活できない人達が増えているとの報道を目にしたが、日本でも現実になってきた。昼夜二つのパートと児童手当でやっと生活し、家に帰るのは深夜2時という母子家庭の生活が放送されていたが、この児童扶養手当さえ2年後に政府は半分に減らすという。

 80歳になっても空き缶を拾って生計を立てている無年金のお年寄りの姿には衝撃を覚えたが、フリーターの青年たちの将来の姿と思うとぞっとした。自助努力を促す国の「再チャレンジ」支援など明日の生活もままならない人達にとって何の役にもたたないことに腹立たしく思った。
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経財会議 「労働ビッグバン」 労働法制の全面改悪がもたらすもの

2006年12月07日 | 政治経済
ビッグバンは宇宙の始まりと考えられている大爆発です。御手洗冨士夫キヤノン会長(日本経団連会長)ら経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の民間議員が提唱する「労働ビッグバン」は確かに労働法の大爆発です。その結果、生まれる宇宙は大企業の天下です。

 偽装請負を合法化

 11月30日の会議で民間議員が出した文書の表題は「複線型でフェアな働き方に」。働く者のことを考えているかのように装っています。しかし実際は、労働者を安く効率的に使うために現行の労働法を全面的に変えてしまおうという考え方で貫かれています。

 戦後、制定された職業安定法は、請負などの間接雇用が労働者の無権利状態を生んだことへの反省から、雇用主が労働者に直接責任を負うことを原則にしました。労働者派遣法はこの原則からの逸脱を合法化しました。不十分な歯止めが派遣期間の制限と、期限に達したときの直接雇用の申し入れ義務でした。

 それすらなくなれば、社会問題化している偽装請負が合法化されます。大企業はこれまで以上に正社員を減らして派遣で置き換えることができます。

 諮問会議の民間議員、八代尚宏・国際基督教大学教授は会議のなかで「(派遣期間を)三年に制限されるということは、その企業でもっと働きたいと思う人が、法律によって首を切られることになる」と発言。派遣労働者のためを思っているかのように述べました。しかし、派遣労働者を使い捨てるのは法律でなく企業です。期間制限をなくせば、企業は雇用責任を負わずにいつまでも派遣労働者を使い続ける自由を手にするだけです。

 労働時間についても、民間議員は提出文書のなかで「時間に縛られない働き方」を求めました。八代氏は「ベルが鳴ると一斉に働き、一斉に休むという工場のような働き方をベースにした法律がホワイトカラーをも縛っている」と一日八時間、週四十時間制の撤廃を主張しました。

 現行の労働基準法のもとでも違法な不払い残業が横行しています。労働時間の法的規制をなくせば、際限ない長時間労働が合法化されます。

 基本的権利を覆す

 厚生労働省の労働政策審議会では、八時間労働制の規定をはずす「自律的労働時間制度」(ホワイトカラー・エグゼンプション)や労働条件の切り下げをしやすくする労働契約法制、解雇の金銭解決制度の導入が審議されています。いずれも労働者の基本的権利を根底から覆すもので、労働側委員が反対しています。

 民間議員は「労働ビッグバン」を諮問会議に専門調査会を設けて議論することを提案しました。労政審と違って諮問会議には労働側代表はいません。会議ではさすがに柳沢厚労相が「最低限の労働者保護規定を設けることは労働法制の一番の基本」「労使と中立な公益委員の入った三者(労政審)の間で実際の法制度が整備されていく」とクギを刺さざるをえませんでした。

 財界の要求に沿って労働法制改悪を進める担当大臣すら一言いわざるをえないほどの財界主導で自らの利益をはかろうというのが、諮問会議を舞台にした「労働ビッグバン」です。(山田俊英)


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