家賃を滞納した借り主が、強制的に退去を迫られる「追い出し屋」被害が相次ぐ問題で、政府が次の通常国会に提出する「追い出し規制法案(通称)」の概要がわかった。借り主の連帯保証を請け負う家賃債務保証業者に国への登録を義務づけ、悪質な取り立て行為には刑事罰を科す。滞納履歴など個人の信用情報を扱うデータベース(DB)の事業者も登録制にして国の監督が及ぶようにする。
国土交通省によると、民間賃貸住宅(約1300万戸)の約4割が家賃保証業者と契約し、急速に市場が拡大。これに伴い、一部業者による追い出し行為が社会問題化した。政府は借り主の住まいの安定確保に向けた新規立法が必要と判断し、来年3月までに法案を提出する方針だ。国交省と消費者庁が連携し、効果的な被害救済の体制づくりを図る。
新法は「家賃保証業の適正化及び家賃の取り立て行為規制法(仮称)」。貸金業法を参考に「人を威迫し、私生活の平穏を害する言動」を条文で禁止するとともに家賃滞納者への深夜・未明の督促▽無断での鍵交換▽家財撤去――などの強引な取り立て・追い出し行為を禁じる。規制対象は家賃保証業のほか、不動産賃貸・管理業、賃貸住宅を一括借り上げし、第三者に貸すサブリース業、家賃回収代行業など業種を問わず、個人家主も含める。違反した場合、懲役刑や罰金刑を科す。
家賃保証業は登録制にし、役員に犯歴がないことなどを開業条件とする。借り主との契約時に保証金や保証期間などを記した書面の交付を義務化。無登録営業や暴力団員の使用なども禁じる。
一部業界団体が来年2月からの稼働に向け、準備している借り主の滞納歴などの信用情報を盛り込むDBについても、事業者を新法で規制し、登録制を導入。事業者にDB運用時に借り主の同意を取り付け、借り主の要求に応じて登録情報の開示を義務づけるほか、秘密保持の徹底を求め、目的外使用を禁じる。
家賃保証、DBの事業者が違反した場合、業務停止や登録取り消しなどの行政処分、刑事罰を科す。(室矢英樹) (朝日 12月18日)
国土交通省によると、民間賃貸住宅(約1300万戸)の約4割が家賃保証業者と契約し、急速に市場が拡大。これに伴い、一部業者による追い出し行為が社会問題化した。政府は借り主の住まいの安定確保に向けた新規立法が必要と判断し、来年3月までに法案を提出する方針だ。国交省と消費者庁が連携し、効果的な被害救済の体制づくりを図る。
新法は「家賃保証業の適正化及び家賃の取り立て行為規制法(仮称)」。貸金業法を参考に「人を威迫し、私生活の平穏を害する言動」を条文で禁止するとともに家賃滞納者への深夜・未明の督促▽無断での鍵交換▽家財撤去――などの強引な取り立て・追い出し行為を禁じる。規制対象は家賃保証業のほか、不動産賃貸・管理業、賃貸住宅を一括借り上げし、第三者に貸すサブリース業、家賃回収代行業など業種を問わず、個人家主も含める。違反した場合、懲役刑や罰金刑を科す。
家賃保証業は登録制にし、役員に犯歴がないことなどを開業条件とする。借り主との契約時に保証金や保証期間などを記した書面の交付を義務化。無登録営業や暴力団員の使用なども禁じる。
一部業界団体が来年2月からの稼働に向け、準備している借り主の滞納歴などの信用情報を盛り込むDBについても、事業者を新法で規制し、登録制を導入。事業者にDB運用時に借り主の同意を取り付け、借り主の要求に応じて登録情報の開示を義務づけるほか、秘密保持の徹底を求め、目的外使用を禁じる。
家賃保証、DBの事業者が違反した場合、業務停止や登録取り消しなどの行政処分、刑事罰を科す。(室矢英樹) (朝日 12月18日)