東京多摩借地借家人組合

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建物の老朽化は賃貸住宅の明渡しの理由になるの?

2021年09月09日 | 明渡しと地上げ問題
Q 家主から、来年の更新のときは更新しないから出て行ってほしいと言われました。理由は「建物が老朽化したから」ということしか教えてくれません。出ていきたくないのですが、どのように対応すればいいでしょうか。

A 基本的に、あなたが居住を続けている場合、抽象的な「建物の老朽化」という理由だけで出ていく必要はありません。家主から更新しない理由や立退料などの提示をきちんと受けて、交渉を行ってください。
 最近は、この老朽化と耐震補強を理由に更新拒絶を申し出てくる不動産業者が多いようですが、いずれも「正当事由」との関係では、建て替えの必要性を満たしているような事案はほとんどありません。
あなたのケースでも、「老朽化」以上の説明をしてこないといったことからすると、「正当事由」を満たす更新拒絶とはいえない可能性が高いと思います。

 この「正当事由」の要件を満たすためには、賃貸人からの立退料の提示を受けることもあります。これは、「明渡しの条件として賃貸人から賃借人に対して(払われる)財産上の給付」(借地借家法28条)に当たります。この金額によって、賃借人が明渡しによって受ける損害(新住居移転にかかる初期費用、引越し費用、その他準備費用、生活環境の変更に対する補償等)が補填される場合、正当事由を満たされる場合もあります。┅┅┅┅┅┅

以上は『借地借家の知識とQ&A』弁護士西田穣著(法学書院)より、抜粋しました。西田弁護士は東借連常任弁護団に所属しています。

(東京多摩借組ニュース9月号より)

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