東京多摩借地借家人組合

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網入りガラスが自然にひびが入った借主の責任になるのか

2007年07月21日 | 敷金と原状回復
(Q)退去時、網入りガラスにひびが入っていることを指摘されたが、自分で傷つけた覚えがなかった。しかし、管理会社は、「入居中にひびが入っているのだからあなたの責任である」として費用請求すると言ってきて。納得できないのだが、対抗手段はないものか?


(A)もともと、網入りガラスは割れやすいのですが、なぜ使用するのかといえば、消防法により、防火地域内の場合、道路中止線や隣地境界線から1階が3m、2階が5mにかかる窓には法律で防火対策の製品を使用しなければならないとされているからです。
  また、建築基準法によっても、延焼の恐れのある部分の隣地境界線、道路の中心部線から3m以内の場合、厚み6.8mmの網入りガラスが必要であるとされているのです。
 「防犯のため」と思っている人もいますが、網入りガラスはガラスが割れても崩れ落ちないため、大きな音が立ちにくく、泥棒には好都合だとさえ言われています。
  いずれにしても、網入りガラス自体、非常に割れやすいのです。
  割れる原因としては、まず、ガラスと網の膨張率の違いがあります。
  冬場など、外気が非常に下がっているときに太陽の直射光線が網入りガラスに当たった場合、網自体は鉄製なのでガラスよりも早く膨張し、それに耐え切れなくなったガラスが割れてしまうというものです。
  次は、鉄製の網が結露などの影響で錆びついてしまうと膨張してしまうため、やはり、それに耐え切れなくなったガラスが割れてしまうというものです。
  三つ目は、室内側で暖房機の熱が直接窓ガラスに当たり、やはり、外気との差が激しくなって、熱膨張率の差でひびが入る場合です。
  四つ目は、今度は真夏などの高温状態では、ガラスと網の膨張率の差で割れてしまうというケースです。
  五つ目は、色付のガラスや熱線吸収等のフィルムを張ったガラスの場合ですが、やはり膨張率の差によって、割れやすいといわれています。
  六つ目は、網入りガラスのエッジ部分の強度が一般のガラスの半分程度になるため、強度不足による割れが発生しやすいということです。
  七つ目は、窓ガラスにカーテンやブラインドを密着した場合、「熱だまり」ができてしまい、熱膨張率の差で割れてしまうというケースです。
  いずれにしても、網入りガラスが割れやすく、しかも、ほとんどは自然に割れてしまいますので、借主の責任ではありません。
 しかし、割れの原因をきちんと説明できなければ、家主を説得することが難しくなります。
 「網入りガラスの割れの原因は、ほとんどの場合『熱割れ』か、『錆割れ』であり、入居者に責任はない」と説明し、納得を得るようにしてください。



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