15歳私立中学へ通っていた私は、いわゆる文学少女で「厭世主義者」だった。
そんな最も感じやすい時に突然「精神的な修羅」を体験し、自殺未遂事件を起こし
当時の新聞の紙面を賑わした。現在は小学生でも自殺する時代だが、私の思春期時代は
まだそんな事例はなかったようだ。15歳の私は「長生きなんてしたくない、25歳
位までに死にたい、40歳過ぎまで生きているなんて信じられない」と、本気で
思っていたが、何とおこがましい考えだったのだろう
それこそ若さ故の「何も知らない傲慢さ」だったのかもしれないが、思い出すと
本当にお恥ずかしい。今森村誠一著「老いる意味」(中公新書クラレ)を読んで
いるが、うつ病と認知症を克服した壮絶体験など、先生のエネルギッシュな精神力に
感動した。また、美的感覚も旺盛で、おしゃれでカッコいいのもステキだと思った。
恐れ多くて比較にならないが、同世代の先生の考え方や向上心は、本当に素晴らしいと
とても嬉しくなった。年齢を重ねたからこそ書けるのだと感じたが、若い方にも
是非読んで頂きたいと思いご紹介した。
人間は生まれたときから、死に向かって歩み続けているが、その世代でなければ経験
できない、さまざまな楽しみがあるが、その最も楽しく華やかなのは「思春期から青春期」
なのだと思う。その年でなければ体験できない様々なことを、できるだけ沢山享受して
欲しいと思っている。その方が心豊かな人生を歩めるのは確かだから・・・
でも平均寿命が長くなった現在では、その時代はもしかしたら、10年間以上は後倒し
になっているのかも知れないが・・・
85歳になった現在でも、私は肉体的な老化は十分感じるが、精神的な衰えはほとんど
感じない。それは「素晴らしいことだ」と褒めてくれる人もいるが、本人的には全然楽
ではないから困るのだ。でも、時折「私だけが年取る訳じゃやないし、みんな同じだから
平気だ」と思いつつも、でも、あまりに変化が早い現代についていくのは大変だが
でも、年齢の割には健康で心身両面共ビビッドだと思う。私の人間性は実に単純なので
人生の少し先輩の先生の「老いる意味」の後半を拝読し、これからいろいろ勉強する
つもりでいる。