ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

人の命、ものの命と

2023-06-29 04:20:48 | エッセー
 今朝洗い物をしていて、コーヒーカップをスポンジで洗って、お皿など
と一緒に洗い桶入れた。洗剤を流すため、ひとつづつ水道で洗っていた。
 すると、さっきは何でもなかったコーヒーカップの取っ手がとれていた。。思えばもう何年使っていたのだろう?見た目はとてもきれいだった。
 やはり長年使っていたので、見えないけれど小さなひびが沢山あり
割れたのだろう。私は手に取ってしばらく眺めた。
 そして「長年有難う」とお礼を言った。

 人間もいつまでよぼよぼせず、自立した生活できて、コーヒーカップの
ように、ある日突然この世を去れたらいいなと思った。
 長年食生活、運動、美容など人一倍注意しているのは、決して長生き
したいためではない。死の直前まで元気でいたいからだ。
 でも、最近だんだん疲れやすくなり、忘れっぽくなった。
またいつも食材をたくさん買って、冷蔵庫が一杯なのは、心が飢えている
ためと自己分析している。料理を作って電子レンジに入れたまま忘れ
次の日に気付いたことがあり、恐ろしくなった。

 長年燃えて生きてきたが、それは希薄になったが、まだ心の中に明滅
している。そんな葛藤もすっかりなくなったら、人生はもっと気楽になる
かも知れない。でも、私には認知症歴11年半、一人では生活できない
夫を幸せな状態で見送る義務がある。細やかに気を使わなければ、とう
にこの世にいない人を、長生きさせたのは多分妻の私だから・・・
などと考えていたら外は明るくなっていた。

コメント
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