まだ皆の顔には笑みが残る。
7合目 通過した時点で雨脚が強まる。トイレに入ると、登ってきた方々が下山しようかどうかの相談をしている。今回の参加者は、頂上でのストレッチポール体験&夢を叫ぶという目標があるため、雨でも弱気になっている方はおらず、みんなこの逆境をワクワクしている。
8合目 さらに雨と風が強くなってきた。参加者の雨具にも限界が来て、中に水が染み込み全身が濡れている。山小屋で合羽を購入して、さらに進む。
しかし、参加者の体力は雨と風と寒さで想像以上に奪われていた。
途中、あり得ない勾配の坂を登っていた。かつてこんなきつい坂があったのだろうか?
私がこんなにきついと思える場所を年配の方や小さい子どもが登れるだろうか?
冷静に考えてすぐに出た答え!!
「ルートを間違えている」
前の人たちも皆間違えてしまい、それについてきてしまった。
辺りを見回し遠くの左にランプがかすかに見えた。
「ストップ!!気をつけて左へ!!」叫んだ。
なんとかルートに戻ることができた。
山の恐ろしさが身に染みた。
ここで、参加者の体力をみて、山小屋で休憩させてもらった。
しばしの休息・・・濡れた手袋や靴下を乾かし、一台のストーブを7人で囲み
暖をとった。柄の間の休息だった。
外に出てみると先ほどまでの強い雨は止んでいた。
風は相変わらずであったが、雨がないので大分負担が減り先に進むことができた。
そして、山頂到着!!
喜びのつかの間。寒さとの戦いが始まる前に、
ストレッチポール体験会を開催!!
この日は結構な人数が途中で下山や朝に登ることを諦めたため、
山頂の人は少なかった。
ブルーシートを台の上に引き、
山頂まで運んだストレッチポールを3本を置いて、レッスンをスタート。
楽な呼吸→床磨き運動→前ならえ→足バイバイ・・・
参加者からは「キモチイイ~」の声が聞こえ、笑みがこぼれる。
伝説は創られた!!
その後は、同行したカメラマンが撮影しながら各自が富士山頂から想い想いの夢や目標を叫んだ。
最後に、私の番・・・
とても寒かった・・・
けど、決断した。
ふんどしになろう!!
手がかじかんでうまく動かなかったが、どうでもよかった。
8合目のトイレでこっそりふんどしをはいていた。
急いで脱ぐと、玉がはみ出ていた。
急いでしまうと、反対の玉が飛び出てきた。
手がうまく動かず、なかなか言うことをきかない。
極寒の中で冷え切った体をさらしておけるのはわずかな時間だった。
「夢」と書かれたふんどし着用して、「夢」を叫んだ!!
そして、今回の目的のもう一つネパールまで畳の件で協力してくれた全ての人々に
お礼を伝えた。
ありがとうございました!!
いい終えた瞬間
私の中で何かが弾けた・・・
あまりの寒さでどうしようななかったが、仲間が服を着させてくれ、靴を履かせてくれた。
人は一人では何もできないと思った。
そして、ふんどしで叫んだ後に、服を着せられている自分を見て、
仲間の大切さを知った。
下山途中、少し雲海が見えた。
厳しい状況を潜り抜けた一瞬のご褒美。
無事に下山した皆の表情は、喜びの笑顔と達成感と充実感が満たされていた。
この感動はやったものしかわからない。
だからこそこの感動をさらに多くの人に体験してもらいたい!!伝えたい!!
参加してくれた皆さんに心より感謝します!!
ありがとうございました!!
最幸な方々と登れて、最幸の思い出ができて、
最幸の経験になりました!!