木村一基九段の偉業

囲碁の上野女流棋聖(17歳)の快挙に沸いた直後ですが、今度は46歳のおじさんの偉業です。将棋の木村一基九段。豊島名人との７番勝負の最終局を制して初タイトル・王位をつかみました。

世間ではしばしば大器晩成と言われますが、将棋界にはほとんどあてはまりません。何歳でプロになったかによって、ほぼ将来は決まる!?　谷川さん、羽生さん、渡辺明さん、そして藤井聡太さん、将棋界で名を成す人の多くは早熟の天才です。

20歳以上でプロになった人でタイトルを獲ったりＡ級(八段)に上がるのは稀です。羽生世代以降では、たぶん藤井猛元竜王だけ(20歳でプロ入り)。木村さんがプロになったのは23歳、Ａ級に昇級して驚かせましたが、今度は46歳でタイトルも。

木村さんは「百折不撓」が信条だそうですが、まさに体現しています。大崎善生『将棋の子』でも脇役として登場しますが、ついに主役になりました。

将棋ライターの松本博文さんは以下のように書いています。私も全く同感です。

木村王位の活躍をわがことのように誇りとし、自らの希望としている人は、世の中に多いことでしょう。筆者もまた、同じ1973年生まれとして、また将棋を愛する者の一人として、心から敬意を表したいと思います。