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アメリカ合衆国、同性婚容認へ1

2013-06-28 18:25:01 | 法・裁判

注目されていた連邦最高裁の判決は、同性婚に待ったをかけようとした連邦法-結婚防衛法(DOMA)は違憲という判断でした。
結婚防衛法は、まだ同性婚の「ど」の字くらいしかなかった前世紀末に、結婚を男女間に限るとして、連邦法上、同性カップルを結婚とは認めないとするものです。アメリカ法においては結婚をどのようにするか-たとえば何歳から許すかは州法の問題であるとされています。しかし、当然ある州での結婚は他州や連邦においても結婚と認められるという扱いになっていました。
つまり結婚防衛法は、どこかの州が同性婚容認に踏み切る前に先手を打ってそれを邪魔しようとしたのです。
現在、合衆国では13州(後述のカリフォルニア州も含めて)と首都において同性婚が認められていますが、そこで結婚した同性カップルについて、連邦法上、社会保障や税制において異性婚夫婦に与えられる特典を認めないことは憲法に違反するのでは?が争点でした。
最高裁は5対4の1票差でイエスと答えました。ケネディー裁判官の法廷意見によると、結婚防衛法は同性愛者やその家族を害することに動機づけられており、連邦法全体に不平等を書き込んだと断じています。
この判決は、州が認めた同性婚を連邦が邪魔することは憲法違反だとしただけで、同性婚を認めていない多くの州法を違憲と判断したわけではありません。USA Todayの見出しは「判決は全国的な同性婚禁止と全国的な同性婚許容の中間の理由づけ」としています。
しかし、ケネディー法廷意見が結婚防衛法を違憲とした理由は同性婚を禁止している州法にも同じようにあてはまりそうです。クリスチャン・サイエンス・モニターは、保守派のそのような懸念を伝えています。もっとも法廷意見は、違憲判断は同性婚が認められている州からの結婚にだけ適用されると限定を付してはいますが。
同日、カリフォルニア州で起きた別の同性婚事案の判決もありました。これは結婚防衛法以上に妙な訴訟ですが、また明日。

ところで、今朝の朝日新聞に、わが国の憲法(24条)は「婚姻は両性の‥‥」としているので、同性婚は法的な前提を欠いているという趣旨の記事が載ってますが、これはおかしいでしょう。憲法が制定された70年近く前には、同性婚という観念自体がなかったのであって、憲法起草者が同性婚を明示的に否定したということではないはずです。

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