ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

蓬莱竜太「まほろば」

2012-05-20 22:23:22 | 芝居
4月9日新国立劇場小劇場で、蓬莱竜太作「まほろば」をみた(演出:栗山民也)。

とある田舎町。祭りの夜。男たちは出払っており、女たちが残って留守を預かっている。数日前に東京から久しぶりに帰郷した
長女ミドリ(秋山菜津子)。東京での生活は順調だったが、気がつけば40代。婚約寸前で相手と別れ、傷心旅行のつもりだった
のだが、実家の母(三田和代)は本家の血を絶やしたくないため、いまだ独身のミドリに小言が絶えない。
一方、次女キョウコ(魏涼子)はかつて父親の分からない子を出産。ミドリの姪に当たるその娘ユリア(前田亜季)の行方は
何年も分からない。親戚の女たちが集まり、宴会の準備を進めているところに、その姪が突然帰ってくる・・。

はっきり言ってはいないが、長崎近辺が舞台らしい。九州弁が 、native の私には心地良いが、所々違和感がある。
最後が「と」で終わる文章など。方言の監修をちゃんとやってもらった方がいい。

魏涼子は声がでかくて好感が持てるが、この役にはあまりに若過ぎる。実の娘役の前田亜季と姉妹のようでいけない。
説得力に欠けるキャスティングだ。

「(母性)本能」という言葉は少々危険なのではないだろうか。もはや古い概念だし、「これだから男の作家は・・」
と言われかねませんよ。

子役(次女が現在つき合っている男の、10歳になる娘役)の大西風香がうまい。
秋山菜津子はこの役にピッタリはまっている。いつもながら見ていて気持ちがいい。
三田和代もいつもながらのいい味わい。この二人に大笑いさせられた。

この作品は岸田國士戯曲賞を受賞した由。
この日、蓬莱竜太という、若くて才能のある劇作家と出会えた。

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