6月28日パルコ劇場で、ポール・オースター作「幽霊たち」をみた(構成・演出:白井晃)。
枠構造。一人の男が或る物語を語り始める。ブルーという名の私立探偵(佐々木蔵之介)がホワイト氏(奥田瑛二)に依頼され、
ブラック氏(奥田瑛二)を見張ることになる。ブラック氏のアパートの向かいのアパートに用意された部屋に行ってみると、
机といすとタイプライターまで置いてある。彼は目的が分からぬまま、その部屋に引っ越し、恋人(市川実日子)に電話して、
仕事でしばらく会えなくなる、と告げる。
ブラック氏は一日中読書するかタイプライターで何かを書くばかり。何の変化もなく2か月がたち、彼はさすがに苛立ってくる・・・・。
この主筋の中に、いくつかの脇筋があり、それらが面白い。主人公がかつて解決した2つの事件。監視の仕事にうんざりした彼が外出し、
映画館で見る映画の内容。ホーソーンの短編の中に出てくる風変りな話・・。
彼の父は刑事だった。父は或る事件で犯人を深追いし過ぎて殉職したのだった・・。
謎解きを期待していると肩すかしを食う。カフカ的迷宮に迷い込んだよう。これもまた不条理。
しかし、とびきりスタイリッシュな舞台とスピーディな展開に目を奪われ、充分楽しめた。
映画のストーリーが舞台で繰り広げられる時は、いかにも映画音楽らしい音楽が流れて臨場感が溢れる。
ただし、あそこまで役者たちに多様で細かな動きを覚えさせる必要があるだろうか、とは思った(マクバーニー演出の「春琴」でも感嘆しつつ感じたことだが)。
枠構造。一人の男が或る物語を語り始める。ブルーという名の私立探偵(佐々木蔵之介)がホワイト氏(奥田瑛二)に依頼され、
ブラック氏(奥田瑛二)を見張ることになる。ブラック氏のアパートの向かいのアパートに用意された部屋に行ってみると、
机といすとタイプライターまで置いてある。彼は目的が分からぬまま、その部屋に引っ越し、恋人(市川実日子)に電話して、
仕事でしばらく会えなくなる、と告げる。
ブラック氏は一日中読書するかタイプライターで何かを書くばかり。何の変化もなく2か月がたち、彼はさすがに苛立ってくる・・・・。
この主筋の中に、いくつかの脇筋があり、それらが面白い。主人公がかつて解決した2つの事件。監視の仕事にうんざりした彼が外出し、
映画館で見る映画の内容。ホーソーンの短編の中に出てくる風変りな話・・。
彼の父は刑事だった。父は或る事件で犯人を深追いし過ぎて殉職したのだった・・。
謎解きを期待していると肩すかしを食う。カフカ的迷宮に迷い込んだよう。これもまた不条理。
しかし、とびきりスタイリッシュな舞台とスピーディな展開に目を奪われ、充分楽しめた。
映画のストーリーが舞台で繰り広げられる時は、いかにも映画音楽らしい音楽が流れて臨場感が溢れる。
ただし、あそこまで役者たちに多様で細かな動きを覚えさせる必要があるだろうか、とは思った(マクバーニー演出の「春琴」でも感嘆しつつ感じたことだが)。
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