5月1日赤坂ACTシアターで、シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」をみた(演出:ジョナサン・マンビィ、
上演台本:青木豪、翻訳:松岡和子)。
「ロンドン演劇界で破竹の快進撃を続ける英国きっての人気若手演出家」の演出が目当てで赤坂まで出かけた。
上演台本を書いた人がいて「原作:シェイクスピア」とあるので翻案だが、セリフはほとんど変えていない。
ただ時々女性歌手が出てきて歌うのが余計。
ロミオ役の佐藤健は初舞台にして初主演とのことだが、なかなかの好演。声もよく通る。
乳母役のキムラ緑子がうまい。
キャピュレット夫人役の石野眞子も好演。
ジュリエット役の石原さとみは熱演だが、時々声が高過ぎる。ティボルトの死の知らせを聞いた時のセリフなど早過ぎる。
大事なセリフは客席まできっちり届くようにしっかり発音してほしい。
マーキュシオ役の菅田将暉もいい。
ロレンス神父役の橋本さとしはうまいが、思った通り若過ぎる。元気一杯で脂ぎってて世俗的でちっとも神父らしくない。
3幕3場の神父の素晴らしいセリフが一部カットされたのは残念だ。ここだけはカットしないでほしい。
キャピュレット氏は確かに時として暴君のように振る舞うが、乳母に暴力を振るうことはない。これはおかしい。
キャピュレット夫人は娘のベッドでカラの薬瓶を発見する。時々こういう演出を見かける。確かに飲んですぐに隠すという
セリフがないから(隠した可能性も残るが)、ジュリエットの体のそばにあったかも知れないし、だとすれば乳母か母が
発見することもあり得るわけだ。ただここにセリフがないから、夫にそのことを伝えて娘は自殺だと皆が知るところまでは
行かない。
みんな何かというと十字を切る。
葬列・・上手から下手へ、皆1輪の白バラを手にミサ曲を歌いながら足取りをそろえてゆっくり歩く。
ロミオは友人ベンヴォーリオからジュリエットの死の知らせを聞く(原作では召使いから)。墓の前までついて来るのも
ベンヴォーリオ(これも本当は召使い)。このように、あちこち改変しているのは役者の数が足りないからか。
原作では可哀想なパリス伯爵の顔を、ロミオは殺すまで見ていない。殺してから見てパリスと気づく。これは割と重要な点。
「公爵」とは名ばかりで、実際は警察署長。ちゃんと制帽をかぶって制服を着ている。パトカーがサイレンを鳴らし、
警官たちが町を取り締まる。
ラスト、墓場に両家の人々や公爵が集まっている時、上方に乳母が一人いて泣き崩れる。普通ここに乳母はいないが、
いて正解だと思う。自分のしたことの重大な結果をしかと見届けて深く悔い改めてほしい。
モンタギュー夫人(ロミオの母)は生きて息子の亡きがらに取りすがる(原作では前日に悲しみのあまり死んでいる)。
しかしこれでもいい。初めてこの芝居を見る人にはシンプルで分かり易いのが一番だ。
何だか間違い探しのようになってしまった。久々に突っ込み所満載の芝居でした。
上演台本:青木豪、翻訳:松岡和子)。
「ロンドン演劇界で破竹の快進撃を続ける英国きっての人気若手演出家」の演出が目当てで赤坂まで出かけた。
上演台本を書いた人がいて「原作:シェイクスピア」とあるので翻案だが、セリフはほとんど変えていない。
ただ時々女性歌手が出てきて歌うのが余計。
ロミオ役の佐藤健は初舞台にして初主演とのことだが、なかなかの好演。声もよく通る。
乳母役のキムラ緑子がうまい。
キャピュレット夫人役の石野眞子も好演。
ジュリエット役の石原さとみは熱演だが、時々声が高過ぎる。ティボルトの死の知らせを聞いた時のセリフなど早過ぎる。
大事なセリフは客席まできっちり届くようにしっかり発音してほしい。
マーキュシオ役の菅田将暉もいい。
ロレンス神父役の橋本さとしはうまいが、思った通り若過ぎる。元気一杯で脂ぎってて世俗的でちっとも神父らしくない。
3幕3場の神父の素晴らしいセリフが一部カットされたのは残念だ。ここだけはカットしないでほしい。
キャピュレット氏は確かに時として暴君のように振る舞うが、乳母に暴力を振るうことはない。これはおかしい。
キャピュレット夫人は娘のベッドでカラの薬瓶を発見する。時々こういう演出を見かける。確かに飲んですぐに隠すという
セリフがないから(隠した可能性も残るが)、ジュリエットの体のそばにあったかも知れないし、だとすれば乳母か母が
発見することもあり得るわけだ。ただここにセリフがないから、夫にそのことを伝えて娘は自殺だと皆が知るところまでは
行かない。
みんな何かというと十字を切る。
葬列・・上手から下手へ、皆1輪の白バラを手にミサ曲を歌いながら足取りをそろえてゆっくり歩く。
ロミオは友人ベンヴォーリオからジュリエットの死の知らせを聞く(原作では召使いから)。墓の前までついて来るのも
ベンヴォーリオ(これも本当は召使い)。このように、あちこち改変しているのは役者の数が足りないからか。
原作では可哀想なパリス伯爵の顔を、ロミオは殺すまで見ていない。殺してから見てパリスと気づく。これは割と重要な点。
「公爵」とは名ばかりで、実際は警察署長。ちゃんと制帽をかぶって制服を着ている。パトカーがサイレンを鳴らし、
警官たちが町を取り締まる。
ラスト、墓場に両家の人々や公爵が集まっている時、上方に乳母が一人いて泣き崩れる。普通ここに乳母はいないが、
いて正解だと思う。自分のしたことの重大な結果をしかと見届けて深く悔い改めてほしい。
モンタギュー夫人(ロミオの母)は生きて息子の亡きがらに取りすがる(原作では前日に悲しみのあまり死んでいる)。
しかしこれでもいい。初めてこの芝居を見る人にはシンプルで分かり易いのが一番だ。
何だか間違い探しのようになってしまった。久々に突っ込み所満載の芝居でした。
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