10月8日新国立劇場中劇場で、蓬莱竜太作・演出の「渦が森団地の眠れない子たち」を見た(ホリプロ企画制作)。
作者曰く「団地大河ドラマ」とのこと。
小4の圭一郎(鈴木亮平)は震災後、大規模な団地に引っ越してきた。その団地には母(奥貫薫)の姉(奥貫の二役)とその息子も住んでいた。
だが母と母の姉は関係がよくないため、圭一郎はこれまで自分にいとこがいることすら知らなかった。
そのいとこ、鉄志(藤原竜也)も小4。彼の父は行方不明ということだが、実は町でその姿を見たという人がおり、保険金詐欺と噂されている。
鉄志はガキ大将で、友人達に自分のことをキングと呼ばせ、エアガンで脅したり駄菓子屋でおごってやったり金をやったりして彼らを支配している。
圭一郎は彼から圭君と呼ばれ、「親戚だから」と特別扱いされる。だが圭一郎は、鉄志がこの世で一番嫌いなのだった・・・。
圭一郎の妹キッコ(青山美郷)は利発で足が速い。いつもランニングしている。実は圭一郎とは血がつながっていない。子連れ同士の再婚らしい。
団地の自治会長、安部さん(木場勝己)の部屋は子どもたちのたまり場。
時々余震が起こり、団地の人々の心に重くのしかかる。
野球をやっている時、圭一郎の打った球がティーンモデルの少女ダイアナ(太田緑ロランス)の顔に当たり、大騒ぎに。圭一郎はすぐに謝らず、
鉄志が、彼女と親しくなるために彼女の方に打て、と言ったと言う。その後ごたごたが続くが、結局鉄志はキングの座を追われ、一人に。
ダイアナと、彼女につきまとう少女のやりとり、そして二人の関係の変化が面白い。
結局、保険金詐欺がばれて、鉄志親子は団地を出て行くことになる。
子ども達は鉄志の送別会を開くことにするが・・・。
鉄志がエアガンを撃ちまくり、子供たちが逃げ惑うシーンが何度も繰り返されるのが、見ていてあまりいい気分ではない。
子供たちの関係が変化してゆくのが、リアルで面白い。
木場が伴奏に合わせてたっぷり2曲も歌うのが・・・はっきり言って、いらない。
蓬莱が井上ひさしを尊敬しているのは分かるが、劇中に歌を入れるところまで真似しなくてもいいのでは?
だが木場が演じる「安部さん」は重要。何しろ唯一の大人の男性で、この芝居に重みと温かみを与える不可欠の存在。
木場は例によって癖が強いが、その低い声がいい。
母と母の姉の二役を演じた奥貫薫が好演。一人二役で、しかも同じ舞台上で、ほとんど連続して演じるというなかなかの難役。
鉄志役の藤原竜也は、ガキ大将になりきっている。こういう役が向いているのかと思ったが、実はこの芝居は、彼と鈴木亮平に当てて
書き下ろされた由。なるほど。それで納得がいったが、それにしても蓬莱の人を見る目の鋭さと深さに改めて感銘を受けた。
役者たちはあまり有名でない人も多かったが、皆、好演。
作者曰く「団地大河ドラマ」とのこと。
小4の圭一郎(鈴木亮平)は震災後、大規模な団地に引っ越してきた。その団地には母(奥貫薫)の姉(奥貫の二役)とその息子も住んでいた。
だが母と母の姉は関係がよくないため、圭一郎はこれまで自分にいとこがいることすら知らなかった。
そのいとこ、鉄志(藤原竜也)も小4。彼の父は行方不明ということだが、実は町でその姿を見たという人がおり、保険金詐欺と噂されている。
鉄志はガキ大将で、友人達に自分のことをキングと呼ばせ、エアガンで脅したり駄菓子屋でおごってやったり金をやったりして彼らを支配している。
圭一郎は彼から圭君と呼ばれ、「親戚だから」と特別扱いされる。だが圭一郎は、鉄志がこの世で一番嫌いなのだった・・・。
圭一郎の妹キッコ(青山美郷)は利発で足が速い。いつもランニングしている。実は圭一郎とは血がつながっていない。子連れ同士の再婚らしい。
団地の自治会長、安部さん(木場勝己)の部屋は子どもたちのたまり場。
時々余震が起こり、団地の人々の心に重くのしかかる。
野球をやっている時、圭一郎の打った球がティーンモデルの少女ダイアナ(太田緑ロランス)の顔に当たり、大騒ぎに。圭一郎はすぐに謝らず、
鉄志が、彼女と親しくなるために彼女の方に打て、と言ったと言う。その後ごたごたが続くが、結局鉄志はキングの座を追われ、一人に。
ダイアナと、彼女につきまとう少女のやりとり、そして二人の関係の変化が面白い。
結局、保険金詐欺がばれて、鉄志親子は団地を出て行くことになる。
子ども達は鉄志の送別会を開くことにするが・・・。
鉄志がエアガンを撃ちまくり、子供たちが逃げ惑うシーンが何度も繰り返されるのが、見ていてあまりいい気分ではない。
子供たちの関係が変化してゆくのが、リアルで面白い。
木場が伴奏に合わせてたっぷり2曲も歌うのが・・・はっきり言って、いらない。
蓬莱が井上ひさしを尊敬しているのは分かるが、劇中に歌を入れるところまで真似しなくてもいいのでは?
だが木場が演じる「安部さん」は重要。何しろ唯一の大人の男性で、この芝居に重みと温かみを与える不可欠の存在。
木場は例によって癖が強いが、その低い声がいい。
母と母の姉の二役を演じた奥貫薫が好演。一人二役で、しかも同じ舞台上で、ほとんど連続して演じるというなかなかの難役。
鉄志役の藤原竜也は、ガキ大将になりきっている。こういう役が向いているのかと思ったが、実はこの芝居は、彼と鈴木亮平に当てて
書き下ろされた由。なるほど。それで納得がいったが、それにしても蓬莱の人を見る目の鋭さと深さに改めて感銘を受けた。
役者たちはあまり有名でない人も多かったが、皆、好演。
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