2月17日、シス・カンパニー公演プリーストリー作「夜の来訪者」を観た(紀伊国屋ホール)。
イギリス人の1947年の原作を1972年の日本に置き換えて翻案(内村直也)したもの。
登場人物は皆ステレオタイプ。筋も分かり易く、予想通りに展開する。ただ、そこに少しひねったところがあるので、先に興味をつないでいくことができる。
翻案者に一言。全体にとてもよく日本の風土に移し変えていると思うが、娘の言葉遣いが少し長ったらしい。成り上がりの上流家庭とは言え昭和47年の日本の若い娘の言葉にしては時代がかっている。皇族ではないのだから、敬語と丁寧語をもっと減らしたほうがいい。
役者は皆なかなかいい。渡辺えりの着物姿が堂に入っていて驚いた。この人はこんなに似合うのだから、これからどんどん着物を着るといい。段田安則は12月の「舞台は夢」でも好演していたが、この日もよかった。
10分の休憩をはさんで、同じシーンが二度繰り返された。(こんなのは初めて見た。)つまりこの芝居は一幕物で、どうしても切れるところがなかったのだろう。
結局真相(女が一人なのか複数なのか、そして男の正体も)は分からずじまいだが、作者の意図はそこにはない。見えてくるのは社会正義を求めて観客に訴えかける、非常に道徳的倫理的な姿勢だ。作者プリーストリーは、当時第二のディケンズの出現として熱狂的に歓迎された、というのもうなづける。
イギリス人の1947年の原作を1972年の日本に置き換えて翻案(内村直也)したもの。
登場人物は皆ステレオタイプ。筋も分かり易く、予想通りに展開する。ただ、そこに少しひねったところがあるので、先に興味をつないでいくことができる。
翻案者に一言。全体にとてもよく日本の風土に移し変えていると思うが、娘の言葉遣いが少し長ったらしい。成り上がりの上流家庭とは言え昭和47年の日本の若い娘の言葉にしては時代がかっている。皇族ではないのだから、敬語と丁寧語をもっと減らしたほうがいい。
役者は皆なかなかいい。渡辺えりの着物姿が堂に入っていて驚いた。この人はこんなに似合うのだから、これからどんどん着物を着るといい。段田安則は12月の「舞台は夢」でも好演していたが、この日もよかった。
10分の休憩をはさんで、同じシーンが二度繰り返された。(こんなのは初めて見た。)つまりこの芝居は一幕物で、どうしても切れるところがなかったのだろう。
結局真相(女が一人なのか複数なのか、そして男の正体も)は分からずじまいだが、作者の意図はそこにはない。見えてくるのは社会正義を求めて観客に訴えかける、非常に道徳的倫理的な姿勢だ。作者プリーストリーは、当時第二のディケンズの出現として熱狂的に歓迎された、というのもうなづける。
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