Gyaoのような、インターネットで動画配信をして番組を流す場合、電波による動画配信、すなわちテレビとは、根本的に異なる特徴がある。
それは、電波の希少性とよばれる、ある周波数には、同時に1つの番組しか流せないということだ。
たとえば、TBSは、今スケートをやっているが、これ以外の番組は、TBSは、この時間には流せない。もちろん、地上デジタルの場合、1つのチャンネルが13セグメントにわかれ、うち1セグメントは、ワンセグ放送、いまのケータイでみれる番組となり、のこり12セグメントを、1番組を普通のテレビの画質で流して3番組ながそうと、ハイビジョンを1画像ながそうと、勝手、すなわち、地上デジタルなら、最大普通画像3番組+ワンセグ1番組、1つのチャンネルで流そうと思えば流せる計算になるが、それでも、セグメントごとにみれば、1つの番組しか流せない。
そーすると、テレビ局の場合、
ある時間には原則1つの番組しか流せないのだから、
会社が儲かるようにするには、
その時間にできるだけ多くの人に見てもらえる
=多くの人に受けそうな番組を流すことになる。
たとえ、それが教育的に意義があろうと、いや、たとえ低俗といわれようとも、一部の人にとって眉をしかめる番組だろうとも、多くの人に受ければ、そういう番組をながす。これが、テレビだ。そりゃーしょーがない。そーいう仕組みなんだから。。
でも、インターネットの場合は違う。同時にいっぺんの放送が、それぞれの人に対して流せる。そうすると、多くの人に受ける番組を流すより、確実に見てくれる番組を、幅広く作って流すほうがいい。
具体例を言おう。
いま、TBSは、スケートが流れてる。
これは、浅田姉妹や、安藤美姫さんに興味ありありな人が多いからだ。
でも、東京の人みんなが興味あるわけじゃない。
一方インターネットは、浅田さんの番組も、安藤さんの番組も、プロレスも、映画も。。。あげればきりないのでこの辺でやめるけど、同時に見れる。ということは、TBSを見れる人がかりに100人だったとして、スケートファンが20%なら、全員見れば視聴率20%、これけっこうすごいけど、インナーネット配信会社は、1人1人にあった100個の番組を流すことだって可能だ。そしたら、みんな見て。。。100%になってしまう(@_@!)
ってことは、インターネット配信は、1人1人の好みに合った映像を、とにかく、たくさん作って流したほうがいいことになる。個性的なら個性的なほうがいいかもしれない。
まさに、ロングテールの世界だ。
こうなってくると、いろんな番組が大量にでるのだから、広告枠もいっぱいになる。。
ってことは、広告を小口にして、もっと広告料を安くしてしまうことも可能ということだ。
たくさん作るとなってくると、お金をかける大作よりも、安い制作費で、手軽に、個性的な番組を作っていったほうがいいことになる。
たとえばこんなかんじ
・日比谷公園の野外パフォーマンスを撮っていく番組、
で、そういうパフォーマーとか、インディーズバンドとかからCMをとる。
1番組につき1500円とか(ただし、MPEGかなんかでCMは入稿)
・小劇団がやっている演劇の内容を放送する番組で、
いろんな劇団から広告をとる
・JAVAとか、Wordとか、フリーソフトの使いかたとかを、専門学校の
授業を撮って流す。そして、その専門学校のCMをながす。
→情報系にかぎらず資格関係とか、いろいろ
・最近のネットの話題の話など、なんでもいいから、ちょっとした人に話してもらって
(それが重要なのではない、以下のCMが重要)
ブログの紹介として、ブロガーからCMをとる、1回500円
(定型フォーマットがあって、文章だけを送る)
などなど。。
安い番組を大量に作って、安い広告費で大量の広告をとり、大量に流す。
まさに、ロングテールの番組&広告戦略こそ、テレビと競合しても生き残れる、インターネット動画配信の戦略だと思うのだ。。
でも、最近のGyaoって、そういう方向じゃなく、番組的には、バラエティっぽいテレビ番組という感じがする。。。
本家にも書いたけど、罰ゲームで、グラビアアイドルが、アリを食べさせられるって、まるで、テレビのバラエティ番組を痛くしたような番組で。。。
で、CMも、大手からとってますよねー。
こういう感じだと、まさにテレビとおなじ。。となれば、インターネットでみるより、テレビのほうが、見やすい(めんどくさくない)から、テレビに負けちゃうと思うんですよ。。。
とはいえ、Gyaoが、上記のような、ロングテール番組、ロングテール広告戦略になるとも、ちょっと思えず。。
このまま、こんな、テレビを痛くした様な番組ばかりが流れるっていうようだと。。
やっぱ、Gyaoは。。。ねえ。。(^^;)
