ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

顧客の要求を聞くと、システム開発は失敗するってこと・・・

2011-12-27 13:39:04 | そのほか
 いま、ハーバードビジネスレビューの2002年5月号135ページからの
「真の顧客ニーズを製品開発に結びつける法」を見ていたんだけど、

そこに書かれているのは、
・顧客は、製品ソリューションを持っていない。なぜなら、

   ・顧客は自分が経験したことしか知らない
     →新しいテクノロジーなど自分が知らないことまで考慮できない
   ・顧客の要望を鵜呑みにしすぎると、単に
      追随製品を作成して終わる結果になる
   ・先進ユーザーの勧めに従って誕生した商品は、アピール力に限界
     →新しく改良された特徴や機能を、実は顧客は望んでいない

・つまり、「顧客は自分が何を望んでいるか、本当はわかっていない」



ってことで、だから、顧客に要望をきいてはいけず、アウトカム(どうなっていれば良いという
結果)を聞くべきだとある。その聞き方は5ステップで、


●1ステップ:アウトカム中心の顧客インタビューを計画
 ・製品・サービスに関連する根本的なプロセスや作業を
  分解して、各ステップに落とし込む
 
 ・どの顧客にインタビューするかを慎重に選択する
 

●2ステップ:インタビュー
 →望ましいアウトカムを得るには、
   アウトカムとソリューションが区別でき
   あいまいな発言やエピソード、無関係なコメントを取り除ける
  モデレーターが必要
 →顧客がソリューションめいたものを思いついたときは、モデレーターは
  必ず質問して、その基になるプロセスについて考えさせる。
 →ぼんやりと表現、形容詞を並び立てる
   →アウトカムを引き出す出発点
 →当て推量の部分を取り去るために、参加者と合同で確認作業

●3ステップ:アウトカムを系統だててまとめる
 →アウトカムをプロセスの各ステップに対応するカテゴリーに分ける

●4ステップ:重要性と満足度でアウトカムを点数化する
 ・定量調査を実施し、別の種類の顧客にそのアウトカムが本当に望ましい
  ものであるかを評価

●5ステップ:アウトカムを使ってイノベーションを推進する



だそうな




ということは、同じ理屈で、ユーザーに要求を聞きに行っても、彼等は、
技術を知らないし、ヒアリングにいった人以外の人は、望んでいないような
ことをいうかもしれない。ユーザーは、本当は自分が何を望んでいるか判らない
ということになる。

そんな要求を基に開発してしまっては、システム開発は失敗してしまうだろう・・


そこで、ヒアリングを実施して、要求を得る場合は、



・まず、ざっくりとユースケースをわけ、そのユースケースにかかわる
 アクター(そのユースケース実施にかかわる人)に対してヒアリング
 をかけ、

・どうなればいいのかのアウトカム(状態)を聞き出し

・そのアウトカムをユースケースに分けて書き出し

・その内容が正しいか、優先順位としてどうなのかをオーナー
 (本当はそのユースケースの所有者という意味。便宜的に
  アクターに指示を出す人、上司などと考えてもさほど問題ない)
 に確認する

・その結果をもとに、アウトカムをまとめ、要求を抽出する



ということになる。つまり、顧客に要求を聞いてはいけないことになる。

これは、ゴール指向分析などで、ゴールは、状態(何々に「なっている」)
という話に通じていて、妥当性を持っているように思う。


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